私は北大の生命科学院という所で、理学部時代から鳥の行動研究を続けています。ところで、あなたは「コミュニケーション」と聞いて、どのような気持ちになりますか? わくわくしますか? それともアレルギーが出ますか? 実は私はどちらかというと後者でした。研究室にこもって好きなことだけに集中したいと思えば、コミュニケーションは(ほぼ)必要ありません。人との会話が苦手な私にとって、コミュニケーションはいわゆる鬼門でした。
そんな私がCoSTEPを受講したきっかけは、本科デザイン実習班のつくったチラシを見たことです。後から知ったことですが、デザインにはセンスは必要ありません。絵心も必要ありません。デザインはアート(美術)とはまた別で、いくつかのルールを知るだけでどんどん上達します。はじめは、CoSTEPホームページに掲載されているようなカッコいいチラシを自分にも作れるのか半信半疑でしたが、結果、満足のいく作品を作り上げることが出来ました。その過程で得た経験は1人で勉強していては得られないもので、先生方や班のメンバー、企画メンバーとの関わりから学んだことはどれも新鮮に感じました。
最後に、コミュニケーションは苦手だけどCoSTEPが気になっている方は、あまり深く考えずCoSTEPに飛び込んでみてください。なんとなくその場にいるだけで、いつの間にか周りの個性的かつエネルギッシュな人々に流されてコミュニケーションに対する苦手意識が薄れていきます。そしてもうひとつ大事なことは、将来コミュニケーターになろうと、研究者になろうと、会社員になろうと、人との出会いを大切にし積極的に関わっていこうとする姿勢は、必ず自分のためになる、ということです。私はそのことをCoSTEPで知ることが出来ました。
これから1年間、個性的な仲間にエネルギーをもらいながら、新しい世界を知ってみませんか。
阿部 万純 (本科)
北海道大学大学院生命科学院修士課程