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展示「くまが奏でる地図、万華鏡に潜む地球」を開催します

2019.2.1

「札幌可視化プロジェクト」実習が、展示を開催します。

皆さんの目の前に骨と石が転がっているとしましょう。あなたの目にはそれがどう映るでしょうか?科学というレンズを通してみた骨と石は時に、はるか彼方、遠い昔の歴史を語ってくれます。私たちは、今回、札幌の二人の研究者が見てきた世界に触れ、そこから広がる景色を可視化しようとつとめました。「科学の世界」の魅力を探しに、旧永山邸へ足を運んでみませんか。

【日 時】2月 9日(土)~ 18日(月)09 : 00 – 21 : 00(旧永山武四郎邸は 22 : 00 まで開館)

     *13日(水)は休日

【場 所】札幌市旧永山武四郎邸及び札幌市旧三菱鉱業寮 2F みんなのギャラリー

     通称旧永山邸。札幌市中央区北2条東6丁目

     市営地下鉄東西線「バスセンター前駅」10番出口より徒歩10分

【参加費】入場無料

【主 催】北海道大学 CoSTEP 「札幌可視化プロジェクト」実習

【協 力】NC・MMS 永山邸等運営管理共同事業体

「遺伝子で世界地図を描いていく」

一つ目はヒグマの遺伝子の世界。

ヒグマは有史以来、人間から、親しまれ、かわいがられ、そして畏れられてきました。札幌に棲むヒグマは、いつ、どこからやってきたのでしょう。ヒグマの誕生は約70万年前、国境という概念も、道という概念も持たない彼らは今日まで世界各地を自由に旅してきました。彼らが歩いてきた地図とストーリーは、肉眼では見えない細胞にある遺伝子に刻まれています。科学者はまるで旅行記を読むように無色透明なたった一滴のしずくに漂う遺伝子の海から、ヒグマの旅した世界地図を読み解いていくのです。

お話を伺った

増田隆一(ますだ りゅういち)さん 

北海道大学 大学院理学研究院 生物科学部門 教授。

ヒグマやエゾシカのような哺乳類の遺伝的多様性や進化と、クマ送り儀礼など北海道古来の文化や自然史などを学際的に研究している。

「石は地球のテープレコーダーである」

二つ目は石の世界。

地球は石からできています。私たちの生きている時間より、もっともっと長い時間スケールで地球は今も少しずつ動いています。地球の一部である石を拾い、それを薄く切って顕微鏡でのぞいてみると、とても鮮やかな、まさに万華鏡のような光景が広がります。実はその輝きは、何千年、何万年と経験してきた地球の活動が石に刻まれたものなのです。ある科学者は、石は地球の活動を記録したテープレコーダーだと表現しました。石に魅せられた科学者たちは、そこに刻まれた痕跡を紐解くことで、記録された地球の鼓動に耳をすましているのです。

竹下徹(たけした とおる)さん

北海道大学 大学院理学研究科 教授。研究分野は地質の構造(マクロな褶曲からミクロな鉱物の変形微細組織)と変成鉱物組織の分析から、その地質ができた履歴を明らかにする構造地質学。主なフィールドは、日本最大級の断層とも呼ばれる九州から関東まで約1000㎞にわたる大断層である中央構造線。