開講科目

2022年度の学びの形

CoSTEPの学びは、6つのモジュールからなる「講義」、スキルを身につける「演習」、実践力を身につける「実習」の3つ授業形式で構成されています。

講義

「講義」は、科学技術コミュニケーションを体系的に学ぶ6つのモジュールで構成されています。本科、選科の共通科目です。

モジュール1 / 科学技術コミュニケーション概論

科学技術コミュニケーションを行うのに必要な諸概念を学び、社会における科学技術コミュニケーターの望ましいあり方の全体像を展望し、科学技術コミュニケーターの役割を考えます。

2022/
05/15
科学技術コミュニケーションとは何か
この一年皆さんが何度も口にすることであろう「科学技術コミュニケーション」という言葉。この言葉は、どのような必要性があり、なぜ生まれたのか? 今、誰にどのように捉えられているのか? 科学技術コミュニケーションを学び、自分自身がどのような科学技術コミュニケーターになるのかを考えるうえで、「科学技術コミュニケーションとは何か」という素朴かつ根源的な問いには、向き合い続ける必要があります。そのための材料を様々な事例から紹介します。
川本 思心 (北海道大学CoSTEP 部門長/理学研究院准教授)
2022/
05/28
科学技術コミュニケーションにおけるコミュニケーションを考える
私たちは「科学技術コミュニケーション」を学ぼうとしています。それではそもそも「コミュニケーション」とはなんでしょうか。この講義では、コミュニケーション概念についての議論を整理し、コミュニケーションおよびその近接概念について説明できるようになることを達成目標とします。
種村 剛 (北海道大学CoSTEP 客員准教授)
2022/
06/04
社会の中での科学技術コミュニケーターの役割:科学ジャーナリストを例に
科学ジャーナリストは科学技術コミュニケーターの職業の一典型です。科学に関する情報が複雑化・高度化する中で、その役割の重要性は増しているはずですが、現状では残念ながら十分な役割を果たしているとは言えない部分もあります。NHKの医療・災害担当記者としての経験をもとに、科学技術コミュニケーターが社会の中でどのような役割を求められているか、科学ジャーナリズムをめぐるいくつかの具体例を通して考えます。
隈本 邦彦 (江戸川大学メディアコミュニケーション学部 教授)
2022/
06/11
科学技術史の視点を博物館展示に活かす
博物館は、さまざまなモノを収集して保存し、一般向けに展示する施設です。とりわけ科学技術を扱う博物館の場合、収蔵庫にあるモノは過去における科学や技術のあり方を示す資料であって、その展示は必然的に科学史・技術史と関わりを持ちます。この講義では、講師自身が国立科学博物館で携わった展示の実例を紹介しながら、科学技術を伝える上で歴史的なものの見方がどのように活かせるかを考えます。
有賀 暢迪 (一橋大学 言語社会研究科 准教授)
2022/
06/18
科学技術コミュニケーションを「国際的」な視点から捉え直すということ
海外の科学技術コミュニケーション事情に関する情報は日本語のものも少なくありませんが、海外(英語圏)の情報に直接アクセスしてみると、また一味違った海外事情が見えてきそうです。本授業では、これまでに日本で大きく取り上げられてきた海外の科学技術コミュニケーション事情とは少し異なる、最近の英語圏での議論を紹介すると同時に、それを学ぶ意義について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
工藤 充(公立はこだて未来大学 システム情報科学部メタ学習センター)
モジュール2/ 表現とコミュニケーションの手法

