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#12 恵迪の木彫り熊(1)~旧恵迪寮の柱材からつくられた?情報求む!~

(両手でやっともてるくらいの大きさでどっしりとした出で立ち。ざっくりと彫られた体は無骨な手触りだが、表情など細部には職人の技が生かされているように思われた)

「いいね!Hokudai」スタッフが恵迪寮カレンダーの取材(10月1日掲載)でクラーク会館にある恵迪寮同窓会のお部屋に伺った際に、気になるものが目にとまりました。部屋の片隅に木彫りの熊が置かれていたのです。最近、木彫りの熊が静かなブームを迎えており、思いもよらない高値で買い取られることもあると耳にしていた「いいね!Hokudai」スタッフ。その場にいた同窓会の方々に由来を聞いてみましたが、皆さんも、この熊について詳しく知らないとのこと。ところが、手に取ってみると、この熊の謎を解くいくつかのヒントが見つかりました。

【原健一・CoSTEP 博士研究員】

熊の足裏に「閉寮記念」「1983. 4. 27」「恵迪舍古材」「アラキ作」といった情報が刻まれていたのです。1983年とは二代目の恵迪寮が解体された年です。おそらく、この木彫りの熊は、二代目恵迪寮の閉寮の際に「アラキ」氏によって寮の「舍古材」からつくられたものなのでしょう。

(恵迪寮第61期委員のメンバー。背景にあるのが二代目恵迪寮)〈北海道大学大学文書館所蔵〉

その後、恵迪寮同窓会の方が以下の情報を集めてくれました(あくまで証言であり、確かな情報とは限りません)。

  • 旧恵迪寮舎を解体した棟木を素材として、木彫作家に依頼して「木彫り熊」を作成してもらった。
  • 当初は、恵迪寮同窓会として注文し販売する予定だったが、OB個々が勝手に作家に直接作成依頼をし、代金を支払った。結果的に正確な注文数は不明。
  • 同窓会として販売したのはおそらく10個程度であった。
  • 素材の棟木は、明治年間に建築された初代寮舎のものを移築再使用したもので、現在では入手できない巨木からの製材のようであり、鋸ではなく「手斧(ちょうな)」による製材である。
  • その棟木の残材は、開拓の村に持ち込んだそうだが、所在は不明。

(情報提供者:吉成久和さん、高井宗宏さん、谷口哲也さん)

(1976年の二代目恵迪寮の様子)〈北海道大学大学文書館所蔵〉

明治時代の希少な木材からつくられたことや、おそらく制作数が非常に希少であることから、この木彫りの熊は価値のある作品であることが推察されます。木彫りの熊について何か情報をお持ちの方はぜひ書き込みをお願いいたします! 今後、木彫り熊に関心のある山崎幸治さん(アイヌ・先住民研究センター 准教授)に取材した記事を「いいね!Hokudai」に掲載予定です。さらに今後も調査とインタビューを続け、何かがわかり次第、お伝えしたいと考えています。

《第2回に続く》

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2020.10.24

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