医学部噴水のそばに人だかりが集まるお店が…。それはなんと「カエル肉の炭火焼き」を扱うお店です。看板には「かえる屋さん」とあります。…なんともそのままな店名。鉄板の上には5〜6匹のカエルがあぶられていました。
最初に取材に伺った際、あまりに人が多くて「いまインタビューはムリです」と断られてしまうほど。その時でなんと100分待ち(2時間半待ちまでいったそうです)。69番の整理券を受け取り、夕方17:00に再チャレンジに行きました。
「もともとは友達が『カエルを焼きたい』といったのがきっかけです」。お店をはじめるきっかけを小橋詞音(こはし・しおん)さん(文学部4年生)が話してくれました。「コロナ前も2017年、2019年に北大祭に出店し、カエル肉を焼いていました。北大は自然が豊かなこともあり、『カエルを焼いたら楽しいよね』ということからカエルを連綿とやっています。話題性があることや自然を活かすということから毎回盛り上がっています。あとは売上も大きいのがいいですね(笑)」
カエル肉というとあまり馴染みがない感じがありますが、鶏のセセリ肉やモモ肉に近い味わいだそうです。純粋にカエル肉を楽しんでもらうため塩コショウだけの味わいが一番美味しい。小橋さんはそう強調します。色々、気になることを聞いてみました。
このカエルって、ひょっとして北大の池のカエルですか…?
小橋:よく聞かれますが、数も多いのでさすがに本州から仕入れたものです。きょうだけで300匹焼く予定なので、つかまえるのはちょっとむずかしいですね(笑)。
3年ぶりの開催ということで戸惑ったことや困ったことなどはなかったでしょうか?
小橋:かえる屋さんはクラスやサークルでやっているわけではなく、純粋に焼きたい人が集まって取り組んでいます。3年のブランクがあったこともあり、引き継ぐ人材もだいぶ減りました。本州に行った人もいます。今回20人で取り組んでいますが、前からやっている人は4人しかいません。実質的にゼロから取り組むことになっていますね。
今回、かえる屋さんのお店を行うことをTwitterアカウントで呼びかけたところ、5人くらいから希望がありました。1年生もいれば3年生もいます。みんな、カエル肉を焼く経験をやってみたいということや賄(まかな)いのカエル肉を食べみたい思いなどから来てくれています。
実質的にゼロから、ですか!具体的にはどんなところが大変でしたでしょうか?
小橋:調理過程の部分が大変でしたね。カエルを焼く前に一度茹でるんですけど、どれくらいの時間茹でたらいいかなどブランクのためにわからないことが多かったです。
いろいろ大変ですね…。
小橋:だからこそ、かえる屋さんのせっかくの伝統を来年以降も後輩に伝えていきたいという思いが強いです。
北大祭にいらしている皆さんにメッセージがあればお聞かせください。
小橋:コロナ禍で3年も北大祭がなかったですし、来年もあるかどうかわかりません。だからこそ、後悔のない3日間にしてください。
ありがとうございます。お店も賑わっているのでこれで失礼します!
世にも珍しいカエルの炭火焼き。パックに2匹入って600円です。取材後食べてみると、さっぱりとしたカエル肉と香ばしい炭とがマッチしていました。言われなければカエルとは気づけない味わい。北大の伝統を受け継ぎ、変える。そんな思いが伝わってきました。
【藤本研一・CoSTEP本科生/社会人】