最近、生活の中で欠かせないものとなっているハードディスクドライブや「MRAM」などといった磁気記録デバイスは、小型化・高密度化が進んでいます。その中、ナノスケールにおける磁性がデバイスの性能と密接な関係をもっているので,現在活発な研究が行われています。
理学院の修士1年の朴鎭佑さんは、「スピン」と「ナノ」をキーワードとして、磁石の最小単位と言える電子スピンが起源となる磁性や、スピン物性の研究を行っているそうです。
現代は、いつでも、どこでも、瞬時に動く「ユビキタス社会」となっています。中でもメモリは情報機器の要となるパーツです。メモリには、高速で大容量、書き換え無制限であること、そして「不揮発性」、つまり電源を切っても情報がなくならない性質も、要求されます。これらを実現できるのが、磁気メモリである「MRAM」のようなユニバーサルメモリです。ユニバーサルメモリによって、パソコンがテレビのように瞬時に立ち上がる時代がもうすぐやってきます。
朴さんの行っている原子のもつスピンを一つの磁石としてとらえた高性能メモリの開発は、 さらなるメモリの小型化・高密化が期待できるので、環境コストの低減にもつながります。ユニバーサルメモリの基礎原理となる磁性学を研究することによって、そのメカニズムを理解し、応用にむすびつけることを目指しています。
基礎研究は、一見説明が難しく感じますが、日常で使われているものの根底になる技術であり、これからの生活を切り開く技術にもなります。その原理と、研究がもつ可能性に、ぜひ注目してみてください。
動画を見る→http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/cs/video/2016self2/park/
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この映像は、朴鎭佑さん(理学院 修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
朴さんの所属する研究室はこちら
理学院 物性物理学専攻 固体電子物性研究室(松山秀生教授)
http://phys.sci.hokudai.ac.jp/LABS/kyokutei/koike/members/index.htm