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学問を学ぶに暇なしという 人こそ暇に学ばざるなり

2012.3.29

 タイトルの川柳は、私が尊敬する真言密教の、ある高僧の言葉を引用して考えました。私にとって、この1年はタイトルの通りとても密度の濃い時間でありました。高校教員として、職場では3学年主任と就職クラスの担任、部活動顧問、進学講習、模試監督などをこなす毎日でした。また、科学技術コミュニケーションの分野では、JSTサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト利用での3大学との高大連携企画運営、JST科学コミュニケーション・草の根型プログラムでの7町村放課後児童クラブ「科学教室、青少年のための科学の祭典倶知安大会運営業務、北海道教育委員会主催授業実践セミナー「実験授業づくり」と近隣小学校「授業サポート

講師活動など、多くの活動に取り組みました。

このような忙しい中での受講だったので、毎回のe-ラーニングの視聴には工夫をしました。最初は21時に帰宅してから90分の講義を1回で視聴していましたが、これはとても大変でした。疲れと眠気との戦いで集中力も欠き、せっかくの学びも重荷にしていました。そのうち、高校で取り組んでいた毎朝10分の朝読書をヒントに、起床してからの30分ずつ、3日間にわけての視聴にしました。どこまで視聴したか時間記録を資料にメモし、次回はその時間から見る形態です。これにより、意識を集中させられる負担の少ない学習スタイルが生まれました。

毎回のレポートや集中演習「ライティング」の課題執筆は、ふだんの仕事や科学活動を行っている時に考えていた事をテーマにしました。あまりむずかしいことや新しいことを考えるより、今実践している私の立ち位置をさらけ出し、CoSTEPの先生から第三者の視点で評価をいただき、それらを参考に客観的な自己評価の基準を作りたいと考えたからです。集中演習の本番では、自分の拘りある表現に対して、グループメンバーからダメ出しをいただく3日間でした。アドバイスを受け入れていくほどに、自分の伝えたいことがブラッシュ・アップされ、洗練されてくることを実感できた貴重な機会となりました。この取り組みのおかげで、自分の原稿に対する他人の意見を積極的に聴く姿勢を身に付けられ、仕事上でも幅を広げられたと思います。

振り返るとやっつけ仕事で通り過ぎたCoSTEPでしたが、もし時間に余裕があったなら、この成果に出会えなかったと思います。得られた経験にとても満足しています。お世話になりました。

保格 秀規
高校教員