開講科目

2025年度の学びの形

CoSTEPの学びは、6つのモジュールからなる「講義」、スキルを身につける「演習」、実践力を身につける「実習」の3つ授業形式で構成されています。

開講特別プログラム

開講特別プログラムは開講特別講演、CoSTEPガイダンス、オープニングワークショップで構成される、CoSTEPの学びの出発点となるものです。

CoSTEP開講式特別講演「語りえぬものを語り継ぐ~アートで省みる科学技術コミュニケーション~(仮)」

記憶は、ある人の体験と共に作られ、その人の中に息づいています。その記憶を記録として外在化するとき、語りえぬ感情や文脈をどこまですくい上げることができるでしょうか。

藤井光さんは、国内外で活躍する現代アーティストです。藤井さんの作品は、映像やインスタレーションを通じて、視覚や聴覚、身体感覚の境界を探り、現代社会における情報や記憶の扱いを問い直します。《第一の真実》(2018)という作品では、2700年前の遺跡から発見された大量の人骨を巡り、考古学者が科学的に解明する事実の限界を映像で記録し、事実の先の真実を想像し演劇で表現しました。福島第一原子力発電所の事故から生まれた《あかい線に分けられたクラス》(2021)では、小学校の校区を圏内と圏外に分けることで生じる差別を映像作品として表現しました。

科学技術は私たちの生活を便利で豊かなものにする半面、様々な軋轢ももたらします。今年は原爆投下からちょうど80年目の節目の年です。世界で唯一の被爆国である日本は、2011年、再び福島原発の事故で広い地域が被曝しました。原子力の利用は私たちの生活、健康にたくさんの恩恵をもたらしましたが、便利で強大なエネルギーは時に悲劇や暴走を引き起こします。科学技術コミュニケーションは、科学がもたらす利点を伝えるとともに、科学が引き起こす負の側面を省みて、科学がより安全で健全に運用されるような仕組みを考える場も創造します。その際には、記録の先にある記憶を想像し、語り合う必要があります。

CoSTEPガイダンス

CoSTEPの1年間、どのように学び、どのように支えていくのかについてのガイダンスの後、受講生同士の自己紹介、交流の機会を設けます。

オープニングワークショップ

科学技術コミュニケーションを「パターンランゲージ」で考えるワークショップを開催します。

講義

「講義」は、科学技術コミュニケーションを体系的に学ぶ6つのモジュールで構成されています。本科、選科の共通科目です。

モジュール1 / 科学技術コミュニケーション概論

科学技術コミュニケーションを行うのに必要な諸概念を学び、社会における科学技術コミュニケーターの望ましいあり方の全体像を展望し、科学技術コミュニケーターの役割を考えます。

2025/05/11 科学技術コミュニケーションの入り口
科学技術コミュニケーションの世界へようこそ。科学技術コミュニケーションは、科学をわかりやすく面白く伝えるだけでなく、科学技術の課題を語り合う場を設けたり、科学技術の未来について創造したりと、その活動は幅広く、また単発的な活動から長期的な関係性作りまでその密度も多様です。本講義では、科学技術コミュニケーションの水平的な広がりと様々な深度について理論と実践の面から紹介していきます。
奥本 素子(北海道大学 CoSTEP 部門長/大学院教育推進機構 准教授)
2025/05/17 コミュニケーションを改めて考え直す
私たちはCoSTEPで「科学技術コミュニケーション」を学ぼうとしています。それではそもそも「コミュニケーション」とは何でしょうか。あるいは、なぜ「対話」が大事なのでしょうか。この講義では、コミュニケーションおよびその近接概念について説明できるようになることを達成目標とします。加えて、大学で「科学技術コミュニケーション」を「学び直す」ことの意義について確認します。
種村 剛(北海道大学 大学院教育推進機構リカレント教育推進部 特任教授/CoSTEPフェロー)
2025/05/31 社会の中での科学技術コミュニケーターの役割:科学ジャーナリストを例に
科学ジャーナリストは科学技術コミュニケーターの職業の一典型です。科学や医学に関する情報が複雑化・高度化する中で、その役割の重要性は増しているはずですが、現状では残念ながら十分な役割を果たしているとは言えない部分もあります。NHKの医療・災害担当記者としての経験をもとに、科学技術コミュニケーターが社会の中でどのような役割を求められているか、科学ジャーナリズムをめぐるいくつかの具体例を通して考えます。
隈本 邦彦(名古屋大学 客員教授/江戸川大学 名誉教授)
2025/06/14 対話のその前に〜コミュニケーションのための科学哲学
科学技術コミュニケーションへのアプローチは、「科学者と市民との対話」だけではありません。科学哲学というアプローチがあります。科学哲学は、科学の成り立ちや、科学的方法の前提を分析することに関心がありますが、そうした分析の中には、科学技術と社会の対話のヒントとなるものがあります。因果性や価値判断といった、ふだんあまり深く考えないことがらを例に、「コミュニケーションに役立つ科学哲学」について紹介します。
松王 政浩(北海道大学OECセンター長/理学研究院 教授)
モジュール2 / 表現とコミュニケーションの手法

