夏の風物詩である、盆踊り。誰でも気軽に参加し盛り上がれる盆踊りは、日本の伝統文化として広く知られています。しかし、盆踊りがいつから始まり、昔はどのように踊られていたのかご存知ですか？ 今回のカフェでは2人のゲストをお招きして、身近なようで、意外と知らない盆踊りとそれにまつわる事柄についてお聞きします。

盆踊りの伝統の話をしてくださるのは、身体表現を中心に民俗学の研究を続けてきた北海道大学の保延光一さん。盆踊りの起源は、念仏を唱えながら踊った平安時代、室町時代にまでさかのぼります。その後、より親しみやすい現在の形に変化していったそうです。

振付家としても活躍しているダンサーのチョン・ヨンドゥさんには、伝統的な踊りがコンテンポラリーダンスにおいてどのように解釈されているのかについて語っていただきます。チョンさんは札幌国際芸術祭 2017 の招待アーティストでもあり、札幌で公演されるご自身の作品についても解説をしていただきます。

今回のカフェは、盆踊りの時期や札幌国際芸術祭の時期とも重なるため、本カフェと連動して様々なイベントが楽しめるような構成になっています。踊りというテーマから、歴史や伝統、そして現代芸術まで、一緒に考えてみませんか？

■開催情報■

第95回サイエンス・カフェ札幌　私たちはなぜ踊るのか？ 〜盆踊りでつなぐ今と昔、心と体〜

【日　時】8月6日（日）14:00~15:30（開場13:30）
【場　所】紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデン
　　　　　北海道札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55 1F（011-231-2131）
【ゲスト】保延光一さん（北海道大学大学院　教育学研究院　准教授）
　　　　　チョン・ヨンドゥさん（ダンサー・振付師／立教大学 現代心理学部 映像身体学科 特任准教授）
【聞き手】朴炫貞（北海道大学 CoSTEP特任助教）
【参加費】無料
【主　催】北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター
　　　　　科学技術コミュニケーション教育研究部門（CoSTEP・コーステップ）
【協　力】韓国芸術総合大学
【連　携】札幌国際芸術祭 2017、TERRACE

【ゲストプロフィール】

保延 光一（ほのべ こういち）さん

北海道大学大学院 教育学研究院 准教授／応用民俗身体知。

1956年、東京生まれ。民俗文化、特に盆踊りなどの伝統芸能の価値を現代に生かすための研究を行ってきた。民俗芸能のような非言語の身体コミュニケーションを科学的方法論で分析し、福祉の場面で応用できるようにすることが研究テーマである。北海道大学には1991年から在職、体育学などの授業を担当する。もっとも感動を受けた盆踊りは新野の盆踊り。趣味はオリエンテーリング、アウトドアスポーツ。

チョン・ヨンドゥさん

ダンサー・振付家／立教大学 現代心理学部 映像身体学科特任准教授。

1974 年、韓国生まれ。韓国芸術総合大学で舞踊を学び、2003 年に「Doo Dance Theater」を設立。 芸術監督、また振付家として人間の心理に焦点をあて、ユニークな動作でその心理状態を表現し、さまざまな創造的作品を生み出している。札幌国際芸術祭2017 には、アイヌのウポポを伝承するグループと日韓のダンサーがつくりあげるコンテンポラリダンス作品「ラプラプ（raprap）」で参加する。

【関連イベント】

今回のサイエンス・カフェ札幌と合わせて参加すると、より楽しんでいただけるイベントをご紹介します。イベントは随時アップデートしていきます。

・「八月祭」8/4~5、札幌市北３条広場（アカプラ）(参加無料)

　2015年夏に生まれた新たなお祭りです。「大風呂敷」や「北３条広場で盆踊り」、「餅まき」や「にぎわい縁日」などができます。5日は「SIAF前夜祭」ということで特別プログラムも実施されます。札幌国際芸術祭のゲストディレクター、大友良英氏が率いるスペシャルビッグバンドの生演奏をバックに、踊りが楽しめます。

・「流留​​」8/5 ①14:00~、②18:00~、シアターZOO (入場無料、事前予約制）

　 [出演：天下第一日脱工作所、不世出] 

　カフェのゲストであるチョンさんが演出する、日韓中のパフォーマーによる公演です。日韓中文化オリンピックの事業として開催されます。韓国の伝統踊り「病身舞」と、それを現代舞踊で解釈したパフォーミングです。東アジアの伝統と、現代舞踊が楽しめると思います。

・「raprap」8/23~26、シアターZOO (有料)

　[出演：チョン・ヨンドゥ、東海林靖志、菊澤好紀、渡辺はるか、有泉汐織、マレウレウ]

　札幌国際芸術祭2017の公式プログラムです。アイヌの伝承歌ウポポを再生する女性ヴォーカルグループマレウレウと、札幌を拠点に活動するダンサー東海林靖志、韓国と日本で創作活動をしている振付家・ダンサーのチョン・ヨンドゥ、この異なる身体・声・リズム、そして文化を持つクリエーターたちが出合い、そこから生まれた北海道発のコンテンポラリーダンスです。