博士課程に進学した春、私はCoSTEPの受講生募集を見つけ、私が研究とともにやりたいこと・興味があることはコレだ！と思い、すぐに応募しました。 今思えば、それまでの私は、一般の人に科学のことを伝えたいと感じてはいたものの、その動機や方法について、一人よがりな考えを持っていました。 CoSTEPでは、ますはじめに、なぜ今科学技術コミュニケーションが重要とされ、どのようなコミュニケーションが必要とされているのかといった根本的なスタンスや意義を教わりました。日本の科学技術コミュニケーションが目指すところをしっかりと理解しておくことは、個々の活動を行う原点を自分の中に置くという意味で、とても大切なことだと思います。そして、今の自分がそのことに気付けたということも成長の印だと思います。 私は今、自分の研究を中心にした日々を過ごしていますが、プレゼンテーションをする時には分かりやすいスライド作りに気を配ったり、昨年から始まった大学のサイエンス・カフェに関わったりと、自分にできる範囲で、ささやかな科学技術コミュニケーションを実践しています。学芸員という将来の夢に向かって、この 1年で学んだり感じたりしたことを大切にしながら、これからの研究生活を送りたいと思います。

選科生修了／國光 陽子

広島大学大学院博士課程、福岡県在住