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松原忍さんの作品がデザインコンペ入選しました

2010.9.12

本科受講生の松原忍さん(北海道大学環境科学院修士1年)の作品が青山芸術祭のデザインコンペティション「DESIGN AWARD 2010」で入選しました。

今年で10年目を迎えるこの企画は,東京青山のメインストリートを街灯フラッグで飾るイベントです。

2010年のテーマは「生命体を探せ」。

6月から本格的にスタートしたCoSTEPグラフィックデザイン実習生5名がこの企画に挑戦し,松原さんの作品は見事,青山の街を飾るフラッグとして採用されました。10月11日(祝)から10月31日(日)まで,青山・表参道の通りを飾る予定です。なお,審査の様子が下記ブログで紹介されています。

http://aoyamainfo.exblog.jp/

松原さんからのメッセージを紹介します。

タイトル「生命を描く少年」

松原忍(北大環境科学院修士1年)/

CoSTEP本科/グラフィックデザイン実習専攻

初めてグラフィックデザインに取り組んだ私は,「生命体を探せ」という言葉から思いついたものすべてをラフスケッチに描いてみることから始めました。生命体か・・・理系の私が最初に思いついたのは,微生物やDNAでした。でもしっくりくるようなデザインは思いつきません。もっと誰にでも分かるような,日常的な光景から生命体を探そう。そこから,赤ちゃんが一人遊びをするとき,赤ちゃんにしか見えない遊び相手がいるんじゃないか,手書きの文字には人間の生命体らしさがあるんじゃないか,昔の人はりんごの落ちる様子を見て生命体の仕業と考えていたんじゃないか・・・など目には見えないところに,生命体を見いだすようになりました。りんごの落ちる現象は,現在では方程式一つで説明できてしまいます。昔の人たちより現在の私たちは多くのことを知っていて説明できるけど,「生命体の仕業」と考えていたころの人間の想像力は現代の私たちよりも優れていたのではないかと思いました。

そして,人間が作り出した架空の生命体という考えから思いついたのが,今回デザインした「星座」でした。無数に散らばる星を線でつないで,生命体を描き出す。そこから,多くの神話も生まれました。星座を作りだす作業はきっと,わくわくとした気持ちにあふれていて,時間が経つのも忘れて夢中になってしまうものではないかと思います。その時だけはどんな大人でも,少年のような姿になる。人間の想像力や好奇心が,夜空に生命体を生み出すエネルギーを持つことを表現しようと考えました。はじめは,プラネタリウムのような星が映し出された壁に,落書きをしている男の子を書きました。そこから,大津先生のアドバイスをいただき,プラネタリウムが夜空に,少年ははしごに登る姿を経て,最終的にはペガサス座に乗せてしまい,夜空を駆け回る姿になりました。

最初に描いたラフスケッチから,大きな変化を何度か繰り返し,わたしが描きたかったわくわくとした気持ちを表現することができたのではないかなと思います。今回の制作過程ではデザインの産みの苦しみというのを少し味わうことができました。でも,それ以上に楽しい時間を過ごすことができました。この経験をこれからのCoSTEPにいかしてがんばっていきたいと思います。