研究者から見たCoSTEP
秋田 英万
北海道大学大学院薬学研究院准教授
2015.3.18
この度は、CoSTEPが10周年を迎えられるとのこと、誠におめでとうございます。
現在、研究者の研究成果公開活動を通じた国民との対話が推奨、あるいは時に義務化されております。研究者がどのようにアウトリーチ活動を行えば良いのか、情報も経験もなく途方に暮れておりました時にCoSTEPのスタッフの皆様方に声をかけて頂き、2012年の1月に紀伊國屋書店にてサイエンスカフェを企画していただきました。受講生が企画を練り上げていくプロセスを直に見ながら、私自身もどうすれば一般の方に研究を分かっていただけるのか、言葉一つ一つを選びながら考える機会を頂きまして、本当に勉強させていただいたと思っています。
初回の受講生との打ち合わせでは、理解していただくには詳しく説明することが必要と考え、沢山のスライドをハンドアウトとして用意した記憶があります。実は全く逆で、「何を言わないか」「如何にエッセンスを絞り出すか」が重要であると痛感しました。この経験を最近のスライド作りでは意識するようにしています。もちろん、カフェの為に作成していただいたスライドは、今でも利用させていただいています。
また、実習の一貫として作成いただいたYouTubeのムービーをみて、研究室に興味をもってくれる学部学生さんも多くいます。
CoSTEPの活動は、受講生の皆様はもちろんですが、幸運にして活動に関わることのできた研究者にとっても貴重な勉強のチャンスとなると思います。これからも益々、CoSTEPの活動が広がり、多くの研究者が交流できる機会が増えますことを祈念しております。