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ボク、生物ロボット”〜科学が生み社会が育てる人工生命

2012.11.11

カテゴリー:チラシ・ポスター

イベント:サイエンス・カフェ札幌

制作者:前田明裕(2012年度本科)

制作年:2012年11月


イベント名:第66回サイエンス・カフェ札幌「ボク、生物”ロボット”〜科学が生み社会が育てる人工生命〜」

ゲスト:山崎健一さん(北海道大学地球環境科学研究院准教授/合成生物学)

開催日時:2012年11月24日(金)16:30〜18:00

チラシのデザインを担当したのは、本科グラフィックデザイン実習を専攻している、前田明裕さん(北海道大学工学部4年)。前田さんの制作レポートを紹介します。

「ボク、生物ロボット」

今回のサイエンス・カフェのタイトルは「ボク、生物”ロボット”〜科学が生み社会が育てる人工生命〜」です。「生物ロボット」と呼ばれる、遺伝子を合成し、人類の役に立つよう何らかの目的を持って作られる生命体のことで、実際に合成された微生物や植物が実験室で作られています。カフェでは、合成生物学の基本や実験室で作られた「生物ロボット」の紹介、将来実用化するときにどのような用途に役立てたいかといったことを、来場者と一緒に話し合いました。

完成したチラシでは、「生物」の「生」の字を、青や緑の丸で構成しました。特定の「生物ロボット」ではなく、生命体や細胞のもつイメージを抽象的に表現しています。大小の丸の集合体は、今にもうごめきそうな形をしています。一方「ロボット」は角張った字体と銀色のインクで表し、「生物」と対照的な印象を与えています。

チラシを作る意味

チラシのデザインは、言うまでもなくイベントの開催を大勢の人に知らせるために行うものです。それは印刷物としてのチラシやポスターのみならず、webページやタウン情報紙、新聞など様々なメディアを通じて伝えられます。実際に市民にサイエンス・カフェに足を運んでもらうためには、それぞれのメディアが伝える膨大な情報の中から、このサイエンス・カフェの告知を見つけ出し、興味を持ってもらわなければいけません。ですから、チラシのデザインに求められることは、必ずしも研究や発表の内容を正確に再現することとは限りません。それよりも、大勢の人の目を惹いて、見てもらえることを目指します。とはいえ、ただ目立てば良いのではなく、イベントのコンセプトをチラシのデザインに表さなければいけません。

もちろん、日時などの情報は、小さな紙面の上でも容易に識別できる必要があります。また、イベントの詳しい紹介は、チラシの裏面や、CoSTEPのwebページに掲載しています。それぞれが何を伝えるか、どのように読み手の視線を誘導するか、役割分担を考える必要があります。これら全てのことを考慮して、絵柄やレイアウトを決めていていきます。「デザイン」の役割は、綺麗にカッコよく作ることにとどまらないのです。

制作を終えて

今回、「生物」という抽象的な概念を前に、途中なかなか良いアイデアに辿り着くことができませんでした。たった1枚のチラシでさえも、様々な条件をクリアして、良いデザインを生み出すのは簡単なことではありません。今回の経験はわたしにとって「デザインとは何か」ということを考え直す契機にもなりました。

そして、このチラシのデザインを完成させることは、わたし一人では決してなし得なかったことです。授業の時以外にも何度も時間をさいて指導いただいた大津先生、意見をいただいたデザイン実習のみなさん、なかなか完成型を示せない中助言をいただいたカフェ実習のみなさんに感謝申し上げます。最後になりましたが、チラシを手に取って、会場にお越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。