科学技術コミュニケーターとして必要な、様々な表現とコミュニケーションの手法について学びます。

2022/
06/25
実践入門
科学技術コミュニケーターとして、学びの場であり、その学びを生かす場として「実践」があります。本講義では、CoSTEPでこれまで行なってきた実践をいくつかご紹介します。多様な事例から、コンセプトメイキング、ステークホルダー間のコミュニケーション、集客のための広告や情報発信まで、プロジェクトを進める上で必要となる態度や考え方、スキルについて一緒に考えていきます。
原 健一 (北海道大学CoSTEP 特任助教)、梶井 宏樹 (北海道大学CoSTEP 博士研究員)、福浦 友香(北海道大学CoSTEP 博士研究員)
2022/
07/02
サイエンスライティングの基礎
サイエンスライティングは、科学技術について専門外の人にわかりやすく伝えるための基本的なスキルの1つです。本授業では、サイエンスライティングの歴史や「読者を明確にする、正しく情報を伝える」など書き方のポイントについてお伝えします。また、講師が取り組んできた「中高生向け科学ニュース」の配信を例に、一次情報からニュースを作るまでの具体的な過程をご紹介します。
吉田拓実 (再考編集室)
2022/
07/09
伝えるプレゼンテーション
学生生活やビジネス活動、科学技術コミュニケーションなど、さまざまな場面で多様なバックグラウンドを持った人々に接し、説明や報告をする機会が増えています。それに伴い、効果的に自分の考えを伝えるプレゼンテーションのスキルの重要性も高まっています。この講義では、プレゼンテーションの基本的な考え方、技術、スライドのデザインを学び、限られた時間で伝えたいことを伝えたい相手に最適な手段を用いて伝えることができるようになることを目指します。
古澤 正三(北海道大学 CoSTEP 特任講師)
2022/
07/23
映像メディアと科学技術コミュニケーション
映像は文字情報や論理に頼らない、直感的でユニバーサルな表現方法です。アナログからデジタルへの大きな変革、そしてスマートフォンの普及が、メディアのあり方を大きく変えています。You Tuberの台頭も著しく、送り手・受け手という概念も消滅してプロとアマチュアの境界線がはっきりしなくなりました。私は以前マスメディアで働き、今となっては古い価値観の中でその表現スキルを磨いてきました。新聞記者から映像ディレクター、科学技術コミュニケーションと職種を変えていく中で、個人的に感じた時代の変化についてもお話します。
早岡 英介 (北海道大学CoSTEP客員教授/ 羽衣国際大学教授)
2022/
07/30
インフォグラフィックスについて
言語と国家、文化を超えて多くの人々の特定の情報を能動的に受け取る方法はあるだろうか。テキスト中心のコミュニケーションだけではなく、ワクワクしながら理解もしやすく、さらに行動まで変えられる方法はあるだろうか。その方法として、インフォグラフィックスを用いたビジュアルストーリーテーリングがある。本講義では、インフォグラフィックスの歴史や特徴、制作過程を紹介することで、科学技術コミュニケーターに必要なビジュアルコミュニケーションについて考える。*講義連動実習あり
チャン・ソンファン(203 infographic 研究所代表/国民大学テクノデザイン大学院兼任教授/月刊『ストリートH』発行人)
モジュール3 / 活動のためのデザイン

科学技術コミュニケーターとして実践していく上で、活動を実施するために必要なデザインについて学びます。

2022/
09/03
展示する科学コミュニケーション
展示体験の一番の特徴は、ある内容を単に視覚を通して見るだけではなく、時には誰かとおしゃべりしながら、時間をかけて歩くなかで、視覚・聴覚・触覚といった様々な感覚を通して複合的に体験することができるということです。その展示体験自体を、体験者の日常を捉えなおすきっかけとしてもらうためには、テキスト、映像、対話、インタラクションといった様々なメディアを効果的に掛け合わせることが重要となります。この授業では、日本科学未来館で実践している展示開発や工夫の様子、他のミュージアムの展示も例示しながら、「体験者の認識や意識」を変容させる展示の可能性、そしてその難しさや面白さを皆さんと考えます。
宮原 裕美(日本科学未来館 科学コミュニケーション室 室長代理)
2022/
09/10
社会課題解決のための協働型評価~対話とエビデンスの交差
わたしたちは「評価」というと、とかく成績づけやランキングをイメージしてしまいます。しかし、本来の評価は「評価対象である事業やモノの価値を引き出す」手段であり、社会の改善に役立つ道具です。本講義では、現場で事業に取り組む実践家や市民と一緒に評価を行う「協働型評価」を取り上げます。関係者間の対話による学び・合意形成から生まれる質的情報と、改善・変革のための根拠となるエビデンスの検討をとおし、社会課題解決にむすびつける評価方法について事例紹介とともに考えていきます。
源 由理子(明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科 教授)
2022/
09/17
科学技術コミュニケーションのための情報と計画
科学技術コミュニケーション活動は実施するだけではなく、その活動を評価し、今後の活動につなげていくため活動結果の情報を分析し、その後の展開を戦略的に計画することも重要です。本講義では、科学技術コミュニケーションにおいて、どのような前提を設定し、その前提から計画を立案するのか、そして各計画をどのように評価していくのかという情報と計画について網羅的に学びます。
奥本 素子(北海道大学CoSTEP 准教授)
(e-learning) ミニ・パブリックスを使った「科学技術への市民参加」のデザイン

科学技術に関する社会的な問題の解決に、幅広い市民が参加し議論する場をデザインする方法として、コンセンサス会議や討論型世論調査などのミニ・パブリックス(無作為抽出型の市民パネル)が、日本を含む世界各地で用いられてきました。その経緯や背景を概観しつつ、講師自身が、気候変動対策などのテーマで実践してきた市民パネルの代表的な事例を紹介します。科学技術コミュニケーションの他の手法や活動との連関も視野に入れながら、ミニ・パブリックスの方法を用いて、「科学技術への市民参加」を、より深く、豊かに(リ)デザインする可能性について考えます。

