みなさん、森をイメージすると、植物の光合成により二酸化炭素を吸収する環境にやさしいイメージをもつと思います。一方で、植物や土に住む微生物の呼吸によって二酸化炭素を排出していることも事実です。これは、土壌呼吸とよばれています。
土壌呼吸は、微生物のコンディションや毎日の天候変化といった周囲の環境の影響を受けて変化しています。私の研究では、チャンバーとよばれる機械で、CO2をはかったり、周囲環境を観測することで、土壌呼吸がどのように変化するのかを解明しようとしています。
森林や農地といった陸上の生態系は、人々の生活の中で排出される二酸化炭素の約30%を吸収していると見積もられています。しかし、近年の気候変動によって、土壌呼吸によるCO2排出量に変化が起こり、森林全体の吸収量と排出量のバランスに影響をもたらすことが予想されています
この土壌呼吸にみみをすますことで、将来の気候変動に伴う森林の吸収量や大気中のCO2濃度を正確に予測することに役立ち、私達の環境に対する行動に変化をもたらすことが期待されています。
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この動画は坂口香帆さん(北海道大学 農学院 生態環境物理学研究室 修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
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坂口さんの所属研究室はこちら
生態環境物理学研究室
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