鼻の奥には副鼻腔という空間が広がっています。健康な人の副鼻腔は空気で満たされていますが、近年副鼻腔がポリープで充満してしまう「好酸球性副鼻腔炎」という病気が増えています。鼻水や鼻づまり、嗅覚の低下の原因となり、日本では約20万人の患者さんがいます。
重症例では手術を受けたり、薬を飲んだりしてもすぐに再発し、完全に治すことが難しい病気です。ステロイドが効果を示しますが、副作用が生じやすいため長期間は使用できません。
病気の原因を明らかにするため、各国で様々な研究が行われていますが、完全にはわかっていません。現在わかっているメカニズムとしては、副鼻腔の粘膜で細胞同士のつながりが弱くなり、そこから細菌などが侵入し炎症を生じた結果、ポリープができてしまうということです。
現在自分は細胞同士のつながりを強めたり弱めたりする薬剤などについて研究しています。研究の結果、細胞同士のつながりが弱くなる原因がわかれば、新たな治療方法を生み出すことができると考えています。
たかがポリープされどポリープ、みなさんのお鼻の健康が保たれるように日々研究を続けていきます。
たくさんの可能性を秘めた研究、ぜひ動画で御覧ください。
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この映像は、中薗 彬さん(医学研究科博士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
中薗さんの所属研究室はこちら
生化学講座医化学分野(畠山鎮次教授)
https://hokudai-ikagaku.jp/