* 原則としてモジュール3の期間内にe-learningにて視聴すること。ただし、モジュール3の開始前に視聴することも可とする。
三上 直之 (北海道大学高等教育推進機構 准教授)
モジュール4 / 科学技術の多面的課題

科学技術と社会との接点に生じる問題の具体的な事例をとおして、それらの問題がもつ多面的かつ複雑な構造について適切に理解する思考力を養います。

2022/
10/01
感情的理解のためのアプローチ
社会で起きている問題に関わるステークホルダーは常に多様です。そして、そのステークホルダーの数だけ「言い分」や「当たり前」があります。対立する他人同士が理解しあうのはとても難しいことです。相手の立場や考えについて、理由や理屈ではなく「腑に落ちる」たり納得することができれば、少しは互いの距離が縮まるかもしれません。本講義では、札幌市民を悩ませる「都市ギツネ」にまつわる問題について、各ステークホルダー(地域住民、都市公園管理者、行政、野生動物研究者、コミュニケーターなど)が、どのように歩み寄ろうとしているのか、CoSTEPでの実習活動も絡めた現在進行形の取り組みをご紹介します。
池田 貴子(北海道大学 CoSTEP 特任講師)
2022/
10/15
建築・都市におけるAIとビッグデータの可能性
情報技術の進展は我々の生活と都市風景を根本的に変えつつある。このような科学と技術の進歩とそれが引き起こす変化は建築や都市のつくりかたに影響を与えるのだろうか?「データを用いたまちづくり」は我々の生活を豊かにするのだろうか?本講義では都市・建築にとってのサイエンスの意味を探っていく。
吉村 有司(東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授)
2022/
10/22
身体や心に介入する技術に対する倫理
現代社会では、ドーピングやサイボーグ化、スマートドラッグやモラルエンハンスメント、受精卵へのゲノム編集など、人の脳や心、身体に直接影響を与える科学技術の開発や利用が進んでいます。私たちは、これらの科学技術の利用の是非を、どのような理由から判断するのでしょうか。この講義では、科学技術の社会実装に伴う、法的・倫理的・社会的課題(ELSI)について考えるために、特に倫理学の観点から判断の基準となる視点を提示します。
佐藤 岳詩(専修大学 文学部哲学科 准教授)
(e-learning) 科学と政策の間を可視化する:ELSIとレギュラトリーサイエンス
政策や規制などが「科学に従って決めた」と説明されるケースをよく見かけます。これは、「科学」のせいにしておくと説明する側もされる側も楽ではありますが、本当に「科学」だけで決められることはまずありません。ではどうやって決められるのでしょうか。安全の分野を中心に、具体的な例を挙げながら、基準値や規制が決められるプロセスやその際に考慮される要素を可視化することで、トランスサイエンス部分の扱い方を考えるきっかけになるとともに、決め方を決めることの重要性が見えてくると思います。その際に、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)やレギュラトリーサイエンスの考え方が役に立ちます。

