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いそじ越えの小生、若き日の学び舎で人生の気づきを得る

2014.3.24

 2009年夏、私は、「技術論争を得意とされるお客様の接し方」について何かいい方法はないものかと考えていました。奨学研究を北海道大学のとある研究室に依頼しようと歩いていたとき、偶然に総合博物館前の掲示板でCoSTEPの存在を知ったのです。

そのときから私の科学技術コミュニケーションへの興味がわき始めました。

 2010、2011年と仕事の都合で受講できず、なんとか2012年に念願かなって受講をしましたが、一番楽しみにしていた集中演習に海外出張のため参加できず、途中断念をせざるを得ませんでした。しかし、私の受講への気持ちは高まるばかり、今期再応募し、選科の受講に至りました。

 当初、「社会人に広く門戸を開いた大学院的なカリキュラム」を想像していましたが、これは良い意味で裏切られました。

20年来、会社経営をしている私が受講しても極めて実践的で学問的示唆に富んだ内容でした。授業はウエブ配信のため都合の良いときに受講でき、レポートの提出というタスクが、日々業務のモチベーション維持と知識の整理に役に立ちました。

しかし、最も有益だったのは、夏の集中演習でグループワークを経験したことです。年齢、業歴に関連ない受講生があるテーマに向かって議論し、成果物を総括していく過程がすごく新鮮に感じ、自身の思考の整理や作業の進め方について再認識できた機会となりました。

 現在の私の課題は、CoSTEPにおけるテーマの根幹でもあるトランスサイエンス問題に対する対処方法の確立です。科学技術に関する知識やコミュニケーション手法は、研鑽すれば向上はするでしょうが、トランスサイエンスの視点をもって対処するか否かで大きくその方向性は変わります。解決する問題が複雑になる中、この視点の意味や事例を研修できたことの意義は大きかったと感想しています。

ご指導いただきました教員のみなさま、ありがとうございました。

日比幸人

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