福原絃太さん(理学院修士1年)は1611年に東北地方を襲った津波の「波源」を推定する研究を行っています。歴史史料を基に津波の原因となった地震がいつ、どこで起こったのかを推定しています。
2011年3月の東日本大震災による津波はみなさんよく覚えていると思います。でもこのような大津波は、明治や昭和、さらには江戸時代や平安時代にもたびたび来ていたことをご存知でしょうか。
歴史的な史料に記録されている津波を「歴史津波」といいます。過去の津波の発生時期、発生場所、その規模を推定することで地震の繰り返し周期が分かり、津波の浸水範囲から防災にも役立てることができます。
海岸沿いでは、津波が到達しない位置に町を作るか、津波が来てもすぐに逃げられるように対策がたてられています。また津波から町を守るための「防潮堤」も多くの地域で作られています。こうした対策には、「歴史津波」が参考にされています。
想定されている津波をすべて防ぐような防潮堤はとても作ることはできません。また防潮堤があることによって津波が見えなかったり、「防潮堤があるから安心」と油断して逃げ遅れるといった問題もありました。
このような慢心をなくすためには、過去に起きた津波から教訓を得る必要があります。私は「歴史津波」を研究することで、津波の浸水範囲を推定し、防災や減災につなげたいと考えています。
たくさんの可能性を秘めた研究、ぜひ動画で御覧ください。
動画を見る→http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/cs/video/2015self2/fukuhara/
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この映像は、福原絃太さん(理学院修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
福原さんの所属研究室はこちら
理学研究院付属
地震火山研究観測センター(谷岡勇市郎 教授)