科学技術コミュニケーターとして必要な、様々な表現とコミュニケーションの手法について学びます。

2025/06/21 「うちの分野だとアーギュメントは重要じゃない」と思っているあなたへ——研究と価値の問題について
拙著『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』は「アーギュメント」という概念を日本のアカデミズムに導入した書物です。これについては種々の反論がありえますが、寄せられる質問のなかでも「うちの分野にアーギュメントという考えはそぐわない気がするのですが、どう考えればよいですか」というものが非常に多い。この講義ではアーギュメント概念について基本的なことを概説したうえで、書籍で挙げた例とは異なるスタイルの研究におけるアーギュメントの重要性について、研究の価値という観点から再考します。
阿部 幸大(筑波大学人文社会系助教)
2025/06/28 実践入門
科学技術コミュニケーターとして、学びの場であり、その学びを生かす場として「実践」があります。本講義では、CoSTEPでこれまで行なってきた実践をいくつかご紹介します。多様な事例から、コンセプトメイキング、ステークホルダー間のコミュニケーション、集客のための広告や情報発信まで、プロジェクトを進める上で必要となる態度や考え方、スキルについて一緒に考えていきます。
古澤 正三(北海道大学 CoSTEP 特任講師)
2025/07/12 伝えるプレゼンテーション
学生生活やビジネス活動、科学技術コミュニケーションなど、さまざまな場面で多様なバックグラウンドを持った人々に接し、説明や報告をする機会が増えています。それに伴い、効果的に自分の考えを伝えるプレゼンテーションのスキルの重要性も高まっています。この講義では、プレゼンテーションの基本的な考え方、技術、スライドのデザインを学び、限られた時間で伝えたいことを伝えたい相手に最適な手段を用いて伝えることができるようになることを目指します。
本平 航大、沼田 翔二朗、奥村 友佳子(北海道大学 CoSTEP 特任助教)
2025/07/26 映像メディアによる科学技術コミュニケーション
大学や研究機関広報、学校教育といった科学技術コミュニケーションの現場で、映像メディアの活用が始まっています。ライティングに比べると、映像制作は特有の文法や技術的なハードルがあるため、敷居が高いと感じる人も多いでしょう。もちろん撮影、編集、デザイン、台本制作まで全て一人でこなすには、相当な経験が必要です。しかしチームワークの中で、企画やディレクション、撮影、ナレーションといった制作プロセスの一部を担うことは可能です。機材や編集ソフトの進化で、何でも1人でもこなせる時代にはなりましたが、プロセスを分解してみると様々な表現スキルの組み合わせで映像は成り立っています。本講義では、近年の制作現場で得られた最新の知見をお伝えします。
早岡 英介(北海道大学CoSTEP客員教授/ 羽衣国際大学教授)
2025/08/02 サイエンスイラストレーションで伝える科学
科学専門の「サイエンスイラストレーター」と名乗るようになって約10年。これまで大学や研究所、博物館などで鳥類学、昆虫学、魚類学、古生物学、そして生命科学に跨る分野のイラストを描く機会に恵まれてきた。サイエンスイラストレーションはただ見たままをそのまま描けば良いというものではない。伝えたい科学的本質によって、強調して描く部分と、あえて簡略化して良い部分がある。また、誰を対象とするか、何を伝えるかによって、うまくスタイルを調整する必要がある。これまでの経験を振り返りながらイラストの「伝える力」について改めて考え、活用法について紹介していきたい。
大内田 美沙紀(北海道大学 CoSTEP 特任助教)
モジュール3 / 活動のためのデザイン