* 原則としてモジュール4の期間内にe-learningにて視聴すること。ただし、モジュール3の開始前に視聴することも可とする。

岸本 充生 (大阪大学 データビリティフロンティア機構 教授 / 社会技術共創研究センター センター長)
モジュール5 / 多様な立場の理解

科学技術コミュニケーターが多様な立場の個人や組織と連携する際に理解しておくべき、科学技術コミュニケーションに関わる主要なステークホルダーの立場について学びます。

2022/
10/29
感染症の情報を「何のために」わかりやすく伝えるか
新型コロナウイルス感染症の流行によって、科学的に正しい情報をわかりやすく伝える、ということの重要性はこれまで以上に高まりました。私は、日経サイエンスという科学雑誌の記者という仕事を通じて、感染症の科学的な解説や情報発信を続けてきました。しかし、情報を伝えることが感染者や重症者の減少、そして社会の混乱を抑えることに必ずしも直結するわけではありません。それでは、感染症に関する科学的な情報には一体どのような価値があり、それを伝える・受け取るという行為には一体どのような意義があるのでしょうか。答えの無いこの問いについて、講義の中でみなさんと一緒に考えたいと思っております。
出村 政彬(日経サイエンス編集部)
2022/
11/05
アートをインストールしていくこと
アートプロジェクトを進めていくにあたっては、さまざまな調整が必要です。調整ができる理解は、作品のメッセージに対する共感から生まれます。アート作品は、作家から始まりますが、インストールしていく説得の過程からすでに始まっているようにも見えます。世界の多様性を自分ごととして向き合うアートが、科学技術コミュニケーションでどのように解釈できるか、その中にはどの葛藤があるか、自分の事例や他のアーティストの事例を中心に紹介します。
朴 炫貞(北海道大学 CoSTEP 特任講師)
2022/
11/12
歴史的建造物の活動は、財産と想いの対立と調整から始まる
北大の著名な遺伝学者、小熊捍(1886-1971)。その旧邸宅の保存活動に1995年から参加し、それまでの対立の構図を作る「一般的な保存活動」ではないアプローチで、藻岩山に移築することができた。所有者、研究者、行政、事業者、市民など多くの利害関係者をどのような視点で調整していったのか?また歴史的建造物は、戦争遺産など負の遺産と呼ばれてしまうものも多い。アプローチのしにくい個人の所有物や負の遺産と呼ばれるもの、関係者間の想いの違い、莫大なお金が掛かるなど、単なる「古くて良い建物」ではない、歴史的建造物の持つ「負の側面」にどのように向き合っているのか?をご紹介できればと思います。
東田 秀美(NPO法人旧小熊邸倶楽部 理事長)
(e-learning) 実験室から議会へ ~性的マイノリティの課題解決を目指して~
LGBTという言葉が幅広く知られるようになってきていますが、学校では対応の模索が続いている状況、当事者が就職する際に著しく不利など、理解や取り組みが進んでいるようでなかなか進んでいないのが現状です。また、同性婚が認められない、GIDクリニックが不足しているなど多くの課題があります。トランスジェンダーのわたしが北海道大学大学院地球環境科学研究科を修了し、すすきののニューハーフショークラブでの勤務を経て議員になった経緯と、性的マイノリティがいるという前提の社会を目指す、これまでの取り組みについてお伝えします。

* 原則としてモジュール5の期間内にe-learningにて視聴すること。ただし、モジュール3の開始前に視聴することも可とする。

渕上 綾子 (北海道議会議員)
モジュール6 / 社会における実践

社会の中で科学技術コミュニケーションの領域を意欲的に開拓されている方々を招き、これまで歩んでこられたキャリア、活動の背景、現状、課題、原動力、将来の目標などについてお話を伺うことによって、自らのコミュニケーターとしての将来展望を描きます。

2022/
11/19
彫刻と人間:科学と技術から再考する
「彫刻作品」と言うと、石や木を彫ったものや、ブロンズ像などをイメージする方が多いかもしれません。実のところ彫刻は、その時代の最新の科学技術を用いたものが少なくありません。そしてまた、もう顧みられることのない科学技術を活用してつくられたものも多くあります。彫刻の歴史を振り返り、社会がいかに彫刻を必要とし、どのような技術が用いられたかという視点から、アート・彫刻と社会の関わりについて、様々に考えることができればと思います。
小田原 のどか(アーティスト)
2022/
11/26
SF思考と科学技術コミュニケーション~SFプロトタイピングの現在と未来~
SFプロトタイピングは、企業や研究者、SF作家などが協働でワークを行ない、SF的な発想から様々な未来社会像やそこからバックキャストした将来の試作品=プロトタイプを作る手法です。宮本道人さんには、様々な科学技術にSFが影響してきたという洞察をもとに、SFプロトタイピングの根源にある考え方を示してもらいます。藤本敦也さんには、民間での経験をもとに、ビジネスの現場での閉塞感を打破する手法としてのSFプロトタイピングの魅力について話してもらいます。SF的発想から科学技術コミュニケーションの未来像に迫りましょう。
藤本 敦也(三菱総合研究所 シニアプロデューサー)、宮本 道人(科学文化作家)
2022/
12/10
対話から新しいサービスを生み出だす ~民間企業での新規事業開発と科学技術コミュニケーション~
私は、日本科学未来館の科学コミュニケーターを経て、現在、リスクコンサル会社にて新規事業の開発に取り組んでいます。「情報を伝える」「対話の場をつくる」仕事から、「顧客の話に耳を傾ける」「サービスを形にする」仕事へ―。社会実装の場には、多くの発見や葛藤があります。その中で時折考えるのは、「私は何を成し遂げたくて、この活動をしているのか?」「それは社会にとって、どのような価値があるのか?」です。この講義では、私の事例をお話しすることで、皆さんそれぞれにとっての「科学技術コミュニケーションの目的は何か?」を考える機会になればと思います。
坪井 淳子(東京海上ディーアール株式会社 主任研究員)
2022/
12/17
正しいだけの医療情報はもはや嫌われている
従来の医療情報発信者にありがちだった、「一般の人びとは正しい医療情報を手にして合理的な価値判断をすべきだ」という方向設定は、(同じ医療者として気持ちはわかるが)行動変容につながりづらい。我々医療者が目指すべきは、正しさの発信というよりも確かなコミュニケーションであり、「何かあったらこの人たちに頼りたい」というアンカリングポイントとして“世に居続けること”である。そのあたりゴリゴリお話しします。
市原 真(JA北海道厚生連札幌厚生病院 病理診断科 主任部長)
2023/
01/21
CoSTEPの講義を振り返って
CoSTEPで開講された講義を振り返り、「科学技術コミュニケーションの思考」、「情報の分析と行動のための計画手法」、「科学技術コミュニケーション実践」に関わる知識や技能、そして実践事例のポイントをCoSTEP教員が解説していきます。本講義を通して、講義内容の理解を深め、一年間の学びの省察をし、今後の実践活動に関連付けていくことを目指します。
CoSTEP 教員

