札幌キャンパスの北にある創成科学研究棟。入ってみると、エントランスには四つのブースがあり、大勢の人でにぎわっていました。各ブースには大きくタイトルが掲げてありましたが、どれも自分の日常で使うことがない言葉ばかり。どのような体験ができるのか楽しみです。下調べなしに一来場者として参加した私が、四つのブースをどのように感じたか、お伝えしていきます。(※創成研究機構の一般公開は3日土曜日のみです)
【岩崎祥太郎・CoSTEP本科生/工学部4年】
ゲルの名は:先端生命科学研究院 グン研究室
題名に惹かれて参加すると、スライム作りが待っていました。小さい頃に遊んだ懐かしの感触を思い出した後に、ここでしか出会えないゲルたちの名を知ることに。最強のゲル「ダブルネットワークゲル」。伸び縮みに合わせて七色に光る「色が変わるゲル」。このゲルたちはいったいどんな可能性を秘めているのか?という院生さんのお話を聞きながら、私は「色がかわるゲルなら釣り用のルアーなんかどうかな?」と想像を膨らませていました。
(スライムは何でできているのか、丁寧なお話を聞きながらの体験は子供たちにとって貴重なのではないでしょうか)
(これが最強のゲル!?)
考古学にふれてみよう:アイヌ・先住民研究センター
北海道に住んでいるのであれば知っておくべきアイヌ文化。そのアイヌ文化と縄文化にはつながりがあるそうです。そのひとつが、自然や動物を神として崇拝する文化。自分には馴染みがない文化を少しでも体感すべく、ワークショップに参加しました。そのワークショップとは、ある発掘品をテーマに、当時の人がそれをどのように使っていたかを想像して絵を描くというもの。ある発掘品とは、2016年に北大のチームが礼文島で発掘した「クマ形の骨製品」。アイヌの方は、自然や動物を少しでも身近におくことで崇拝する気持ちを忘れないようにしていたのでしょうか。
(考古学が専門の岡田真弓さんが解説してくれました)
(土器づくりワークショップも開催。女の子がかわいい縄文土器をつくっていました)
君も分析のスペシャリスト:グローバルファシリティセンター
グローバルファシリティセンターは先端機器や設備を学内だけでなく、学外、そして海外で共有化することを目指している、北大が誇る組織です。研究者が使っている先端機器のすごさってどんなもんだろう…と思って、電子顕微鏡で映し出された画像を見てみました。しかし何が拡大されているのかわかりません。昆虫か何かの体かと思ったら、煮干?!の骨?? 倍率がすごすぎてスケール感がくるってしまいました。
(小型の走査型電子顕微鏡)
人獣共通感染症の克服を目指して:人獣共通感染症リサーチセンター
昆虫が好きで、小さい頃にカブトムシやトンボの標本を作ったことのある私ですが、蚊の標本を見るのは初めてでした。病気を媒介する蚊。正直気持ち悪い…ですが、この小さな蚊を丁寧に標本にした研究者の方々を想像してしまうと、すごいとしか言いようがありません。
参加していた中学生の女の子は、「ウイルスなんて学校で見たことない」と素直な感想。その親御さんは、「自分から行きたいというので連れてきました。直接勉強に繋がらなくても、実際に触れた体験がこれからの学びに活きてほしいです」とおっしゃっていました。この子には、これからも好奇心を育てる経験をしていってほしいと感じました。
(蚊の標本)
(インフルエンザウィルスの模型)
クイズラリー
景品である『太陽系身長メジャー(非売品)』を入手すべく、クイズラリーに挑戦。クイズの問題は、四つの展示に関係する内容のため、話を聞かないと難しく… しかし、苦戦しつつも無事に全問正解して手に入れました。太陽系の惑星の大きさと距離について学べて、身長も180cmまで測れるというすぐれものです。なにより、星々がきれいです。
私は毎年北大祭に足を運んでいますが、出店が並んでいるメインストリートより北側に足を踏み入れたことがありませんでした。しかし、その先には、日々研究されている方々の、普段見ることができない研究の世界がひろがっていました。来年はどんな世界に触れられるのか、楽しみです。