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#46 緑の牧草に映える乳牛、そして羊

北大の第一農場の北端、陸上競技場の南側に、フィールド科学センターの「酪農生産研究施設」があります。そこに技術専門職員の平克郎さんと八巻憲和さんを訪ね、農場で飼育する乳牛と羊について、話をうかがいました。

(平克郎さん(左)と八巻憲和さん)
乳牛で、どんな研究が行なわれているのですか

ホルスタインの雌を50頭ほど飼育していて、乳を搾るために1日に2回 牛舎に入れる以外は、放牧しています。農学部や獣医学部の学生たちが、牛の食べるものや出すものを調べるなどして研究しながら、飼育管理しています。彼は今、牛のおしっこを採集しようと、ビニールの袋を持って後をついて歩いています(下の写真)。

牛が、首のところに小さな器械を付けていますね(上の写真)。これはGPSと録音機が一体になったもので、食べる音を手がかりにして、牛がいつ、どこで、どれだけ牧草を食べたか調べているのです。牛が野外でどれだけ食べているかを調べるのは、実はけっこう難しくて、それをこの方法で克服しようとしているのです。

これは、牛の初乳です(上の写真)。研究のために初乳が欲しいという要望が、研究者の先生方から来ることがあるのですが、初乳っていつでも手に入るものではないですよね。それでこうやって冷凍保存して、いつでも要望に応えられるようにしています。

北大の乳牛は、由緒ある血統の牛だとか

乳牛の代表的な種であるホルスタインが日本に輸入されたのは、明治22年、1889年です。そのうちの雄2頭と雌3頭が、札幌農学校の第二農場にやってきました。そのときの雌3頭の系統がいまも受け継がれています。それら3頭の牛から生まれた雌をずっと数えてくると、いま草を食んでいるのは1250番台の牛たち、ということになります。

いまは雄牛はいません。雄が生まれると、肉牛として育ててもらうために、生後1週間ほどで出荷します。研究用に使ってもらうこともあります。ではどうやって繁殖させるかというと、凍結精液を購入して人工授精します。牛のこういう所を改良したいという計画に合わせて、血統を見ながら父牛を選びます。

(生後3ヶ月ほどの子牛たち)
羊もいますね

もっとも一般的な、いかにも「羊」という感じの、コリデールという種のほかに、顔と足が黒いサフォーク、ラム肉生産に適したテクセルなど、いくつかの種類の羊を30頭近く、飼っています。

(平成ポプラ並木付近で撮影)

研究にも使われますし、学生の教育にも使われます。羊は、生まれてから肉の生産に使えるようになるまでが約10ヶ月と短く、身体の大きさも手頃。そのおかげで、飼育し、毛を刈り、最後は肉にする、という一連のプロセスを学生に体験してもらうのに、好都合なのです。牛でこれをやろうとすると、たいへんです。

北大の畜産学科などの学生さんには、叶うのであれば農家をやりたいという人が、わりと多いですね。それに、この施設に来て研究している学生さんには、先生にビシビシ鍛えられている人が多いです。日々の仕事がわりとハードですし、一人でできることが少なくて、ほかの人とペースをあわせて研究していかなければいけないので、協調性が培われるのでしょう。

平さんは、農家のご出身ですか?

サラリーマンの家の出身です。外で働けるような仕事、デスクワークよりは身体を使ってする仕事が、自分には合っているのかな、と思っていました。札幌の中心部にありながら、緑がいっぱいあるし、日本に初めて導入されたホルスタインの系統を扱えるのも、面白いと思っています。

でも街中にある農場だけに、臭いには気を遣いますね。皆さんも、いまここにいるときは気にならないと思いますが、このまま地下鉄などに乗って帰るのは、勇気がいると思いますよ[エーッ、どうしよう]。

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2013.10.01

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