「ツルの生態」を研究するのは誰でしょうか。生物学者?環境学者?それとも……?
ゲストは歴史鳥類学者の久井貴世さん。「ツルと人との関係史」をテーマに、生態学、歴史学、そして考古学など、多角的な視点で研究を展開してきました。今回のカフェではツルのなかでもタンチョウを中心に取り上げ、「ツルと人との関係」について、みなさんと一緒に考えます。
古くから、タンチョウはその美しさから高貴な存在とされ、私たち人間と密に関係しあってきました。明治時代に絶滅の危機に瀕したことで保護されるようになりますが、それ以前の生息実態は、実は十分に解明されていません。昔のツルはどこに、どのように生息していたのか。それは現在ではどの種に当たるのか。そもそもツルは何と呼ばれていたのか。久井さんは古文書などを用い、江戸時代から近現代までの「ツルの生態」を明らかにしてきました。さらには、資料を読み解くことで、現在からは想像もつかない「ツルと人との関係」が見えてきたといいます。
「ツルの生態」とは、そして「ツルの歴史」とは一体、何を指すのでしょう。「ツルと人との関係」は今、どうなっているのでしょう。今回のカフェを通して、「科学」に対する新たなまなざしに触れてみませんか?いざ!鶴の今昔、拝見つかまツル!
■開催情報■
第96回 サイエンス・カフェ札幌 鶴の今昔、拝見つかまツル!〜古文書から読み解くツルの生態〜
【日 時】9月10日(日) 14:30~16:00(開場14:00)
【場 所】紀伊國屋書店札幌本店 1F インナーガーデン
北海道札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55 1F(011-231-2131)
【ゲスト】久井 貴世 さん(北海道大学大学院文学研究科 専門研究員)
【聞き手】CoSTEP対話の場の創造実習 受講生
【参加費】無料
【定 員】約80名(申込不要)
【主 催】北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター
科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP・コーステップ)
【連 携】TERRACE
【ゲストプロフィール】
久井 貴世(ひさい あつよ)さん
北海道大学大学院文学研究科専門研究員。(公財)日本生態系協会専門研究員。専門は歴史鳥類学。酪農学園大学生命環境学科在学中に「タンチョウと人との関係史」という研究テーマに出会う。主な研究対象は、江戸時代のツル。その分布や季節移動など、ツルの生態だけでなく、狩猟や利用法、さらに当時のツルの「保護」や人との軋轢など、ツルと人との歴史的・文化的な関わりを研究している。その成果は、現代のツルの保護活動や自然再生の取り組みなどに還元されている。特技は書道。趣味はバードウォッチングや野球観戦、ツルグッズの収集。家ではデグー、オカメインコ、ドジョウ、ヤマトヌマエビたちと暮らしている。