科学技術コミュニケーターとして実践していく上で、活動を実施するために必要なデザインについて学びます。

2025/08/30 【20周年イベント共同企画】「未来智への40年」~北大発科学技術コミュニケーション~
20世紀、アポロ計画から生まれた宇宙船地球号というコンセプトは私たちが国境を越えて人類として協力し合うことを端的に表したものです。実際に放送や気象衛星、GPSなどの宇宙開発を通じて私たちの日常生活に欠かせないグローバルな情報とつながりました。
21世紀に入り科学技術の専門家と社会を結ぶことでより良い社会が生まれると期待の下CoSTEPが誕生しました。ところが、現在の地球は、急速な地球温暖化、紛争、アンバランスな資源分配など、とても協力し合っている状況ではありません。
今、CoSTEP設立から20年を経て、専門家と市民を結ぶだけでは足りないということが分かってきました。より多様な人と、より総合的な智を紡いでいく必要があるのではないでしょうか。ライフワークとして今まで40年間「先端科学技術と社会をつなげる活動」をされてきた毛利衛さんをお招きし、人類社会が持続的に未来へ生き延びるための知恵『未来智』について語ってもらいます。
毛利 衛(宇宙飛行士・日本科学未来館名誉館長・全国科学館連携協議会会長)
2025/09/06 感情的理解のためのアプローチ
社会で起きている問題に関わるステークホルダーは常に多様です。そして、そのステークホルダーの数だけ「言い分」や「当たり前」があります。対立する他人同士が理解しあうのはとても難しいことです。相手の立場や考えについて、理由や理屈ではなく「腑に落ちる」たり納得することができれば、少しは互いの距離が縮まるかもしれません。本講義では、札幌市民を悩ませる「都市ギツネ」にまつわる問題について、各ステークホルダー(地域住民、都市公園管理者、行政、野生動物研究者、コミュニケーターなど)が、どのように歩み寄ろうとしているのか、CoSTEPでの実習活動も絡めた現在進行形の取り組みをご紹介します。
池田 貴子(北海道大学 CoSTEP 特任講師)
2025/09/20 心が通う科学コミュニケーション:「説明義務」対「監視義務」から「共感」という原初の喜びへ
「科学コミュニケーション」では、科学者と一般市民が対等な関係で「対話」をする。科学者側にとっては「説明義務」であるが、一方市民側にも「監視義務」が生じる。ただし、実際にはそういった義務に縛られた関係性だけでなく、イベント主催者の多くは、「共感を得る喜び」が大きな原動力になっているのではと思う。私はまさにそうで、イラスト、音楽、動画配信など、趣味で培った特技を活かした様々な手段を介して、「楽しく」取り組んでいる。科学者と市民は、根っこでは心で繋がっているのが良いと思う。
河本 宏(京都大学 医生物学研究所 所長)
2025/09/27
e-learning
ミニ・パブリックスと参加・熟議のデザイン
重要な公共的課題についての意思決定に、幅広い市民が参加して議論するための仕組みとして、無作為選出などにより社会の縮図となる一般の人びとを集めて話し合う「ミニ・パブリックス」という方法があります。その代表的な手法であるコンセンサス会議や市民陪審、討論型世論調査などは、科学技術への市民参加にも国内外で長く用いられてきました。近年では、気候変動対策にこの方法を応用した「気候市民会議」が、欧州を始めとして、日本を含む世界各地で行われるようになっています。この講義では、ミニ・パブリックスの概要と応用例を学ぶことを通じて、科学技術に関わる社会的な問題の解決に向けて人びとが共に考え協働するための参加と熟議のデザインについて考えます。
三上直之(名古屋大学大学院環境学研究科 教授)
* 原則としてモジュール3の期間内にe-learningにて視聴すること。ただし、モジュール3の開始前に視聴することも可とする。
モジュール4 / 科学技術の多面的課題

科学技術と社会との接点に生じる問題の具体的な事例をとおして、それらの問題がもつ多面的かつ複雑な構造について適切に理解する思考力を養います。

2025/10/04 The Directions for Science Communication in Asia -based on collaborative experiences-
In this lecture, I will first provide an overview of the background and collaborative efforts undertaken by Korea, Japan, and China over the past 15 years, with a particular focus on the Science Culture Roundtable and the Joint Symposia at the AAAS Annual Conference. Second, I will discuss the challenges posed by global issues such as artificial intelligence, energy transition, and climate change to science communication. Finally, I will propose strategies for advancing cooperation between Korea, China, and Japan, offering insights into the future development of science communication in Asia.
Cho Sook-kyoung(Professor of Korea Institute of Energy Technology)
2025/10/18 「聞く」ことによる合意形成
環境保全などの社会課題解決においては、多層的なあつれきや対立をどう乗り越えていくかが重要になってきます。しかし、合意形成はそんなに簡単ではありません。そのときに鍵になるのが「聞く」ことです。なぜ合意形成は難しいのでしょうか。なぜ「聞く」ことが重要なのでしょうか。「聞く」とは具体的にどういう行為なのでしょうか。また聞いた結果の質的データをもとにどう分析し、そしてそれをもとにどう合意形成すべきなのでしょうか。
宮内 泰介(北海道大学大学院文学研究院 教授)
2025/10/25 メタバース進化論:住人の生活と大規模調査データから見るソーシャルVRの課題と革命性
全身で三次元の仮想空間「メタバース」に没入し「インターネットの中で人生を送ることができる」時代が遂に訪れた。本講義では、解説書『メタバース進化論』の著者「バーチャル美少女ねむ」が、実際にメタバースで人生を送る自身の生活のデモンストレーションを行い、2000名以上を対象に実施した大規模調査データを元にその革命性を解説する。質疑応答の時間を長めに設け、新たな発想の生まれるインタラクティブなセッションとしたい。
バーチャル美少女 ねむ(VTuber / 作家 / メタバース文化エバンジェリスト)
2025/11/08 ELSIから考える科学技術の社会実装と「倫理」
新奇的な科学技術を社会に実装する過程には、「技術的にはできるけど、やっていいんだろうか」という課題が山積しています。それらを「社会的に受容されるか(Social)」「どんな法規制がいるのか(Legal)」、そして「どんな倫理観に基づいてやるのか(Ethical)」の三観点から弁別し、検討の土俵に乗せるフレームワークが「ELSI(エルシー;Ethical, Legal and Social Issues)」です。本講義では、とくにELSIをめぐるコミュニケーションで重要になる「E(倫理)」の語彙を中心に、科学技術の社会実装に際して「哲学・倫理学」がはたす役割を実践的に紹介します。
朱 稀哲(大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター) 招へい准教授/哲学者)
2025/11/15
e-learning
社会問題/社会関係資本を生み出すSNS
現代はインターネット、とりわけSNSによるコミュニケーションが埋め込まれ社会となっている。SNSはフェイク、炎上、分断を煽る情報の流れを生み出す一方、流動化・個人化した社会で求められる他者との接続を維持・管理するためのツールとなり、社会関係資本の蓄積にも貢献している。このSNSの両義性を左右する要素や条件について調査データにもとづき考えます。
前田 至剛(追手門学院大学 社会学部 准教授)
* 原則としてモジュール4の期間内にe-learningにて視聴すること。ただし、モジュール4の開始前に視聴することも可とする。
モジュール5 / 多様な立場の理解

