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済州島で国際交流ワークショップ参加しました

2018.10.27

2018年8月30日から9月2日まで、韓国済州島で国際交流ワークショップ「AAA Workshop」が開催されました。Asia Art Agroforestryを意味するAAAは、アマゾンの混農のように文化や国籍、専門の異なる参加者が一つの場に集まって交流することで豊かな文化の土壌を作るためのワークショップで、今年4年目の開催になりました。CoSTEPでは2017年には札幌で開催したペルソナワークショップに、2016年にはソウルで開催された孤食をテーマにしたワークショップに参加してきました。

今回のワークショップには、済州島のハンラ大学のデザイン学科、韓国芸術総合大学の美術院、東北芸術工科大学コミュニティーデザイン学科、大阪工業大学の情報メディア学科、北海道大学CoSTEP「札幌可視化プロジェクト」実習から49名の参加者が集まり、「水をテーマにしたツアー作り」というお題に対して6つのグループでそれぞれ企画を発表しました。

韓国の癒しスポットとして有名な火山島、済州島。風と石と女が多いことで三多島とも呼ばれる

水滴の作家で有名な、キム・チャンヨル(金昌烈)美術館で

最終講評の様子

詳しい内容は、全体ドキュメンテーションブックにまとめてありますので(日韓併記)、ご覧ください。

========================ここでは、参加した学生の感想を共有します。========================

<土井雄登> 

済州島と札幌市の比較。事情によって参加できませんでしたが、済州島の概要を札幌と比較することで調べ、可視化しました。

<安藤瑞帆>

WSに参加して、一番感じたのは、ミスコミュニケーションである。それには、韓国語と日本語という言葉の壁と、メンバーそれぞれがWSで達成したいことの違いの2種類あった。

前者について。みんなが共通の言葉を流暢に話せるわけではないので、翻訳アプリを活用したり、時には絵を描いて伝えたりと何とか言葉の壁を乗り越えようとした。しかし、グループは6人の少人数だったが、誰かが言ったことを理解するのにタイムラグがあったり、またはついていけない人がいたりと、時間が限られていた中でメンバー全員がすべての議論を理解できたとは言えないだろう。言葉の壁を乗り越えるもっと良い方法があったかもしれない。

後者について。これは先の問題よりも深刻で重要であるにも関わらず、気づいたのは終盤になってからだった。プレゼンを作るにあたり、メンバーそれぞれが大事にしたい事があった。特に顕著だったのは、テーマやツアーのコンセプトと内容を話しあって決め、そして決めた内容を分かりやすく聞きやすくまとめることが一番大事だと思う人と、考えたツアーの内容を発信するためのwebサイトを作ることが大事だと思う人がうまく溶け合えなかったことだった。最終的には完全に2つにわけて作業し、それをつなげて発表する形になった。会ったこともないバラバラな人たちが集まることは初めから分かっていたのだから、この種の問題が出てくることは予想できたはずだが、気づくのに遅れてしまったことがまず一つの敗因である。また、この問題を解消するもしくは改善するために、それぞれ違う背景・価値観をもってWSに参加していることを、メンバー全員が認識し、その違う背景・価値観は何なのかをコミュニケーションを深める中で見つけて共有した上で、グループワークの落としどころ(最終的なプレゼンの概要やグループとして重きを置く点について)を決める話し合いを、課題に取り組む前にすべきであった。

<細谷祥央>

AAA Projectに参加して観光ツアーを設計するにあたり、観光客と災害について気になった。観光客が求める情報とは有名なビーチや食べ物のことだけではない。交通機関の乗り方のルール、銀行ATMはどこにあるのかといった、現地に入ってからでないと入手しにくいにもかかわらず切実に求められるような、ローカルな情報が求められる。外国人観光客の場合、言語の通じない土地で、現地のローカルな情報を現地でうまく回収できているのだろうか。ほとんどの訪日外国人観光客はこう考えているだろう。スマートフォンも持っているし、Free Wi-Fiが利用できるスポットもあるだろうし、わからなかったらホテルに戻れば安心。確かに、平時の日本では全く問題ない。しかし日本は災害大国。日本で地震が起きた際に、外国人観光客はどうなってしまうのだろうか。

