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アート×科学×さかなで学ぶ社会課題「あかさかな」を開催しました

2026.3.5

北海道大学CoSTEP と札幌文化芸術交流センター SCARTSは、若い世代の皆さんと一緒に、アートの創造性と科学的な探究に触れ、世界をひろげる学びの場をつくることを目指すアート&サイエンスプロジェクトを行っています。
本プロジェクトでは、札幌市立高校公認・市立高校生対象の特別プログラム「あかさかな」を開催します。
「あかさかな」は、アートと科学の視点から「魚」を入り口に、海の環境問題や漁業にまつわる社会課題を探る探究プログラムです。このプログラムでは、すぐに答えを求めるのではなく、「なぜ?」「どうして?」と問いを生み出す力を育むことが目的とされています。観察、表現、創造といったアートの視点を取り入れながら、科学的な考え方や研究に触れ、自分なりの視点で課題を見つけ、深く考察していった先に、どのような世界が広がったのでしょうか。

「魚」という身近な存在を通して、世界のしくみや人間社会とのつながりに目を向け、近年注目される「リジェネラティブ(環境再生)」という考え方についても学んでいきました。

本プログラムは3つの体験と振り返りで構成されました。

プログラム① 海の音

10人程度の高校生が集まり、始まった「あかさかな」。自己紹介とともに、自分で新しい魚「へん」の感じを作るアイスブレイクを行いました。熱帯魚に関心のある生徒、深海魚を表現したい生徒など、参加した高校生の興味は多様。謎解きのように新しい漢字を説明していき、一気に打ち解けていきました。

魚へんに死ってどんな魚?
撮影:岡田昌紘

その後、アートコレクティブのOTOMONO(カロナリス・ステファノ+齋藤悠)さんによる「NOISECHOLOGY(ノイズコロジー)」というワークショップを開催。OTOMONOは環境音をテーマに作品を制作するアート活動の傍ら、環境音、特に海中で起こる人工音が海中の生物にどのような影響を与えているのかということにも関心を寄せています。

海中の音には人工的な活動によって生じる音も多く、これらが短期的、長期的に生物の生態、コミュニケーション、生理にどのような影響をもたらすのかは、正確には見積もられていません。現在の課題を共有後に、生徒たちは二人ペアになり、お互いだけにわかる音のサインを決め、一人が目隠しで、一人が暗い会場の一か所に立ち、大きな音が響く環境の中であえるのかというワークショップを行いました。

OTOMONOのカロナリス・ステファノさんと齋藤悠さん
撮影:岡田昌紘
目隠しした相手と音が邪魔する中で音のサインだけで出会えるのだろうか?
撮影:岡田昌紘

海中で音だけでコミュニケーションを行う生物にとっての音の影響を体感するワークショップでした。

プログラム② 漁業の現場

2回目の体験は、漁業の仲卸から飲食店まで携わる一鱗共同水産株式会社の本間雅広さんと、持続可能な漁業を見据えたタコ漁を目指すinakaBLUE 代表の小笠原宏一さんにまず漁業の現状について語ってもらいました。水揚げが年々減っている日本の漁業、しかし世界的にみると漁獲量は減っているわけではありません。なぜ日本は持続可能な漁業に乗り遅れてしまったのか、日本の漁業の問題をお二人に語ってもらいました。

魚の卸売りや販売を手掛ける本間雅広さんとタコ漁師の小笠原宏一さん
撮影:岡田昌紘

その後、小笠原さんの商品を試食。小笠原さんタコを直接販売、そして販売した売り上げの同じ量のタコを海にリリースするという活動を行っています。販売されているReTAKOとタコソーセージを試食。

臭みのないタコに魚介が苦手な生徒も思わず食べささる!

小笠原さんのReTAKO-リタコ-の商品を試食撮影:岡田昌紘
魚介類が苦手だったのに、意外なおいしさに思わず笑み
撮影:岡田昌紘