科学技術コミュニケーターが多様な立場の個人や組織と連携する際に理解しておくべき、科学技術コミュニケーションに関わる主要なステークホルダーの立場について学びます。

2025/11/22 すれ違う支援者満足と当事者満足 多様性の時代に求められる回復の視点
医療や福祉において、その質や妥当性を評価するのは難しい。「何を提供したか」という支援者側の視点だけで評価しても、「何をしてもらえたか」という当事者側の視点だけで評価しても、回復の本質からどこかピントがずれてしまう。本講では、精神障害の支援者であると同時に視覚障害の当事者でもある演者が、両方の視点から導いた回復の意味、社会が目指すべきインクルーシブの在り方についてお伝えする。
福場 将太(医療法人 風のすずらん会 美唄すずらんクリニック 副院長/視覚障害をもつ医療従事者の会 ゆいまーる 幹事/公益社団法人 NEXT VISION 理事)
2025/11/29 中国SFの過去・現在・未来
本講座では、中国SFの歴史的な流れと作品、作家について紹介しながら、同時に中国SF独自の発展を遂げてきた「科学普及」の点についても考えていきたい。中国ではSFは科学普及と密接であり、昨今では教育に深く関わってきている。教科書にも星新一や劉慈欣の作品が掲載されたり、大学入試問題にSFが用いられたりしている。またSFを使った幼児教育も盛んである。SFがどのように世間に影響を与えているのか、中国を例に考察していければと思う。
山本 範子(立原 透耶)北星学園大学文学部教授
2025/12/06 民族多様性と「わたし」の位置:大学を例に考える
近年、外国人の増加などを背景に、日本社会の多様化が進んでいると言われています。しかし、日本が「民族的」に多様になったのは、それより100年以上前のことです。あらゆる組織はこれまでも多様でしたし、潜在的なニーズの違いもあります。その多様性を見過ごすことは、合理的な配慮を提供しないことにもつながります。大学の中で過ごす「日本人」の多様性を例に、マジョリティとマイノリティの関係を考えます。
北原 モコットゥナㇱ(北海道大学 アイヌ・先住民研究センター 准教授)
2025/12/10
e-learning
ファクトに基づく調査報道の限界と可能性、ジャーナリズムの本質とは
「カルトと政界」「2世問題」「ワクチン騒動」「ニセ科学」大手メディアが報じないトピックを継続取材してきました。独りよがりに陥らないために重要なのは「ファクトに基づくデータの蓄積」です。独自の調査報道の実例を示し「報道における公平性、両論併記の是非」「被害者を前面に立てる報道姿勢について」「ナラティブベースの報道による弊害の事例」「ドキュメンタリーにおけるコンテンツ消費」「ニセ科学者と思考停止」「報道と科学的正しさ」といった論点・視点から「ジャーナリズムの本質」について話します。疑念をスルーせず問題意識を継続しモチベーションを保つ秘訣。身の危険やリーガル・スレッド(法的威嚇)への対策も。
鈴木 エイト(ジャーナリスト・作家)
* 原則としてモジュール5の期間内にe-learningにて視聴すること。ただし、モジュール5の開始前に視聴することも可とする。
モジュール6 / 社会における実践

社会の中で科学技術コミュニケーションの領域を意欲的に開拓されている方々を招き、これまで歩んでこられたキャリア、活動の背景、現状、課題、原動力、将来の目標などについてお話を伺うことによって、自らのコミュニケーターとしての将来展望を描きます。

