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「二月」クラーク像[物語の中の北大No.10]

Boys be ambitious!
少年よ、大志をいだけ!
十九歳は、まだ少年かもしれない。二十歳は、どうなのだろう?
わたしはキャンパスに建つ胸像の前で考えていた。少年、青年、大人。このままいけば、わたしは南の海に浮かぶ小さな島で、二十歳の誕生日を迎えることになる。

佐川光晴「二月」初出2006『静かな夜』収録(左右社2012, p158)


「物語の中の北大」第10回は、北大法学部卒の佐川光晴さんによる自伝的短編「二月」です。クラーク像の前で物思いにふけるのは佐川さんの分身、主人公の長谷川和郎。1985年、彼は寮自治会の執行委員長として大学側と闘争をしていましたが、半年の任期後に続投せず後任に寮を委ねます。しかし次期執行委員長になる予定だった友人の羽野は自殺してしまいます。

今回のシーンは、本書の記述から推測すると1985年1月18日から20日の間だとおもわれます。長谷川は事件への思いを抱えながら、1月21日に与那国島に向けて旅立ち、さとうきび畑で季節労働者として働きます。そして2月8日の誕生日を迎えるのです。「二月」では北海道とはまったく異なる環境の与那国島で働く長谷川の姿が描かれます。

本作は、「大志を抱け」の言葉に様々な思いを抱き、クラーク像の前に立つ人々がいるかもしれない、ということを思い起こさせてくれます。若さは希望だけでできているわけではないのです。

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2024.02.02

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