 

演習

演習には、本科生のみ受講できる「演習」と、選科生のみ受講できる「集中演習」があります。
※ 一部の「演習」は、選科生も受講することができます。

演習(本科のみ。一部、選科も受講可)
集中演習(選科のみ)

演習(本科のみ ※一部、選科も受講可)

本科は、以下の演習より6科目以上を修めることが修了要件です。
がついているものは、選科も受講可能です。

ライティングⅠ
開催日  05/18 (水) 18:30〜20:00、05/25 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
インタビューは話を聞く側と話す側の相互行為です。この演習では、1)インタビューをする側の立場から、研究の概要や要点を理解した上で、その人の感情や価値観、源にある想いにアプローチし、研究の根っこにある「意志」や「意図」を明らかにするための「傾聴」「話の深掘り」「情報整理」といったスキルを身につけることを、2)インタビューをされる側の立場からは「説明する」ことや「書いてもらいたいことの提示を行う」ためのスキルを身につけることを目標とします。
授業内容 /
スケジュール
1回目の演習では、科学技術コミュニケーションにおけるインタビューの意義や技法を、簡単なワークを交えつつ解説し、受講生2人1組のペアになって、交代で相互にインタビューを行い、相手のストーリーをまとめたインタビューコラムを作成します。2回目の演習では、研究内容を聞いてまとめるためのポイントを確認した上でワークを行います。
担当教員 西尾 直樹、種村 剛
ライティングⅡ
開催日 06/01 (水) 18:30〜20:00、06/08 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
ライティングは、情報を伝えるための重要かつ基本的なスキルであると同時に、思考を整理し具体化するためにも必須です。この演習では、科学的なテーマについて書くサイエンスライティングを扱います。事実を正確に述べるだけではなく、対象とする読者の特性を考慮した上で、理解と共感へと導く構成や内容の取捨選択、文章表現を身につけることを目指します。
授業内容 /
スケジュール
前半は、文章デッサンというワークを行ない、ライティングの基礎を学びます。言語以外の情報を、適切な順序で適切な言葉を用いて簡潔に表し、一読して理解しやすい文章のコツをつかみます。後半は、文章デッサンのポイントを踏まえて、科学の専門用語などのキーワードを解説する手法を学びます。専門用語の解説の種類、解説に必要な要素を列挙して、それを適切に取捨選択して書く手法を身につけます。
担当教員 川本 思心、原 健一
グラフィックデザイン演習
開催日 07/06 (水) 18:30〜20:00、07/13 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
デザインは、効果的なコミュニケーションのために必要なスキルです。おしゃれで綺麗なもの、よく伝わるものの根底には、デザインのルールが隠れています。この演習では、デザインにおける文法を理解し、情報を整理する方法を学びます。そのデザイン法則をもとに、メディアに応じたデザインができるようになることを目指します。
授業内容 /
スケジュール
本演習では、デザインの基本的な文法を理解することを目指します。デザインの中でもグラフィックに焦点をあて、基礎を学び、自分で表現するプロセスを体験します。演習の前半はデザインにおける視点を体験するワークを行い、個人の名刺をつくる課題に取り組みます。後半は制作したものを皆で見せ合い、講評します。オンライン開催の可能性があります。
担当教員 朴 炫貞、池田 貴子
ディベート演習
開催日 日程未定06/22 (水) 18:30〜20:00、06/29 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
本演習の目標は、感情と論理に基づいたディベートのスキルを修得することです。科学技術をめぐる問題について実際にディベートを行なってもらうことを通して、感情または論理に基づいたディベートとはどのようなものかということ、ならびに、ディベートを感情ないし論理に基づいて進めることのメリットとデメリットを理解してもらいます。これを通じて、対話的なディベートの場を受講生自身がつくりあげることができるようになることを目指します。
授業内容 /
スケジュール
前半は、哲学対話を体験することを通して、感情に基づく対話の手法を体験してもらいます。後半は、科学技術をめぐる問題についての主張を整理整頓する方法、主張の妥当性を評価する方法などを確認していきます。感情ないし論理に基づいてディベートを進めていく方法と、感情と論理に基づくディスカッションそれぞれの利点・欠点や役割のちがいを理解してもらいます。
担当教員 原 健一
ファシリテーション演習*
