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個性豊かな仲間との協働で学んだデザイン奥深さ│2025年度受講生体験記

2026.3.16

後藤純平│2025年度 本科グラフィックデザイン実践演習
北海道大学 文学院 修士1

気づけばあっという間の1年、受講のきっかけは2人の修了生からの紹介でした。文系で大学院に進学するからには専門分野の研究以外に生活の柱を作りたいと考え、(正直なところ「科学技術コミュニケーション」という言葉も初耳でしたが)CoSTEPの扉を叩いてみました。ちなみに実践演習を選ぶに当たっては、以前からデザインへの漠然とした憧れはありましたが、なかなか一歩を踏み出せずにいました。そして「この機を逃せば、一生挑戦することはないだろう」と思い、グラフィックデザイン実践演習(グラ班)での受講を決断しました。

開講式を経て講義や演習が始まると、大学の中に研究室とは異なる新たなコミュニティが生まれ、CoSTEPを受講したからこそ出会えた方々と学び合う時間は毎週の楽しみでした。最も関わる時間が多かったグラ班のメンバーは、社会人2人と大学院生3人の個性豊かな仲間たちで、各々が仕事や研究、就活と折り合いをつけながら参加していました。制作物の多いグラ班は、期限が迫るほど慌ただしくなります。研究や就活との両立に苦戦する時期もありましたが、仲間と助け合いながら目の前のタスクに向き合ううちに、気づけば1年が過ぎていました。

個人で制作したものに助言をし合いながら、グラ班としての作品に仕上げていきます。

具体的な活動は、大きく2つのステップに分かれます。上半期は、対話の場の創造実践演習が企画する「サイエンス・カフェ」のチラシを制作しました。グラ班には意見の発散が得意な仲間が揃っていたようで、多様な切り口からアイデアが浮かび、一度はボツになったアイデアをのちに復活させるということもあり、協働でモノを生み出すことの面白さを学びました。デザインの「デ」の字もわからなかった私はアイデア出しに専念し、イラストが得意な方にラフとして描いてもらうという分業を経て、1つのチラシを作り上げました。

下半期は、野生のキタキツネが生息する月寒公園(札幌市)に設置する看板を制作しました。キツネの生態を視覚的にわかりやすく、また体験しながら学べるようにギミックを組み込んだ看板に仕上げました。雑談の中から生まれたアイデアを取り入れつつ、数多の試作や修正を重ねてたどり着いた完成形でした。余白の活かし方や読み手の導線など、デザインにおいて意識すべき要素の多さに圧倒される毎日でした。その難しさと奥深さを身をもって感じられたことは、大きな財産となりました。

修了式でお披露目した看板の一つ。右下はパネルを裏返すことで夏毛と冬毛の様子を比較できるギミックとなっています。
成果発表会のポスターセッションにて、活動の紹介をしている様子。いただいたフィードバックを参考にしながら、公園で設置できるように看板のさらなる修正をしています。

1年間の実践的な学びの中で、科学技術コミュニケーションやデザインについて多くを学んだ一方で、悔しい思いも数多く経験しました。1枚のポスターを仕上げるのに苦戦して、仲間に頼らざるを得なかった苦い経験を顧みても、知識とスキルの定着は道半ばだと痛感しています。CoSTEPでの学びや悔しさを1年限りの良い思い出として割り切るのではなく、これを出発点として、CoSTEPで出会った仲間とのつながりを糧に、さらなる研鑽に勤しんでいきたいと思っています。

上半期のチラシの制作と、下半期の看板制作に関連して実施した月寒公園でのイベントについては、それぞれ詳細レポートが掲載されているので、もしよろしければご覧ください。

○ チラシ作成レポート:第143回サイエンス・カフェ札幌は、『ゲノムのモヤモヤ切り取ると、~どこまでOK? ゲノム編集』

○ 実践報告:獣害リスコミWS「月寒コンコン探偵団の事件簿」を開催しました