CoSTEPのカリキュラムの特色
CoSTEPのカリキュラムでは、6つのモジュールからなる講義を通して体系的に科学技術コミュニケーションを理解し、さらに実践経験豊富な教育スタッフが、講義・演習・実習の3つの授業形式を効果的に組み合わせることで、体系化された理論の実践を可能にします。
6つのモジュール
CoSTEPの講義では、科学技術コミュニケーションの概念的理解から、科学技術コミュニケーションを実装するための手法の理解、そして科学技術コミュニケーションの実践にまつわる課題、実践事例を体系的に学びます。その中で、科学技術コミュニケーションを俯瞰する「一般化」から、自分事とする「主体化」を経て、社会の立場から科学技術コミュニケーションを実装する「社会化」へと意識を発展させていきます。
多彩な講師陣の講義(本科・選科共通)
CoSTEPでは、専任講師だけでなく、多くの外部講師をお招きして、現在進行形の科学技術コミュニケーションに関する27コマの講義を提供します。原則として土曜日の13:00〜14:30に開講されます。
充実の演習(本科)
本科はサイエンスライティングやプレゼンテーション、グラフィックデザイン、映像といった表現技法や、インタビューやファシリテーションのような対話スキル、また、データ表現のような論理的思考法など、科学技術コミュニケーターとしての活動に必要な知識とスキルを専任スタッフが直接指導します。原則として水曜日の18:30〜20:00に開講します。
社会とつながる実践演習(本科)
本科では、教室での学びだけでなく、教員と学生がチームとなって科学技術コミュニケーションを実践していく実習活動があります。大学の研究活動を題材とした読み物の執筆や広報媒体の編集、サイエンスカフェの企画運営、地域の課題発見とアート表現、グラフィックデザインを用いたリスクコミュニケーション活動などを実践します。原則として土曜日の10:00〜12:00に開講しますが、必要に応じて授業時間外にも作業します。
濃密な集中演習(選科)
選科では、数日間でグループで学ぶ集中演習があります。集中演習には「サイエンスイベント企画運営」を学ぶ選科A、「サイエンスライティング」を学ぶ選科B、「インフォグラフィック制作」を学ぶ選科Cがあります。
修了生は1000人以上!
科学技術コミュニケーションの
ネットワークが広がります
CoSTEPでは、科学技術コミュニケーションなんて初めて聞いたという方から、実際に実践活動を行ってきた方の学び直しまで、広く多様な学びを提供しています。学生、社会人、問わず様々な方が受講されています。
これまで修了した修了生は1000人以上、多くの方が研究機関、企業、マスコミ、官公庁で活躍中です!
さらなる学び、研修科
CoSTEP修了生の方は、指導教員のサポートを受けつつ実践活動と研究を行い、成果を報告や論文にまとめることのできる研修科があります。
研修科生は、27コマの講義を受講することもできます。本科・選科に開講されている演習・実習は受講できません。
指導にあたるのは、次の教員です(あいうえお順、敬称略)。
池田 貴子(CoSTEP・特任講師)
大内田 美沙紀(CoSTEP・特任助教)
奥本 素子(CoSTEP・准教授)
川本 思心 (理学研究院・准教授 / リカレント教育推進部)
蔵田 伸雄(文学研究科・教授)
種村 剛(リカレント教育推進部・特任教授)
朴 炫貞(CoSTEP・特任講師)
早岡 英介(CoSTEP・客員教授 / 羽衣国際大学教授)
古澤 正三(CoSTEP・特任講師)
宮本 道人(CoSTEP・特任助教)
充実した教育スタッフ
科学技術コミュニケーションの経験豊富な専任のCoSTEP教員や博士研究員に加え、CoSTEP以外の北海道大学の教員、放送番組制作や、出版・編集、科学館の運営・展示企画、各種アウトリーチ活動など、現場の第一線で経験を積んだ学外の外部講師がバラエティに富んだ授業を提供します。
入学者の選別方法
CoSTEPを受講できるのは大学を卒業した方、またはそれと同等のリテラシーを有することを条件としています。本科においては上記の条件およびCoSTEPへの学ぶ意欲、コミュニケーション能力、科学技術コミュニケーション活動への具体的な関心、活動への積極性、柔軟な態度を受講申し込みの際に提出する課題文および面接によって判断します。選科においては、課題文で上記の点を確認し、判断します。研修科においては、具体的な科学技術活動及びそれを実行できる能力を、受講申し込みの際に提出する課題文および面接によって判断します。
CoSTEPの3つのポリシー
CoSTEPでは教育研究上の目的及び教学に関わる3つの方針(卒業認定・学位授与の方針: ディプロマ・ポリシー、教育課程編成・実施の方針: カリキュラム・ポリシー、入学者受入れの方針: アドミッション・ポリシー)を定めています。
ディプロマポリシー
CoSTEPでは、学術的な文脈で発展してきた基礎科学、社会に実装される科学技術、そして科学技術をめぐる社会的課題に対し双方向コミュニケーションを実践し、多様なステークホルダー間のギャップを調整したり、専門的な科学技術に対し信頼や関心を抱くきっかけを生み出すことができる科学技術コミュニケーターの育成を目指しています。
CoSTEPではこの理念に基づき、科学技術とその社会に関する広範囲な知識を有し、その背景の複雑さを踏まえた上で、実践的で柔軟なコミュニケーションを実装できる能力を有し、なおかつ自らの実践を自律的に振り返り、継続的に自らの能力を発展できる人材に対し、科学技術コミュニケーターとして認定します。
カリキュラムポリシー
CoSTEPでは、デイプロマポリシーに掲げる能力を達成するために、下記の方針に従った教育を実施します。
- 科学技術コミュニケーションが設立し、発展した歴史的、社会的、文化的背景を理解し、多様なステークホルダーの立場に立った活動を実施できるよう、体系的かつ広範囲な知識獲得を可能にする講義を提供します
- 多様な立場を理解する力を育成するため、多様な背景を持った受講生同士が実習、演習を通して協調的に学び合う場を提供します
- 文脈に沿った多様な科学技術コミュニケーションを展開できるようになるため、演習において様々な技能を学ぶ機会を提供します
- 科学技術コミュニケーションを設計、実装できる力を育成するため、実習において現実の場面における科学技術コミュニケーション活動を受講生主体で実践します
- 自らの活動を振り返り、学習や活動の課題を発見し、自ら学び、改善していく意識を高めるため、講義、実習、そして全体のカリキュラムの中で定期的に振り返りの場面を設けます
アドミッションポリシー
CoSTEPでは、下記のような受講生を求めます
- 科学技術コミュニケーションを基礎的に学ぶために必要な基礎的能力を持っている人
- 多様性を踏まえたうえで双方向な科学技術コミュニケーションに関心を持っている人
- 科学技術コミュニケーションにまつわる様々な技能を具体的に獲得することに意欲を持っている人
- 実践を通して学ぶことを目指し、CoSTEPの科学技術コミュニケーション活動に積極的に参加し、実習の活動に必要であれば規定の時間を超えた学習活動も確保できる人
- 自己の成長のため、これまでのやり方にとらわれず、自らの偏見や思い込みを修正しながら、柔軟に学ぼうとする人