開催日 06/25 (土) 15:00〜18:00
授業の目標 /
習得できるスキル
市民と専門家が科学について自由に語り合える場であるCoSTEPのサイエンスカフェ。オンライン環境下の今、市民が参加しやすい場を設計し、運営するスキルの重要性はますます高まっています。本演習では、サイエンスカフェの準備のためのグループワークやワークショップの実施に必要となるファシリテーションの方法とスキル、ファシリテーターに求められる態度を身につけます。
授業内容 /
スケジュール
ファシリテーションは人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りするために必要な知識です。前半はファシリテーションの基礎知識や4つのスキル、役割について理解することを目指します。後半はファシリテーションを学び、深めるための場(ワークショップ)で対話を通した実体験をすることでファシリテーターの姿勢を身につけることを目指します。
担当教員 古澤 正三
プレゼンテーションスキル演習
開催日 09/28 (水) 18:30〜20:00、10/12 (水) 18:30〜20:00、10/26 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
講義「プレゼンテーションで伝える」の受講を前提とします。効果的な構成、デザインを念頭に置きながら、実際にプレゼンテーション資料を作成し、実演し、他者からの評価を受け、また、他者のプレゼンテーションの評価を行うことを通じて、プレゼンテーションに必要なスキルと評価眼を実践的に修得します。また、発表者は、実演を収録した映像を視聴することによって、自らのプレゼンテーションの特徴、長所、短所を把握し、今後の実践に活かすためのセルフチェックを行います。
授業内容 /
スケジュール
初回の演習では、効果的なプレゼンテーションの技法、デザインについてのミニレクチャーを行います。それ以降は、プレゼンテーションの準備・実演・改善を行います。2回目・3回目の演習では、一人ひとりが短時間のプレゼンテーションを他の受講生の前で実演します。また、受講生同士でプレゼンテーションの内容に関する質問やコメントを行います。全員の実演は映像収録し、選科生、研修科受講生を含む受講生全員が視聴できるようにします。
担当教員 古澤 正三、梶井 宏樹、池田 貴子、福浦 友香
データ収集と表現演習
開催日 11/09 (水) 18:30〜20:00、11/16 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
複雑な社会状況や人々の意識について知り、議論するために必要な材料の一つとして「データ」があります。この演習では、どのようにデータを収集し、それを分析していくのかを学びます。本演習では、データの検索について、数値として扱えられるいわゆる量的なデータについて、質的なデータについて、その分析の指針と視覚化の方法の基礎について習得します。 スクリーン リーダーのサポートを有効にする
授業内容 /
スケジュール
本演習は、科学技術コミュニケーション活動を客観的データで企画、評価するため、ウェブによるデータ収集の手法、そして量的な調査手法としてのアンケートの作成について、実際に自分たちで項目を作成していくという活動を通して学んでいきます。
*本演習ではパソコンを使って実施していきます。
担当教員 奥本 素子
サウンドコンテンツ演習*
開催日 09/07 (水) 18:30〜20:00、09/21 (水) 18:30〜20:00
授業の目標 /
習得できるスキル
近年音声配信メディアでのコミュニケーションに注目が集まっています。そこで本演習では、実際に各自短時間の録音を試み、それについて自分の言葉で解説するワークを通して、音というメディアがどのような特徴を持っているのか、なぜ音は面白いのか、そして声という自分自身のメディアや私たち自身の身体と向き合うことを目的とします。本演習を通して科学技術コミュニケーションとして言葉や声がどのような役割を果たすのか考えるきっかけとなることを目標とします。
授業内容 /
スケジュール
第一回目は、音のコンテンツの事例や研究について解説します。ワークとして10秒程度の音を録音してくる。 その音で何を伝えたいのか、解説した文章を書き、そしてその短い文章を自分で読み上げ録音する。第二回目は、ワークについてグループでピアレビューする。各自のワークを科学技術コミュニケーションとの接点に注目して担当教員により解説します。音や声のメディア特性、メディアとなる自分や自分の身体と向き合うことを目標とします。
担当教員 福浦 友香

集中演習(選科のみ)

「集中演習」は、選科受講生のみを対象としています。2つの集中演習のうち、いずれかを選択して履修します。いずれも数日間の集中演習であり、オンラインで仲間と共に集中的に学びます。

