Event

120サイエンスカフェ札幌「コキコウガクシャ事件簿未来の地球のヒント過去にあり~」を開催します

FIN
2021
10/8

本イベントは終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました!アンケートへのご協力をお願いいたします。

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「このまま何もしなければ温暖化はこの先進行するだろう。それに伴い気候は――」

地球からの温暖化の予告状が届いてから久しい。しかし、肝心の気候の部分が滲んでいるではないか。そもそも温暖化はどう進行するのだ。

予告状を受けて数々の探偵が温暖化と気候の行く先を明らかにしようと躍起になっている。多くの研究者は温暖化が緩やかに進行すると予測しているが、他の可能性はどうなんだろう……?こう考えたワトソンは現代の気候分野の名探偵のひとりである関宰(せき・おさむ)さんのもとを訪ねた。

おお、今ちょうど取り組んでいるところだったんだ、ワトソンくん。私の息子やその子孫にまで影響が及ぶこの謎を絶対に解き明かしたいと思っている。

私は温暖化の進み方の「ある懸念」を抱いている。この懸念を解消するためには、過去の温暖化が起こっていた時代を詳しく知る必要がある。過去の温暖化の進み方はこれから起こる温暖化の進み方のヒントになるはずだ。私はその手がかりを300万年前に探してみることにした。これまでの調査で、この時代では気温が現在より低い温度から少しだけ高い温度にまで上昇し、その影響で氷が溶けて、海水面も最大で20メートルほど上昇したことなどがわかってきた。

しかし、まだようやく輪郭がぼんやりと浮かんできた段階で、まだまだ見逃している手がかりがあるかもしれない。だから、海底の堆積物中に含まれている当時の生物の痕跡などの化学的な分析から気温や水温の変化を推定することで、より解像度の高い復元を目指しているんだ。

――なるほど。関さんは海底や氷に眠る過去からの手がかりを集め、その時代の気候を復元していくという推理を行っているのですね。まさに今解き明かそうとしている300万年前の気候変動、そしてこれからの温暖化の進み方の「ある懸念」についてもっと詳しくお伺いしたいです。

もちろん!もっとたくさんの方たちとこのテーマについて一緒に考えたい。ぜひサイエンスカフェで話そう。

地球を相手にたくさんの分野の研究者が力を合わせて挑む、国や分野の垣根を越えた一大推理プロジェクトから導かれる未来の地球の姿、そこに暮らす私たちの姿をともに考えましょう。研究者と私たちが一緒になって未来を考え、行動するきっかけを一緒に探しませんか?

日 時:2021年10月8日 (金) 18:30〜19:30
配 信:ウェビナー ※こちらのページの一番上のボタンよりご参加ください
ゲスト:関 宰さん(北海道大学 低温科学研究所 准教授)
参加費:無料
申込方法:事前申し込み不要

博士(地球環境科学)。専門は気候システム学、古気候学。学位取得後は、数年間のポスドク期間を経て、2009年から北海道大学低温科学研究所准教授として勤務。研究テーマは過去の気候変動を復元して得られた世界各地の時系列データの解析から気候システムのからくりを解き明かすこと。もしこのまま温暖化が進行した場合にいったいどんなことが起こり得るのか?に対する答えを求めて、過去の温暖な時代の気候変動の研究に力を注いでいる。趣味は登山とみんなで楽しくお酒を飲むこと。また最近は息子とサイクリングに出かけていろんな川を見に行くのにはまっている。

Update Date2021.9.24