出店が立ち並び賑わうメインストリートと、緑鮮やかなイチョウ並木の間にひっそりとたたずむ、歯学部棟。
「歯学祭をやっている」と聞いて、子供連れのご家族と一緒に建物の中に入ることに。するとここでは歯医者が使っている材料を使って自分の指の模型を作る体験ができるとのことで、早速申し込むことにしました。
歯学部の学生さんが目の前で説明をしながら指の型を取る準備を進めてくれます。粉末のアルジネートに水を入れたものを、スパチュラと呼ばれるカーブのついた金属のへらで混ぜ合わせていきます。

アルジネートは歯医者で歯の型を取るために使うもので、みなさんもピンク色のものを見かけたことがあるのではないでしょうか?今回はピンク色のものよりも固まるのが早い青緑色のタイプを使用します。
混ぜ合わせたものを筒状の容器に注ぎ入れると、いよいよ指の型を取っていきます!
「細い指の方がきれいに取れる」とのことで小指で挑戦することに。説明を受けたとおりに指をまっすぐに差し込みます。

紙粘土のような軟らかい感触ですが、差し込んで1分ほどで固まりました。指をスポッと抜いて覗き込むと、きれいに型が取れたことがわかります。
このあとは学生さんが石膏を流し入れて固めてくれるので、1時間ほど待つことに。そんな時間も北大祭を楽しんでいればあっという間です!
完成して受け取った指模型は想像以上にリアルで、爪や指紋もくっきり再現されています。

型を取る作業自体は5分もかからずに終わるため、多くの方が体験されていました。その大半が子供連れのご家族であることが印象的でした。
歯学祭実行委員長の飯島さんによると、歯学祭ではこの企画を10年以上にわたって続けており、毎年指の成長をかたどって保管している人も多く、「家に指がいっぱいあるんです」という人もいるんだとか。なかには、おしゃぶりのあとがタコになっているものをあえて残すために来る方もいるようです。

歯学部の雰囲気を味わうという楽しみ方だけでなく、今の指をかたどって記録するという、思いがけない楽しみ方に驚かされた歯学祭でした。