集中演習A(サイエンスイベント企画運営)
開催日 07/16 (土) ~ 18 (月・祝)
*この日程以外にも必要に応じてグループ内での打ち合わせがあります。
授業の目標 /
習得できるスキル
サイエンス・カフェや各種のワークショップなど、参加・体験型イベントの企画者・進行役に求められる企画、プログラムデザイン、ファシリテーションなどのスキルを身につけます。 グループワーク上の問題を克服し、課題を達成するために、チームビルディング、リーダーシップ、短時間のプロジェクトマネジメントなどのスキルと態度を体験的に修得します。
授業内容 /
スケジュール
数人ずつのグループに分かれて、科学技術に関連したテーマや科学技術コミュニケーションの方法論を持ち寄り、サイエンスイベントをオンラインで企画・実施します。メンバーはそれぞれの興味関心、得意分野などの情報をあらかじめオンライン上で共有・ディスカッションして、企画について意見交換を行ないます。集中演習はグループワークが中心ですが、オンデマンドでミニレクチャーも配信します。チラシやアンケートの作成も行ないます。最終日にはオンライン・サイエンスイベントを実施し、評価を受けてふりかえりを行ない、学びを全員で共有します。受講生がそれぞれの学びを自己評価できるように、自ら学習目標を設定し、演習終了時に達成度を自己評価します。
担当教員 奥本 素子、朴 炫貞、古澤 正三、梶井 宏樹、福浦 友香
集中演習B(サイエンスライティング)
開催日 10月08日 (土) ~ 10日 (月・祝)
*この日程以外にも事前学習のための時間があります
授業の目標 /
習得できるスキル
本演習では「課題・研究内容・ブレイクスルー」の要件を踏まえたストーリー性のある科学ニュースを執筆できるようになることを目標としています。「読者を明確に想定する」、「文章の構成方法」などの基本的なライティングスキルや、「研究内容などを、誤解が生じないように読者に伝えるための文章作成」といった、サイエンスライティングのためのスキルを身につけることができます。
授業内容 /
スケジュール
大学、企業、および研究機関から今年度発表されたプレスリリースに基づいて高校生向けの科学ニュースを作成します。事前に草稿を執筆・提出し、演習期間内に各自が原稿を完成させます。集中演習では、インタビューワークやイメージを言語化して伝える「文章デッサン」など、ライティング全般のスキルアップにつながるレクチャーやワークを実施します。執筆の合間には、数人のグループに分かれ受講生同士のピアレビューや、教員の指導などを通して原稿の推敲を行います。
担当教員 原 健一・百目木 幸枝・川本 思心・ 池田 貴子・大内田 美沙紀・梶井 宏樹

実習

実習には、本科生のみ受講できる「実習」と、本科・選科ともに選択できる「共通実習」があります。

実習(本科のみ)

本科生は、以下の実習のうち、いずれか1つを選択します。

ライティング・編集実習
授業の目標 /
習得できるスキル
ライティングの基礎を学びつつ、科学技術・学術に関わる題材について、専門家と非専門家間のコミュニケーションを促進するための文章力を身につけます。また企画、取材、執筆のほか、訴求力の高い発信するための編集の基礎的スキルについて習得を目指します。
授業内容 /
スケジュール
北大を紹介するFacebookページ「いいね!Hokudai」の記事作成を1 年間を通して行ないます。さらに「いいね!Hokudai」以外の媒体での執筆も企画・実施することを予定しています。この他にも読むこと・書くことに関連する企画を積極的に行なっていきます。
担当教員 原 健一、大内田 美沙紀(2022年7月から)
対話の場の創造実習
授業の目標 /
習得できるスキル
科学技術コミュニケーションに関するオンラインでの対話型イベントの企画、準備、運営、評価の知識とスキル、ならびにマインドセットを学びます。また、チームビルディング、リーダーシップ、ファシリテーション、プロジェクトマネジメントについても実践的に学ぶことができます。
授業内容 /
スケジュール
「サイエンス・カフェ札幌|オンライン」と、これとは異なるスタイルのオンライン対話型イベントを、企画・実施します。企画(テーマの決定、ゲストの選定・交渉、参加者層の想定等)の大まかな出発点は教員の方で準備しますが、それに基づくからプログラムの具体化、実施準備、実施、評価まで、受講生が主体的に取り組みます。
担当教員 古澤 正三、梶井 宏樹
グラフィックデザイン実習
授業の目標 /
習得できるスキル
サイエンスビジュアリゼーションの考え方と手法を、実践を通して学びます。科学技術に関するテーマやコンセプトを過不足なく表現するためのコミュニケーションスキル(テーマに合ったモチーフや色の選び方、レイアウト法、写真の撮影・加工法など)を身につけます。Adobeソフトを使いますが、使用経験は必須ではありません。 ※必要に応じて、ソフトを購入していただく場合があります。
授業内容 /
スケジュール
1. サイエンス・カフェ札幌をはじめ、CoSTEPが主催するサイエンスイベントの広報媒体(チラシ、ポスター、バナーなど)のデザインのほか、パンフレットやグッズのデザインを行ないます。
2. グラフィックデザインを使ったリスクコミュニケーションに挑戦します。札幌市の都市公園と連携し、人獣共通感染症であるエキノコックス症についてのトランクキットを制作します。
担当教員 池田 貴子、福浦 友香
ソーシャルデザイン実習
授業の目標 /
習得できるスキル
本実習では、社会から科学技術と社会との関係を考えることを目的に、実際に社会における課題解決を科学技術コミュニケーションの観点から実装することを目指します。本実習では、アートを用いた実践を通して、チームビルディングやプロジェクトマネジメントに必要な知識や技能と共に、科学技術について社会と共に考える態度、一つの専門に閉じず学際的に活動する柔軟性の習得を目指します。
授業内容 /
スケジュール
今年度前半は、実際に社会にはどのような課題があるのか、科学技術コミュニケーションで考慮するべき観点はどの部分なのかということを、地域の課題を解決するアートプロジェクトを進めながら探索していきます。今年度後半は、札幌文化芸術センターにおける対話型のサイエンス・カフェと展示を実施し、来場者と双方向で考える科学技術コミュニケーションを実装していきます。
担当教員 奥本 素子、朴 炫貞