2025/12/13 大学の先生芸人が伝えるサイエンスコミュニケーション ~それほど科学に興味がない人にどのように伝えるのか~
科学に興味がない人向けの科学技術コミュニケーション(以下、SC)を専門に研究や実践をする黒ラブ教授と申します。メインは劇場など舞台で科学漫談を軸にいろんな活動を全国でしております。皆さんは芸人になりたいわけではないと思いますが(笑)実は芸人が笑わせるまでの周辺の技術を学ぶと、SCは見違えるほど変わるんです。なので、この回は黒ラブ教授を知ってもらいながら、その技術も簡単にご紹介できればと思います。
黒ラブ教授(吉本興業(大学の先生芸人))
2025/12/20 理系分野に進学する女性が少ないのはなぜでしょうか?
日本では、理系分野に進学する女性の割合が世界的に見ても少ないとされています。特に物理学や数学分野では、その割合が2割程度(またはそれ以下)にとどまっています。この背景にはどのような要因があるのでしょうか?また、これからの社会に向けて、私たちはどのような取り組みができるでしょうか。皆さんと一緒に考えたいと思います。
一方井祐子(金沢大学人間社会研究域地域創造学系・准教授)
2026/01/10 エンターテインメント業界の武器としての科学、その意義と価値
本講義では、漫画家・原作者としての経験を通じて得た、サイエンスとエンターテインメントを融合させる技術と意義について語ります。フィクションの説得力としての科学という武器の使い方、また科学的正確性と物語としての嘘をどのように両立させるかのテクニック、社会的影響を意識した監修業務の重要性など。科学コミュニケーション力がエンタメ界においていかに嘱望され、ビジネスとしての価値を創出するのかを実務に基づいて解説します。
蛇蔵(漫画家・原作者)
2026/01/24 STI政策の中の科学技術コミュニケーション、STI政策への科学技術コミュニケーション
日本の科学技術(・イノベーション)政策は1995年に科学技術基本法が制定されて以降、これまで6期、各5年間の基本計画に基づいて推進されてきました。2026年から第7期科学技術イノベーション基本計画が開始予定です。講義ではまず科学技術コミュニケーションを軸にSTI政策の進展と今後の方向性を説明し、次にSTI政策を立案する上で様々な専門家がどのように行政とコミュニケーションを取っていけば良いのか、間をつなぐKnowledge Brokerに求められる役割なども合わせて議論します。
菊地 乃依瑠(国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー)
2026/01/31 CoSTEPの講義を振り返って
CoSTEPで開講された講義を振り返り、「科学技術コミュニケーションの思考」、「情報の分析と行動のための計画手法」、「科学技術コミュニケーション実践」に関わる知識や技能、そして実践事例のポイントをCoSTEP教員が解説していきます。本講義を通して、講義内容の理解を深め、一年間の学びの省察をし、今後の実践活動に関連付けていくことを目指します。
CoSTEP 教員

 

演習

演習には、本科生のみ受講できる「演習」と、選科生のみ受講できる「集中演習」があります。
※ 一部の「演習」は、選科生も受講することができます。

演習(本科のみ ※一部、選科も受講可)
集中演習(選科のみ)

演習(本科のみ ※一部、選科も受講可)(双方向)

