動画冒頭で画面を横切るのは、体長1.5mを優に超えるダウリアチョウザメもしくはその雑種と思われる個体だ。その優雅な泳ぎっぷりと不気味な見た目から、スターウォーズの宇宙艦スターデストロイヤーが飛んでくる姿を重ねてしまったのは私だけだろうか。ダウリアチョウザメの場合、大きくなると2~3mに達するそうだ。
かつて北海道には、ダウリアとミカドの2種のチョウザメが生息していたが、野生ではほぼ絶滅してしまった。最後のカットはイトウとの絶滅危惧種のコンビネーションだ。
これらのチョウザメを飼育しているのはFSC七飯淡水実験所。七飯淡水実験所はサケ科魚類を中心に、研究・教育材料の提供のため、保存・養殖事業に日夜奮闘している。近年では商品化にも取り組んでおり、研究の役目を果たした個体の有効利用としてイトウの昆布巻きに始まり、イトウのオイルコンフィ、そしてサクラマスとヤマメの燻製など、「北大トラウト」としてブランド化している。
チョウザメといえば魚卵を使ったキャビアが有名だが、肉も美味いそうで国内でも食べることのできる店が増えているようだ。いつか「北大キャビア」「北大チョウザメ」をつくって売り出したい。そんな夢を持っているFSCとはField Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University、北方生物圏フィールド科学センターの略称である。
【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】