災害が起きれば、外国人観光客に限らず、被災者全員にとって現地の最新の情報を入手することは非常に重要になってくる。それ以前に、地震を経験したことのない外国人観光客は、地震そのものを理解できないかもしれない。日本人は経験で、揺れの大きさから被害の規模を想定することに慣れているが、彼らは過剰に反応してパニックになるかもしれない。断水や停電が起きたときに、宿泊設備側の過失と勘違いし、クレームにつながるかもしれない。初動対応がうまくいかなければ、一人で避難することはできないだろう。外国人観光客のための災害対応策は、特段の対応や配慮が必要である。

東日本大震災の時に比べ、観光の安全性や対応の評価は上がってきている。しかし先日の関西圏の集中豪雨と台風被害、北海道地震を経て、対応のマニュアル化、多言語化、避難時の指揮命令系統の確立、外国人専用の情収集先リスト、ピクトグラムの普及など、日本の観光業界に必要な課題が可視化された。特に北海道では、札幌から数百キロ離れた道東と道央の被災者への対応が問題となったようだ。災害が残した教訓を忘れずに、観光と災害について万全な体制を構築していくことが、ひいては外国人観光客誘致につながっていくだろう。

<歌川敦夫>

ファシリテーションする上で自分のグループをどう捉えて、どう進行したか。

全体として、あまり自分の意見を主張しようとする人は少ない印象だった。それに加え、2,3日目にツアー案を組み立てる際、「何か良い案はないか」など直接的かつ漠然とした聞き方で話し合いを進行しようとしたため班全体としての意見をほとんど引き出すことが出来ず、一部の班員のみの場当たり的な内容となってしまった。また、プレゼン作成の時間配分がうまくいかなかったこともあり、焦って「ツアー案の形を作ること」にばかり意識が先行してしまったこともその一因であっただろう。ここではあくまで途中経過を報告するという位置づけに留め、ブレインストーミング等を用いて、腰を据えて構想を練り、最終日に向けてどう着地するかを軸に進行するべきだった。そうすれば個人としてそして班としても気持ちの面で余裕が生まれ、より創造的なワークに出来たかもしれない。

3日目のプレゼン後は各班の発表や先生方のフィードバックを参考にようやくファシリテーターとしてやるべきことを整理することが出来た。それからグループ全体での現状把握と、目標設定を行い、やるべきことや論点を具体化することで作業の分担や意見を自然な形で引き出すなど班としての機能を果たせたと思う。

看板が読めない場合、アプリや翻訳ツールを使ってお互いコミュニケーションをとるようにした

異文化交流について

本ワークショップ(以後, WS)では様々な専攻と母語の違う学生たちが集まっていた。一口に学生といっても、年齢も10代から30代までかなり幅広かった。そんな状況でWSを円滑に進めるには互いのことを知ること、理解することが殊重要であったように思う。今回はそれが疎かになっており、前述のように意見があまり引き出せなかったことの一因にもなっていたと思う。端的に言えば、アイスブレイクをないがしろにしたために、雰囲気作りが上手くいかなかったというところだろうか。かなり初歩的な話かもしれないが、ワークの進行ばかりに目が行っていた自分にとっては盲点だったので、それを実感できたことは大きな収穫になったと思う。

また、母語が異なり、一番手っ取り早い「話す」という手段が上手く機能しない中で、普段は何気なく見ている相手の表情や所作といった非言語の部分に注視することも重要だと感じた。

参加したCoSTEPの「札幌可視化プロジェクト」実習生と修了生

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済州島に行く前に、乗り継ぎでソウルによって様々なインタビューを行いました。

活版工房「FACTORY」での取材

国立中央博物館企画展「地図礼賛」の担当学芸員とのインタビュー

サムスン美術館「LEEUM」での展示観覧

ザッハハデット建築の「東大門デザインプラザDDP」見学