北海道中央部には、神居古潭変成岩と呼ばれる岩石が、北海道を縦断するように広い地域に分布しています。この岩石は、約1億4000万年前に始まった、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む、沈み込み帯を経験したと考えられています。
沈み込み帯には、沈み込む地殻から浸みだした水によって上部マントルが加水され、それを構成している岩石が軟らかい岩石になる部分があります。地殻を構成している黒い岩石は沈み込むと、温度・圧力の影響を受けて岩石を構成する鉱物の種類が変わり、緑や青い岩石になります。沈み込みが開始してすぐの頃、沈み込んだ岩石は沈み込み帯のプレート境界で剥がれて上部マントルの軟らかい岩石に取り込まれ、その浮力で上昇していきます。
理学院の安藤瑞帆さんは、このようにして地上に露出した岩石が、沈み込み帯でどのような温度・圧力を受けてきたか、その来歴を探ることで、沈み込み開始直後の沈み込み帯の状態変化を明らかにする研究をしています。
この映像は、安藤瑞帆さん(理学院 修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
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