北海道大学が主催するサステナビリティ・ウィークとは「持続可能な社会」の実現に向けた大学の研究や教育活動を国内外に向けて広く発表するイベントで、毎年この季節に開催しています。8年目を迎え、大学の恒例事業として定着してきました。2007年の立ち上げから、統括を担当してきた武村理雪さん(国際本部シニア・コーディネーター)にお話を伺いました。
今年は「教育」がキーワードと聞きましたが、どんな想いがこめられているのですか。
国連キャンペーン「持続可能な開発のための教育の10年:ESD(Education for Sustainable Development)」が最終年を迎えるのに合わせ、教育に焦点を当てました。教育…と一口に言いますが、北大は学びあうという姿勢を大切にしています。学生だけでなく、教職員を含め北大に集うすべての人々が学び続けられるような、自由度の高い環境を互いに生み出していきましょう、というメッセージです。今年も、サステナビリティ・ウィークの理念に沿って、学内各部局から多様なタイプの参加を提案してもらいました。
8日には「北海道大学から世界へ。未来へ。」と題した目玉企画「GiFT」が用意されているそうですね。
「GiFT」とは Global issues Forum for Tomorrow の略です。11月8日(土)20:00より、山口佳三総長と4名の研究者・コーディネーターたちが自らの取り組みをプレゼンテーションします。その様子はインターネットを通じて世界中に公開されますからお楽しみに!Facebookと連動して中継するので、視聴者も参加できます。
http://sustain.oia.hokudai.ac.jp/gift/
(GiFTの運営スタッフや出演者らと打ち合わせする武村さん)
この取り組みは4年目を迎えました。今年は全学のスタンスを示すために、山口総長のスピーチと、個々の研究現場を紹介する研究者やコーディネーターたちのスピーチを組み合わせました。世界共通の様々な課題…例えばエネルギー問題、環境破壊、各地の紛争、生命倫理問題などに直面すると、つい希望を失いそうになります。けれども、それらの課題を解決するためのソルーションがあるというメッセージを受け取ってほしいと希望しています。それは、全ての問題を一度に解決する魔法の策ではないかもしれませんが、一歩でも前進する力になるはずです。これから高等教育を受けようとしている若いみなさんには、そのことを知ってほしいし、ぜひ北大を目指して、自らの可能性を見つけてほしいです。
(左は武村さんのもとで働く安澤洋さん。今年の1月に着任したばかりで、サステナビリティ・ウィークを初めて担当しました。「武村さんは仕事に対して厳しい方。とてもタフな上司です。この仕事を通じて様々な研究者やスタッフに出会い、貴重な経験を積むことができました。」)
北大で働き始めて10年の武村さん。どのような印象をお持ちですか。
魅力のある、熱い仲間たちが集まってくる場所だと思います。グローバルイシューという現実の問題に関心を持って、それにチャレンジしようとしている教職員ばかりです。私の仕事は、北大の国際展開を後押しすることなのですが、彼ら/彼女らから惜しみない努力を感じることができます。それは実学の精神、フロンティアスピリットなのでしょうね。また、不思議なことに、北海道という土地からメッセージを発信しようという気迫が伝わってきます。よりよい社会をつくる…というミッションが当たり前のようにあって、140年にわたる良い伝統が引き継がれています。
これからの抱負を教えてください。
「私もGiFTに出たい!」という仲間を増やしたいです。このGiFTというメディアを通じて、世界中に仲間を作りたい、活動のネットワークを広げたいという研究者のサポートをしたいと考えています。
9月28日からスタートしたサステナビリティ・ウィークは、12月21日までつづきます。各行事の詳細は公式サイトをご覧下さい。
http://sustain.oia.hokudai.ac.jp/sw/jp/