共通実習(本科・選科とも選択可)

共通実習は、本科・選科の両方の受講生を対象としています。任意参加につき、修了要件には含まれません。内容、スケジュール等はその都度発表します。希望者の状況により、人数制限を設ける場合や、開講されない場合もあります。

映像制作実習(苫小牧研究林、Adobe連携プログラム)
授業の目標 /
習得できるスキル
身近なツールになり、気軽につくれる映像。時間をつかうメディアにおけるストーリーの作り方や、映像文法の基礎を学ぶと、より効果的に自分のメッセージが伝えられます。この授業では、苫小牧研究林をフィールドに、独自の映像コンテンツを制作することで、研究アウトリーチにつながる映像の手法を学びます。身近な機材を用いてAdobeのソフト活用技術を身につけることで、今後自分でコンテンツ作成ができることを目指します。*Adobe社との連携ワークショップです
授業内容 /
スケジュール
ストーリーを考えて、撮影し、Adobeのソフトを使用して編集するといった、一連の映像制作のプロセスを体験します。苫小牧研究林で撮影のフィールドワークをし、あるテーマを軸にした1分ほどの短い映像に仕上げます。手持ちの機材で映像を制作し、完成された映像は、CoSTEPのウェブサイトや苫小牧研究林から公開します。
担当教員 朴 炫貞、福浦 友香
インフォグラフィック制作実習(講義連動プログラム)
授業の目標 /
習得できるスキル
習得できるスキルM2-5の講義と連動して、インフォグラフィックを制作するプロセスを体験します。情報を発信する際に考慮する情報の取捨選択や情報の構造化、造形言語を用いることについて、実践を通して学びます。
授業内容 /
スケジュール
自分に関する人物インフォグラフィックを作成します。自分が慣れているソフトウェアで、自分を伝えるためのインフォグラフィックをつくるプロセスを体験します。一日集中型の実習です。
担当教員 チャン・ソンファン、朴 炫貞
博物館選択実習(講義連動プログラム)
授業の目標 /
習得できるスキル

M3-1の講義の内容を踏まえながら、実際に博物館施設での展示体験を通して我々は展示から何を情報として受け取っているのか、展示を体験していく中でミュージアムにおける科学コミュニケーションとは何なのかを考えます。

授業内容 /
スケジュール
実際に展示を見ながら展示する側の意図と受け取る側の解釈を、数人のグループの中で生まれた会話をもとに考察します。意図と解釈に齟齬があるような場合にはより展示効果を発揮するためにはどのような工夫があると良いか提案をプレゼンしてもらいます。
担当教員 森 沙耶、奥本 素子
美術館/科学館選択実習
授業の目標 /
習得できるスキル
美術館と科学館の場所の特徴を理解し、展示の文法を知る機会を設けます。受講生同士の対話を通して展示でのメッセージを読み解き、科学技術コミュニケーションとつなげて考える力を身にづけます。
授業内容 /
スケジュール
東京にある森美術館と日本科学未来館を訪問し、それぞれ展示をみて鑑賞活動を行います。教員からのワークシートを軸に鑑賞し、受講生同士での話し合いに加え、関係者との特別対話も用意します。
担当教員 朴 炫貞、奥本 素子