雪は天から送られた手紙である。
北海道大学で雪の研究に傾倒した中谷宇吉郎博士(1900~1962)の言葉です。雪が降り始めるこの季節にぴったりの言葉ですね。
2020年も天からの“手紙”が届きました、と中谷博士に手紙を書きたくなる気分です。さて、2020年は中谷博士生誕120周年の年でもあります。そこで今回の記事では、中谷博士ゆかりの記念碑と生誕120周年記念企画について紹介します。
【小林良彦・CoSTEP特任助教】
人工雪研究を称える記念碑
札幌キャンパスのメインストリート沿い、ファカルティハウス「エイレンソウ」の前に、中谷博士の功績を称える記念碑があります。六角形の記念碑には「人工雪誕生の地」と刻まれています。
(「人工雪誕生の地」と刻まれた記念碑。)
中谷博士は世界で初めて人工的に雪の結晶を生成することに成功しました。彼はさらに研究を進め、大気の温度と水蒸気量が、雪の結晶の形とどのように関係しているのかを明らかにしました。その研究成果は「中谷ダイヤグラム」と呼ばれる図にまとめられました。
中谷宇吉郎生誕120年記念企画『文士 中谷宇吉郎』展
実は中谷博士、一般向けの著作も多く残しています。彼は科学者であり、随筆家でもあったのです。
北海道大学総合博物館では、現在、中谷博士の随筆家の面にスポットを当てた企画展示『文士 中谷宇吉郎』が開始されています。
(展示室「鉱物・岩石標本の世界」入口にある企画展示のポスター。)
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日時:2020年9月5日(土)~2021年9月5(日)
場所:北海道大学総合博物館3階常設展示室「鉱物・岩石標本の世界」
入場料:無料
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(『文士 中谷宇吉郎』の展示。ショーケースの中には、中谷博士の著作が並べられています。)
記念展示の内容は、毎月更新されるとのことです。
中谷宇吉郎博士の足跡に触れることで、あなたにとっての札幌キャンパスがより味わい深くなること間違いなしです。
—-中谷宇吉郎博士を紹介しているこちらの記事もご覧ください—-
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