北大祭の各祭は、各学部等で行われる企画です。
歯学部主催の歯学祭では、歯学の楽しさを知ってもらうことを目的に、歯医者さんが使用する材料を使って指の型を取る体験が用意されています。「指の模型を作ろう!!」という企画です。
来場者は歯医者さんが実際に使っている材料に触れる体験ができます。
指の型を取るためには、粉状のアルジネートという歯科材料を使います。アルジネートとは、歯科治療経験者はよくご存じの、歯型を作る時に口の中に入れる独特な感触のあの材料です。では、指の模型ができるまでの過程を紹介しましょう。
水と混ぜてやわらかくなったアルジネートのかたまりの中に指を入れます。アルジネートは30秒から固まりはじめ、2分で固まります。アルジネートのかたまりから指を抜けば指の型ができます。その後、その型へ石膏を流し入れます。石膏が固まれば指の模型ができあがります。石膏は20~30分で固まります。
この模型作りの工程のうち、指の型を取る部分が来場者の体験内容になります。
来場者はできあがった指模型をもらって帰ることができます。うまくいくと、指紋もとれるほど精巧にできるようです。
指の模型はその時だけのわたしのカタチです。きっと良い思い出になることでしょう。
指模型作りは人気の企画。親子連れの来場者が多く、8日(土)は300組が訪れました。お昼時は長蛇の列になるとのこと。
歯学祭担当の歯学部4年塩山さんは「歯学祭の大事な目玉企画です、長年やっています」と誇り高く語ります。
「実際に歯学材料に触れて、多くの子どもたちに歯学に興味を持ってもらいたい。歯学を身近に感じてもらう体験として、この企画を実施しています」
一般の方々へ向けて歯学への関心をより広めたい、と意欲的な笑顔が印象的な塩山さんでした。
ご家族4人でお越しの西区在住の方へお話を伺いました。
「北大祭は毎年来ています。小3小5の子どもたちは実験が好き。理系に関心を持っているので、普段なかなかできない体験ができる北大祭で、いろいろ見て回るのを楽しみにしていました。非日常を楽しんでいます」とのこと。
「この指の模型作りは初めてで、体験できてよかったです」
ご家族みなさんで北大祭を楽しんでいる様子がうかがえました。
北大祭は学生たちの学問への熱心さを、一般の方々へ伝える機会でもあります。
学生と一般のみなさんのコミュニケーションの場です。来場される際は、そんな学生の気持ちに触れてみるのもおすすめです。
どうぞみなさんも、かかわりあいを楽しんでみてはいかがでしょうか。