本科は、以下の演習より6つの必修科目以上を修めることが修了要件です。
がついているものは、選科も受講可能ですが、選科は修了要件には入りません。

インタビュー演習(必修)
開催日 5/14・5/21
授業の目標 /
習得できるスキル
インタビューは話を聞く側と話す側の相互行為です。この演習では、1)インタビューをする側の立場から、研究の概要や要点を理解した上で、その人の感情や価値観、源にある想いにアプローチし、研究の根っこにある「意志」や「意図」を明らかにするための「傾聴」「話の深掘り」「情報整理」といったスキルを身につけることを、2)インタビューをされる側の立場からは「説明する」ことや「書いてもらいたいことの提示を行う」ためのスキルを身につけることを目標とします。
授業内容 /
スケジュール
1回目の演習では、科学技術コミュニケーションにおけるインタビューの意義や技法を、簡単なワークを交えつつ解説し、受講生2人1組のペアになって、交代で相互にインタビューを行い、相手のストーリーをまとめたインタビューコラムを作成します。2回目の演習では、研究内容を聞いてまとめるためのポイントを確認した上でワークを行います。
担当教員 古澤 正三・本平 航大・沼田 翔二朗・西尾 直樹(北海道大学高等教育推進機構CoSTEPフェロー)
ライティング演習(必修)
開催日 5/28・6/11
授業の目標 /
習得できるスキル
この演習では、科学的なテーマについて書くサイエンスライティングを扱います。事実を正確に述べるだけではなく、対象とする読者の特性を考慮した上で、理解と共感へと導く構成や内容の取捨選択、文章表現を身につけることを目指します。
授業内容 /
スケジュール
前半は、ライティングの基礎を学びます。後半は、言語以外の情報を、適切な順序で適切な言葉を用いて簡潔に表し、一読して理解しやすい文章のコツをつかみます。※本演習ではパソコンを使って実施していきます。
担当教員 古澤 正三・本平 航大・沼田 翔二朗
ファシリテーション演習(必修)
開催日 6/21 15:00 – 18:00
授業の目標 /
習得できるスキル
サイエンスカフェや対話の場など、双方向で語り合うための科学技術コミュニケーションの設計は近年ますます重要になっています。そのような双方向な対話の場において、話し合いのバランスを整え、対話の目的を共有し、議論の進行を担い、さらなる意見やアイデア創出のために問いの捉え直しや議論を整理を行うことをファシリテーションといいます。本演習では対話を促す仕掛けであるファシリテーションの技術を学びます。
授業内容 /
スケジュール
ファシリテーションは人々の対話が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りするために必要なスキルです。本演習では3つの異なる対話の場面でのファシリテーションの特徴を学び、実際にグループでファシリテーション役を交代しながら対話の場でのファシリテーションを学んでいきます。
担当教員 奥本 素子
データ表現演習(必修)
開催日 7/9・7/16
授業の目標 /
習得できるスキル
複雑な社会状況や人々の意識について知り、議論するために必要な材料の一つとして「データ」があります。この演習では、どのようにデータを収集し、それを分析していくのかを学びます。本演習では、データの検索について、数値として扱えられるいわゆる量的なデータについて、質的なデータについて、その分析の指針と視覚化の方法の基礎について習得します。
授業内容 /
スケジュール
本演習は、科学技術コミュニケーション活動を客観的データで企画、評価するため、ウェブによるデータ収集の手法、そして量的な調査手法としてのアンケートの作成について、実際に自分たちで項目を作成していくという活動を通して学んでいきます。
※本演習ではパソコンを使って実施していきます。
担当教員 奥本 素子
グラフィックデザイン演習(必修)
開催日 11/5・11/19
授業の目標 /
習得できるスキル
デザインは、効果的なコミュニケーションのために必要なスキルです。おしゃれで綺麗なもの、よく伝わるものの根底には、デザインのルールが隠れています。この演習では、デザインにおける文法を理解し、情報を整理する方法を学びます。そのデザイン法則をもとに、メディアに応じたデザインができるようになることを目指します。
授業内容 /
スケジュール
本演習では、デザインの基本的な文法を理解することを目指します。デザインの中でもグラフィックに焦点をあて、基礎を学び、自分で表現するプロセスを体験します。デザインにおける視点を体験するワークを行い、課題に取り組んだり、制作したものを発表したりもします。
担当教員 朴 炫貞・大内田 美沙紀
SFプロトタイピング演習
開催日 7/23・7/30(いずれもオンライン)
授業の目標 /
習得できるスキル
「SFプロトタイピング」はフィクションの力を活用し、斜め上のビジョンの試作品を創作・議論・共有する手法です。もう少し噛み砕くと「簡単なSFを作りながら未来像をみんなで語ろう」みたいな考え方です。本演習では、このテクニックを体得することを目指します。
授業内容 /
スケジュール
前半では、SFがビジネス界で注目されている理由を解説し、奇抜なアイデアを生み出すワークショップを行います。後半はアイデアから短いストーリーを作るワークショップを行い、それをどのように実社会で役立てるかの方法論を解説します。「SFプロトタイピング」という概念自体をどうムーブメントにしたか、その戦略もあわせて説明しますので、独自のサイエンスコミュニケーションをどのように構想し、どのように社会に浸透させていくかを考えるヒントにもして頂ければ幸いです。
担当教員 宮本 道人
プレゼンテーション演習(必修)
開催日 10/1(事前学習)・10/8・10/22
授業の目標 /
習得できるスキル
講義「プレゼンテーションで伝える」の受講を前提とします。効果的な構成、デザインを念頭に置きながら、1.プレゼンテーション資料の作成、2.プレゼンテーションの実演、3.他者からの評価、4.他者へのプレゼンテーションの評価、を通じて、プレゼンテーションに必要なスキルと評価眼を実践的に修得します。また、発表者は、実演を収録した映像を視聴することによって、自らのプレゼンテーションの特徴、長所、短所を把握し、今後の実践に活かすためのセルフチェックを行います。
授業内容 /
スケジュール
1回目の演習では各自で事前課題とプレゼンテーション作成に取り組みます。2回目・3回目の演習では、一人ひとりが短時間のプレゼンテーションを他の受講生の前で実演します。また、受講生同士でプレゼンテーションの内容に関する質問やコメントを行います。全員の実演は映像収録し、選科生、研修科受講生を含む受講生全員が視聴できるようにします。
担当教員 本平 航大・沼田 翔二朗・奥村 友佳子
映像表現演習
開催日 12/3・12/17(いずれもオンライン)(仮予定)
授業の目標 /
習得できるスキル
後日公開します。
授業内容 /
スケジュール
後日公開します。
担当教員 奥村 友佳子
グラフィカルアブストラクト演習(必修)
開催日 1/14・1/28
授業の目標 /
習得できるスキル
研究内容を一目で伝える概要図:グラフィカルアブストラクト(GA)。近年、学術誌の多くがGAの提出を論文投稿者に求めるようになり、論文概要のテキストと共に掲載されることが多くなりました。また、論文以外でもプレスリリースや研究紹介のプレゼンなど、あらゆる場面でGAは活用されます。本演習を通して、GAの意義と効果的なGAのデザインについて学び、受講生各自が自身のサイエンスコミュニケーションで活用できるオリジナルのGAを制作します。
授業内容 /
スケジュール
初回までに、GAにしたい研究の概要とポイントをテキストで提出してもらいます。初回では、GAの意義と効果的なデザインについてのミニレクチャーを行い、研究例を用いてGAのラフ画制作の練習を行います。各自ラフ画を提出し、教員からのラフ画添削の後、本制作を行います(希望者に個別対応)。最後に、完成したGAを用いて受講生各自が研究発表を行なった後、講評を行います。
担当教員 大内田 美沙紀
発見と表現演習
開催日 9/3・9/10
授業の目標 /
習得できるスキル
アートにも科学にも、モノコトを観察して表現するプロセスは共通しています。この演習では、映像や写真、文章、デザインへの展開をする時に必要なアイデアを発想する方法として、手を動かしながらアートの手法を体験します。オンラインでの集中演習を通して、多様な視点の体験やアイデアの発想法、メッセージと表現の関係性について学べます。幅広いサイエンスコミュニケーションの切り口を発見し、表現することで、自分ならではの方法を考える時間を目指します。
授業内容 /
スケジュール
担当教員の朴が進めているアートプロジェクト「アノオンシツ」のフィールドとなる温室で、その周りの環境や植物、古い資料などを用いて、一つの問いに答えるためのワークショップを行います。ワークに際して参考になるアーティストの表現を紹介することで、アートとサイエンスの融合の特徴について学べます。また、作成物をお互い見合わせることで、多様な視点の体験ができるようにします。
担当教員 朴 炫貞

