北海道大学は昨年の12月に、北大進学を目指している高校生5名をインターンシップ生として受け入れました。アテンド役は現役の大学院生たち。進路としての大学はもちろん、研究者を目指している大学院生とのコミュニケーションを通じて「職業人としての研究者」について考えてもらうことがねらいです。高校生にとっては大先輩である大学院生にキャンパスの各所を案内してもらったり、附属図書館の見学をしたりしながら貴重な経験を積むことができたようです。3回シリーズで高校生のみなさんの体験記を紹介します。本日はその第2回目です。
「膨大な本の中の知識が研究を動かしている」/レポート:猪股隼平(北海道登別明日中等教育学校4回生)
北海道大学附属図書館本館には、利用者が本を探して取ってくる必要がなく、パソコンで選択すれば力ウンターまで全自動で本が運ばれてくるというシステムがある。そのシステムの心臓部は地下にある。それが自動化書庫だ。
自動化書庫では、本が数十冊ずつコンテナに入れられ、それが天井近くまで積み上げられている。書庫内の本の総数はなんと32万冊。縦に積み上げられたコンテナの数は20個ほどだろうか。コンテナは、横4列に並べられている。そしてその間に、3台の「スタッカ-クレーン」と呼ばれる機械がある。スタッカ-クレーンは、縦に伸びる柱に、上下に動く機械が取り付けられたような見た目をしている。
自動化書庫には普段、人が入ることはない。利用者が本をパソコン上で選択すると、スタッカークレーンが動く。まず柱の部分が横に動き、選択されたコンテナが積まれたところに移動する。そして、柱に付いている機械が目当てのコンテナの高さまで移動し、コンテナをつかむ。コンテナは天井付近のベルトコンベアに乗せられ、1階の出納ステ一シヨンまで届くのだ。
選択した本が自動で届けられる図書館など聞いたことがなかったので、非常に驚いた。目当ての本がどこにあるのかわからないというのは嫌なことだし、探して歩きまわる時間は研究者には貴重なものだろうと思い、こういったシステムは重要なのではないかと思った。北海道大学は附属図書館にこんなにも力を入れているのか、ということに驚いたが、ここにある膨大な本の中の知識が研究を動かしているのだな…と思うと感慨深いものがあった。
「これから頑張って英語を勉強してみよう」/レポート:合田祈(北海道登別明日中等教育学校4回生)
3 ・4・5階はサイレントエリアになっていて特に4 ・ 5階はパソコン、電卓の使用が禁止されていてほぼ無音の状態が保たれていた。書く音が気になる人のために下敷きも入口に用意されていた。個人ブースもたくさん用意されていたり、防音でDVDなどが見られ発音練習などが可能な語学学習室があったり、快適に勉強ができる環境が整えられていて、多くの学生が利用していた。
それ以外にも仕切りのない机もあり、様々な勉強の仕方に対応できるようになっていた。勉強スペースの横の本棚には外国語の本や、外国の文化について書かれた本が並んでいた。アラビア語や、見たこともない言葉で書かれた本もあって、読めるようになったら楽しそうだなと思った。
図書館本館にも北図書館にも英語多読教材のコーナーがあり「英語多読マラソン」のポスターが貼ってあった。このコーナ一の本は細かくレベル分けがされていて難易度を一目で知ることができるので、私もレベルの低いものから少しずつ読み進めてみたいと思った。また、国際連合から寄贈された国際資料があったり、食堂や大学構内に留学生が大勢いたり、新渡戸稲造先生の著書である「武士道」が様々な言語に翻訳されて図書館内にあったり、国際交流が盛んだと感じた。
今まで英語は苦手で大嫌いでなくなってしまえばいいと思っていたけれど、英語を学ぶことで読める本が増えたり、話せる相手が増えたりするということを実感したので、これから頑張って英語を勉強してみようと思った。まず、簡単な英語の文章を読んでみることや、1日3語ずつ単語を覚えてみることから始めたいと思った。