私たちの食卓に欠かせない食材のたまご。そのたまごの値段はどのように決まっているのか、想像してみましょう。2年前に北海道で起きたエッグショックでは、たまごの値段が高騰し、手に入れるのが大変な状況をみなさんも体験されたと思います。
実は、食材によって値段の決め方は変わります。市場の需要と生産側の供給の間で、市場のニーズに合わせて決めるものもあれば、生産側が値段を決めて提示する場合もあります。ただその仕組みはそう簡単ではありません。健康志向やアニマルウェルフェアへの関心が高まっている今、消費者も選択の多様性を求め、少し高くても価値のある食材を選びたいという声も聞こえてきます。一方生産側は市場のニーズに応え、コストをかけて家畜のアニマルウェルフェアを考慮した食材を生産する動きがあります。生産にかかるコストを消費者にだけ委ねるのではなく、政府や流通チェーン、生産者がどのように分担するかによって、変化が起きます。食材を選ぶ基準が、多様化しているのです。
今回のサイエンス・カフェ札幌では、農業経済学が専門の清水池義治さんをお招きし、たまごの値段の裏側にある仕組みの話をしていただきます。また本カフェでは、参加者同士で畜産におけるアニマルウェルフェアや値段の決め方について話し合うワークショップを行います。たまごの値段に対する見方がより鮮明になり、自分の選択について考えるきっかけになると思います。エッグい農業経済学を切り口に、明日の食卓にかけるみなさんの思いを語り合いましょう。
日時:2025年6月22日(日) 15:00~16:30(開場:14:30)
場所:紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデン(北海道札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55 1F)
ゲスト:清水池 義治(北海道大学大学院 農学研究院 准教授)さん
聞き手:朴 炫貞(北海道大学 CoSTEP 特任講師)
参加:事前申し込み不要、参加無料
主催:北海道大学 CoSTEP
協力:北海道大学 COI-NEXT
ゲスト:清水池 義治(北海道大学大学院 農学研究院 准教授)さん
北海道大学大学院農学研究院農業経済学分野准教授。1979年生まれ、広島県出身。2009年北大大学院博士課程修了、博士(農学)。06年雪印乳業酪農総合研究所定時社員、09年名寄市立大学保健福祉学部講師、15年同学部准教授、16年北大大学院農学研究院農業経済学分野講師を経て、21年10月から現職。専門は農業経済学、食料農業社会学。研究テーマは生乳流通の国際比較、農産物・食品認証など。趣味は将棋。