私は専門学校の非常勤講師をしている主婦です。科学技術コミュニケーターという新しい役割に魅力を感じて、CoSTEPを受講しました。一市民として、多少なりとも教職に携わる者として、また母親としての自分の立場から科学の魅力や抱える問題点を学び、人に伝えていく活動をしてみたいと考えたからです。
毎週の授業では、各分野の最前線で活躍される方々の講義を興味深く聞き、インタビュー、作文、企画、プレゼンテーションなどを演習で実践的に学ぶことができました。また、「さっぽろサイエンス観光マップ」というブログの制作実習を通じて、人に伝わる文章を書くためのスキルを磨くこともできました。そして、専門分野も職業も年齢も多様な仲間と出会えたことが、何よりも貴重な財産となりました。
科学技術コミュニケーションという言葉はまだ一般的でなく、一部の「科学好きな」人たちのためのもの、敷居が高いものと捉えられているように感じます。
科学技術から比較的遠い場所にいると考えられがちな子供たち、母親たち、中高年の方たちは、私にとっては身近な存在です。自分の手の届くところから少しずつ、科学の話題でコミュニケーションの輪を作ったり、情報発信したりする活動に取り組んでいきたいと思っています。

本科生修了　原林滋子

専門学校講師