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【デザイン】「分ける」「分かる」植物の世界。62サイエンスカフェチラシ制作レポート

2012.3.27

チラシのデザインを担当したのは、本科グラフィックデザイン実習を専攻している中西浩崇さん(北海道大学環境科学院修士1年環境起学専攻)。中西さんの制作レポートを紹介します。

みなさんにとって、植物とはどのような存在でしょうか。普段道端で何気なく見るもの、散歩に行ってきれいな花や葉っぱを集めて押し花にするもの。人によって様々ですね。

今回は、野山を駆けめぐりフィールド調査によって集めた植物を、主にその形態から分類し研究する植物分類学を専門とする高橋英樹さん(北海道大学総合博物館教授)がカフェのゲストでした。植物を分類することで、地域のつながりや、植物どうしの関係性が分かります。

タイトルの『「分ける」で「分かる」植物の世界』は、植物分類学という学問を、「分ける」と「分かる」と言う同じ文字を用いたリズミカルな表現でまとめてみました。

デザインの工夫

最初は、分類学と言う学問をどのように表現しようか悩みました。沢山葉っぱがある中をかき分けて整理していく。そんな、チラシ全体が沢山の葉っぱで覆われるようなデザインを考えました。しかし、これでは一つひとつの植物のもつ特徴がつぶれてしまいます。

そこで、逆に特徴的な植物をいくつかピックアップすることにしました。

もうひとつ、植物を分類するにあたって大切な標本の形に目をつけました。植物標本は、立体的な形を保ったまま保存する昆虫標本や、適度な大きさに加工して収集する岩石標本などと違い、厚みのないカード形式で行います。そこで、ピックアップした植物をチラシ上に配置する際、枠をつけて、カードに見たてました。この枠が同時に、植物を分類する仕切りとも表現できました。チラシ全体を囲う緑の太い枠も同様です。

全体的な緑の色は、植物をイメージさせ、印象づける狙いがありました。外側のふと枠は、標本を飾る額をイメージしています。

タイトルの決定と、デザインには、カフェの準備期間の半分以上を費やしました。そのため、当初の締め切りに間に合わず、印刷の見通しが立たないなど関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしました。特に、大津先生には多くのアドバイスと指摘を頂き完成にこぎつけることができました。

最後になりましたが、一緒にデザインを考えてくれたデザイン班のみんな、カフェ5班のメンバー、本当にありがとうございました。