メインストリートから総合博物館と中央食堂の間にある道へ曲がり、風で踊るポプラの綿毛に囲まれながら進むと、左手に理学部棟が見える。ここ理学部5号館と2号館では理学祭が開催されており、入口から右手奥へ進むと「物理学展」の看板がある教室が目に入った。
(同期現象の展示を担当している物理学科3年の学生さん。「同期はメトロノームのような人工的なものだけではなく生物にもあるんですよ」という興味深い言葉も)
教室に入ると、ふたつのメトロノームをいじる学生がいた。何をしているのですか?と聞くと、彼は「同期現象について実演しているんですよ」と答えた。ドウキゲンショウ?・・・ドウキは息切れの「動悸」のことでしょうか?など、的外れなことを言うと、すかさず「一緒に同じ動きをすることですよ」と優しくフォロー入れてくれた。
聞くところによると、固定されていない台の上にメトロノームを置くと、最初は違った向きのメトロノームの針が、時間が経てば同じ向きに変化するのだという。試しに実演してもらうと、彼の説明どおり、当初バラバラだった針が、次第に針が同じ向きを示していき、やがてリズムよく同じ軌道を描いていたのだった! そのカラクリとは一体?・・・それはぜひ現地で、あなたの目と耳で確かめてもらいたい。
(『非線形科学 ― 同期する世界』(蔵本由紀著)。この本を基に、彼は今回の展示を企画した。本書について蔵本さんに取材したこちらの記事も必見)
【望月貴文・CoSTEP本科生/社会人】