300トンクラスの大型水槽を使用するFSC生態系変動解析分野。FSCにおいては唯一自前の施設を持たず、函館市国際水産・海洋総合研究センターに間借りしている。この施設は、以前FSC的フィールド風景No.16での「暑い夏、優雅なイカの群舞は如何」でも紹介したところだ。
先日、実験が終わった水槽をセンターに返却するにあたって、清掃している場面に出くわした。ガラスの向こうの音は聞こえず、ブルーバックの水槽に黄色いカッパが鮮やかで、まるでショーを見てる気がした。見てる方は気楽だが、中で作業しているものにとっては大変だろう。
使ったものは元に戻すのは当たり前。今回の動画からは離れた話になるが、この一見当たり前のことの大事さを思い知るのが春である。森林などのFSCのフィールドでは、たまにとけた雪の中から放置されたペグやマーカーが出てくることがある。積雪前に実験機材を回収できず、そのまま卒業と言うことか。ガラス・金属・プラスティックなど自然に還らないものの回収は無論、研究に使われたサンプルも行き先を曖昧にして残されると、これもまた処分に手がかかる。
巣立ちの季節。雪解けにそんなお土産が無いことを祈るが、時としてそんな後始末もおこなうFSCとはField Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University、北方生物圏フィールド科学センターの略称である。
【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】