「北大マルシェを堪能したいと思い、農場ツアーに参加しました」と、嬉しそうに話す参加者。去る8月19日・20日に北大マルシェが開催されました。マルシェという言葉はフランス語で、「市場」という意味があり、北大マルシェもその名の通り、農学部前に2日間だけの「市場」が並びます。
しかし、北大マルシェの魅力は、「市場」だけではなく、「大学」という学びの場にもあります。その一つが、第一農場を歩いて廻る農場ツアーです。今年は、2日間で計4回のツアーがあり、「子どもに牛を見せたくて参加しました」と笑顔で話す家族連れなど、事前申し込みの80人が、35ヘクタールほどの広大な農場を1時間以上かけて見学しました。
【千脇美香・社会人/CoSTEP研修科13期生】
(大学の中にある放牧地では牛を見ることができます)
ガイド役は、学生サークル「ほくだい畑」と「にとべこ」のメンバーです。ほくだい畑は農場内の一角で野菜を育て、にとべこは北海道内の牧場で酪農を経験しながら、食について学んでいます。
(参加者に説明をするサークルメンバーの学生)
まず、農場の入り口で、「病害虫の侵入防止や、牛の伝染病予防のために履いてください」と、ガイドの学生からビニール製の靴カバーを手渡され、いざ未体験ゾーンへ出発です。
(防疫上の観点から重要な役割がある靴カバー)
農場では、リンゴや梨などの果樹類や、人参、玉ねぎの野菜類、稲や牛の餌となるトウモロコシなど、普通の畑とは違いたくさんの作物が育っていました。また、食べ物としての作物だけではなく、バイオ燃料研究のために育てているススキなどの変り種もあり、大学の研究農場ならではです。
見学途中には食べる楽しみもあります。貴重なシーベリージャムの試食や牧場内で絞った新鮮な牛乳の試飲などもあり、参加者は「子どもの頃に飲んだ牛乳の味を思い出す。懐かしい」と会話を楽しみ、農場ツアーは終了しました。
研究機関としての役割を担う大学でのマルシェには、一味違った「市場」が用意されていました。来場者の方々は、研究が自分たちの「食」に繋がることを知り、そして「食」の意味を考える最高に贅沢な時間を味わうことができたようです。ガイドを担当した農学院修士1年共生基盤学専攻の星野愛花里さんは「研究農場を来場者に紹介することで、自分たちが農場での研究について学ぶ良い機会になりました」と話していました。
北大マルシェは、研究と一般社会とを繋ぐ役割を担い、「美味しい」だけでは終わらないことが多くの人を惹きつける魅力となっているようです。
(最後は記念撮影)