小谷さんの研究はダイヤモンドの新規合成法、ダイヤモンドは宝飾品として有名ですが、地球上でもっとも硬い物質であるため、人工的に合成されたダイヤモンドは工業的にも広く使用されています。
人工ダイヤモンドは、トリニトロトルエンとヘキソーゲンという爆薬を密閉した容器の中で爆発させて、その衝撃波の圧力とエネルギーでダイヤモンドを作る「爆轟法」という方法などで合成されています。
しかし、この方法によって合成されるダイヤモンドは欠陥や不純物を多く含み、品質が良くないと言われています。そこで現在、小谷さんは黒鉛を金属リチウムと反応させてリチウムカーバイドと呼ばれる化合物を合成し、リチウムカーバイドと金属ナトリウムを高温高圧下で反応させることでダイヤモンドを得ようと試みています。この方法は先程の爆轟法に比べて安全性が高く、簡単に合成実験を行うことができると考えています。
ダイヤモンドは工業的にはその硬度を活かして研磨剤や切削剤として用いられているだけでなく、その電子デバイスとしての特性値の高さから、次世代の半導体材料としても注目されています。現在はシリコン等が半導体材料として用いられていますが、ダイヤモンドの潜在能力はそれらと比べて群を抜いて高く、夢の次世代材料であると考えられています。
半導体はパソコンやスマホ、カメラ、冷蔵庫、洗濯機などあらゆる電化製品などにも用いられており、半導体の性能を向上させることで様々な電化製品の性能も向上させることが出来ます。高品質の人工ダイヤモンドの大量合成が実現すれば、電子デバイスなどの様々な分野へのダイヤモンドの利用が可能となります。
高品質、低コストでのダイヤモンドの新規合成法の開発を目指した小谷さんの研究、ぜひ動画でご覧ください。
動画を見る→http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/cs/video/2017self2/kotani/
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この映像は、小谷直人子さん(総合化学院 修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
小谷さんの所属する研究室はこちら
工学研究院 固体反応化学研究室(島田敏宏 教授)