3月13日木曜日、15日土曜日、16日日曜日の3日間、北海道大学 プレゼンテーションラウンジENLIGHT(オープンイノベーションハブエンレイソウ1階)で「科学をあるく」という展示が行われています。この展示は私たちの生活を便利に、そして様々な場面で活用されている原子力の技術を、原子力爆弾や原子力事故といった負の歴史と共に展示し、科学のあり方について考えていきます。

北海道大学では、科学と社会の間をつなぐ科学技術コミュニケーションを専門に学べるプログラム「科学技術コミュニケーター養成プログラム(CoSTEP)」があります。本プログラムは北大生と北大外の受講生が共に学ぶプログラムです。今回の展示では、CoSTEP受講生が科学の多面性を考えるために企画しました。
今年は原爆投下から80年の記念の年です。しかし未だに世界から原子力爆弾はなくならず、平和が実現したとはいいがたい現状です。科学技術の活用には多様な側面があるし、その境界は曖昧だということをCoSTEP生は様々な方々へのインタビューや調査、そして受講生同士のディスカッションの中で痛感しました。
この科学の複雑な様相をどう伝えていくのか、受講生の苦悩と議論のトピックが導入には展示されています。

次に科学者からの手紙が展示されています。原子力の科学を発見した科学者は、当時どのような状況で発見していったのでしょうか。それぞれの人柄と共に科学の歴史を手紙として読むことができます。

手紙の展示を担当した松下由佳さんのお気に入りはラザフォードからの手紙。人となりも含めて共感するところがあったそうです。

次に科学をあるくAR展示があります。ここでは現在、私たちの生活で使われている原子力の技術と、その過程で起きた事故などについてARを使ってみることができます。
ARを制作した菊池ちひろさんの注目ポイントはじゃがいも。じゃがいもに使われている原子力技術って何でしょう?
ARの先には研究者が考える良い科学、悪い科学が生まれる背景やその中での研究者としての責任について語られた動画を見たり、インタビュー記事を読むことができます。

最後に、私たちはこれから科学技術を上手に活用するためにどんなルールが必要なのだろう。ルールをみんなで考えるワークショップコーナーがあります。担当した染谷星吾さんの考えたルールはインフルエンサーに向けて、自然を守るために動画を100本取ってほしいという、ルールなのか要望なのかわからないものでした。ただ、インフルエンサーの発信力が声なき存在に寄り添った時、よい化学反応が起きるかもしれません。

最後に、参加者は展示を見る前と見た後で原子力についてのイメージを漢字一文字で表したメモを残していきます。さて、展示によってイメージには広がりが生まれたのでしょうか。

展示は13日木曜日の17時までと、今週の15日土曜日、16日日曜日の9時から17時まで開催されています。「ある」悲劇を通して科学の歴史を「ある」き、未来の科学はどう「ある」べきなのか、一緒に考えてみませんか。
日時:3/13(木)15(土)16(日)10:00~17:00
場所:北海道大学 プレゼンテーションラウンジENLIGHT(オープンイノベーションハブエンレイソウ1階)
*エンレイソウパワーアッププロジェクトのテーマの一つである、学内の魅力発信を目的とした展示・ワークショップ『ENLIGHT The World』の趣旨と合致していたことから、エンレイソウ1階プレゼンテーションラウンジENLIGHTを使用しています。
主催:北海道大学 CoSTEP 対話の場の創造実習
協力:北海道大学 150周年準備事務室、北海道大学 広報・社会連携本部
詳細:https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/event/32207