集中演習(選科のみ)(双方向)

「集中演習」は、選科受講生のみを対象としています。2つの集中演習のうち、いずれかを選択して履修します。いずれも数日間の集中演習であり、オンラインで仲間と共に集中的に学びます。

集中演習A(サイエンスイベント企画運営)
開催日 7/19(土)– 21(月・祝)の3日間
※この日程以外にも必要に応じてグループ内での打ち合わせがあります。
授業の目標 /
習得できるスキル
サイエンス・カフェや各種のワークショップなど、参加・体験型イベントの企画者・進行役に求められる企画、プログラムデザイン、ファシリテーションなどのスキルを身につけます。
グループワーク上の問題を克服し、課題を達成するために、チームビルディング、リーダーシップ、短時間のプロジェクトマネジメントなどのスキルと態度を体験的に修得します。
授業内容 /
スケジュール
数人ずつのグループに分かれて、科学技術に関連したテーマや科学技術コミュニケーションの方法論を持ち寄り、サイエンスイベントを企画・実施します。集中演習はグループワークが中心ですが、ミニレクチャーも実施し、イベント企画、実施に必要な知識を学びます。イベント実施においてはチラシやアンケートの作成も行ないます。最終日にはオンライン・サイエンスイベントを実施し、評価を受けてふりかえりを行ない、学びを全員で共有します。受講生がそれぞれの学びを自己評価できるように、自ら学習目標を設定し、演習終了時に達成度を自己評価します。
担当教員 奥本 素子・朴 炫貞・本平 航大・沼田 翔二朗・奥村 友佳子
集中演習B(サイエンスライティング)
開催日 9/13(土)– 15(月・祝)の3日間
※この日程以外にも必要に応じてグループ内での打ち合わせがあります。
授業の目標 /
習得できるスキル
本演習では「現在の課題・研究内容・ブレイクスルー」の要件を踏まえたストーリー性のある科学的文章を執筆できるようになることを目標としています。「読者を明確に想定する」、「文章の構成方法」などの基本的なライティングスキルや、「研究内容などを、誤解が生じないように読者に伝えるための文章作成」といった、サイエンスライティングのためのスキルを身につけることができます。
授業内容 /
スケジュール
科学技術に関連したニュース・論文・書籍に基づき、短い記事、もしくは小説を作成します。事前に草稿を執筆・提出し、演習期間内に各自が原稿を完成させます。集中演習では、インタビューワークやイメージを言語化して伝える「文章デッサン」など、ライティング全般のスキルアップにつながるレクチャーやワークを実施します。執筆の合間には、数人のグループに分かれ受講生同士のピアレビューや、教員の指導などを通して原稿の推敲を行います。
担当教員 宮本 道人・本平 航大・沼田 翔二朗
集中演習C(インフォグラフィック制作)
開催日 10/11(土)– 13(月・祝)の3日間
※この日程以外にも事前学習のための時間があります。
授業の目標 /
習得できるスキル
本演習ではインフォグラフィック制作の基本的なスキルを身につけます。具体的には、自分が現在取り組んでいる科学技術コミュニケーションについて、初心者でも使えるオンライングラフィックデザインツールを用いて、テキストを含んだグラフィックコンテンツを制作します。
自分の活動を端的に要約し、視覚的に表現するためのグラフィックデザインのスキルと、活動内容や意義について社会から理解を得るための表現能力を身につけます。「短い時間で人を惹きつける」を目標に、分野外の人へのアウトリーチを意識したコンテンツ制作を目指します。
授業内容 /
スケジュール
自分が現在取り組んでいる(あるいは取り組みたいと考えている)科学技術コミュニケーションについて、基本的知識がなくても(中学卒業程度でも)わかるように、テキストを含んだグラフィックコンテンツを制作します。事前に制作したいコンテンツ内容のテキストとラフ案を提出し、演習期間内に各自がインフォグラフィックを完成させます。演習では全体でのグラフィックコンテンツに関するレクチャーやワークを実施します。また、各自の制作は数人の班に分かれて行い、各班の担当教員が進捗状況の確認と情報の取捨選択のサポートをします。
担当教員 大内田 美沙紀・池田 貴子・朴 炫貞・奥村 友佳子

実践
演習

実践演習には、本科生のみ受講できる「実践演習」と、本科・選科ともに選択できる「選択実践演習」があります。

実践演習(本科のみ)(双方向)

