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「可能性の玉手箱」CoSTEP

2012.3.29

 2010年の10月、ボランティア研修会で北大に来ていた私の目に飛び込んできた「プロジェクト募集します!」の文字。それがCoSTEPとの出会いでした。千歳市の理科教育に関して悶々たる思いを持っていた私は、勢いに任せて「プロジェクト募集」に応募しました。そこから始まったのが今年度の「地域と大学の連携」実習です。

「地域と大学の連携」は、まず「何をすべきか」を自分たちの中で考え、そして「行動する」という自主性のある実習でした。地域(ここでは千歳市)の問題を掘り下げてその原因を明らかにし、原因に応じた解決方法を模索することから始まりました。この問題解決方法は、北海道大学の知的資源を活用し、受講生自身が地域の柱となって問題を解決する能力を身につけさせてくれました。具体的な成果としては、「サイエンスカード」という親子のコミュニケーションを促すグッズを作成し、イベントで配布したことです。さらに、身につけたノウハウを「子ども向けサイエンスイベントの企画・運営法」という冊子にまとめました。これはホームページ上で公開しています。

実習のほかにもさまざまな収穫がありました。毎週水曜日に行われる、各界で活躍されている講師をお招きしての講義は、毎回新鮮な「知的」驚きの連続でした。普段の生活では接する機会のない方々に直接質問し、答えてもらえるという幸運な場でもありました。さらに、サイエンスカフェを企画・運営するカフェ実習では、北海道大学のトップクラスの研究者の研究を「いかにわかりやすく伝えるか?」ということにみなで頭をひねりました。その過程でコミュニケーションの重要性を、身をもって体験することができました。

素晴らしい研究者の方々、魅力的な講師陣、刺激し合える受講生仲間……。CoSTEPには本当にたくさんのキラキラした可能性があります。玉手箱を開けるのはみなさん自身です。ぜひとも挑戦してみてください。

廣島 潤子
第2期・第3期千歳市市民協働推進委員/千歳市行政改革推進委員/
千歳市子ども活動支援センター・コーディネーター