本科生は、以下の実習のうち、いずれか1つを選択します。

対話の場の創造 実践演習(企業等の連携)
授業の目標 /
習得できるスキル
科学技術コミュニケーションに関する対話型イベントの企画、準備、運営、評価の知識とスキル、イベントの記録や広報ならびにマインドセットを学びます。また、チームビルディング、リーダーシップ、ファシリテーション、プロジェクトマネジメントについても実践的に学ぶことができます。
授業内容 /
スケジュール
「サイエンス・カフェ札幌」と、これとは異なるスタイルの対話型イベントを、企画・実施します。企画(テーマの決定、ゲストの選定・交渉、参加者層の想定等)の大まかな出発点は教員の方で準備しますが、それに基づくプログラムの具体化、実施準備、実施、評価まで、受講生が主体的に取り組みます。また、その際、ライティングや地域イベントとのコラボレーションにも取り組みます。
担当教員 奥本 素子・沼田 翔二朗・奥村 友佳子
ライティング・編集 実践演習
授業の目標 /
習得できるスキル
ライティングの基礎を学びつつ、科学技術・学術に関わる題材について、専門家と非専門家間のコミュニケーションを促進するための文章力を身につけます。また企画、取材、執筆のほか、訴求力の高い発信をするための編集の基礎的スキルについて習得を目指します。
授業内容 /
スケジュール
外来生物と環境や人との関係などをフィールドワークやインタビューを通して記事にします。また、科学技術・未来を題材にした物語を共創するSFプロトタイピングを実施します。アウトプットは、北大を紹介する広報サイト「いいね!Hokudai」に掲載する場合もあります。その他、読むこと・書くことに関連するワークを積極的に行なっていきます。
担当教員 古澤 正三・本平 航大
グラフィックデザイン 実践演習(企業等の連携)
授業の目標 /
習得できるスキル
サイエンスビジュアリゼーションの考え方と手法を、実践を通して学びます。科学技術に関するテーマやコンセプトを過不足なく表現するためのコミュニケーションスキル(テーマに合ったモチーフや色の選び方、レイアウト、イラストレーション、写真の撮影・加工など)を身につけます。Adobeソフトを使いますが、使用経験は必須ではありません。
※必要に応じて、ソフトを購入していただく場合があります。
授業内容 /
スケジュール
1. サイエンス・カフェ札幌をはじめ、CoSTEPが主催するサイエンスイベントの広報媒体(チラシ、ポスター、バナーなど)のデザインのほか、パンフレットやグッズのデザインを行ないます。
2. グラフィックデザインを使ったリスクコミュニケーションに挑戦します。札幌市の都市公園と連携し、人獣共通感染症であるエキノコックス症についての情報共有・教育コンテンツを制作します。
担当教員 池田 貴子・大内田 美沙紀

選択実践演習(本科・選科とも選択可)

共通実践演習は、本科・選科の両方の受講生を対象としています。任意参加につき、修了要件には含まれません。内容、スケジュール等はその都度発表します。希望者の状況により、人数制限を設ける場合や、開講されない場合もあります。

CoSTEP選択実践演習Ⅰ(映像)(苫小牧研究林、Adobe連携プログラム(企業等の連携、実地)
開催日 調整中(9、10月中)
授業の目標 /
習得できるスキル
身近なツールになり、気軽につくれる映像。時間をつかうメディアにおけるストーリーの作り方や、映像文法の基礎を学ぶと、より効果的に自分のメッセージが伝えられます。この授業では、苫小牧研究林をフィールドに、独自の映像コンテンツを制作することで、研究アウトリーチにつながる映像の手法を学びます。身近な機材を用いてAdobeのソフト活用技術を身につけることで、今後自分でコンテンツ作成ができることを目指します。
*Adobe社との連携ワークショップです。
授業内容 /
スケジュール
ストーリーを考えて、撮影し、Adobeのソフトを使用して編集するといった、一連の映像制作のプロセスを体験します。苫小牧研究林で撮影のフィールドワークをし、あるテーマを軸にした1分ほどの短い映像に仕上げます。手持ちの機材で映像を制作し、完成された映像は、CoSTEPのウェブサイトや苫小牧研究林から公開します。
担当教員 朴 炫貞・奥村 友佳子・Adobeスタッフ
CoSTEP選択実践演習Ⅱ(科学館・美術館)(企業等の連携、実地)
開催日 調整中(11月中)
授業の目標 /
習得できるスキル
芸術祭におけるアートと科学のアプローチを体験し、それぞれの特徴を理解し、展示の文法を知る機会を設けます。受講生同士の対話を通して展示でのメッセージを読み解き、科学技術コミュニケーションとつなげて考える力を身にづけます。
授業内容 /
スケジュール
国際芸術祭「あいち2025」を訪れ、それぞれ展示をみて鑑賞活動を行います。教員からのワークシートを軸に鑑賞し、受講生同士での話し合いに加え、関係者との特別対話も用意します。
担当教員 朴 炫貞・奥本 素子

修了式特別プログラム

修了式特別プログラムでは、これまでのCoSTEPの学びをポスターセッション、ステージ発表で振り返ったのち、これから科学技術コミュニケーターのキャリアを築いていくうえで、考えていくべきテーマや指針を特別講演で学びます。

ポスターセッション

CoSTEPの一年の学びを、展示のカタチで振り返ります。

ステージ発表

各実習、各選科のコースごとに、趣向を凝らしたステージ発表を行い、一年間の学びのアウトカムについて発表します。

特別講演

これからの科学技術コミュニケーションを行う上で、学ぶべきテーマを設け、そのテーマに関係する関係者による講演を通して、包括的に学びます。