現在、IoT(Internet of Things;モノのインターネット)の技術開発が進んでいます。身の回りのモノがインターネットにつながり、そこれから収集したデータを解析することで、新たな付加価値をつけたサービスが提供されるようになりつつあります。では、そのIoTの技術を、人間の身体に埋め込むことで、心拍や脈拍、血糖値などの生体情報を365日24時間集め、健康管理をすることができたらどうでしょうか。これらの技術を用いることで、そこから得られたデータを創薬や医療技術の開発に用いることもできるでしょう。その結果、私たちはより健康に生活することができるようになるかもしれません。
今回、CoSTEP 対話の場の創造実習は、札幌市資料館の刑事法廷展示室(旧札幌控訴院)にて、身体に埋め込むことで、生体情報を常時モニタリングすることができる装置が開発された未来を想定した「討論劇」を実施します。その後、観客のみなさんとともに、そのような装置を受け入れてよいかどうかを考え、判断を下す、ワークショップを行います。
人数に限りはありますが、演劇を用いて科学技術コミュニケーションを行う試みにご興味のある方は、ぜひご参加下さい。
生体IoT:生体情報を収集するデバイスやバイオセンサを用いた生体情報センシング技術と、インターネットへ接続することでデータを転送し蓄積するIoTの技術を組み合わせたものを指す
(会場の札幌市資料館と刑事法廷展示室)
〜討論劇あらすじ〜
今から十数年先の未来の日本。インターネットに接続された機器を身体に埋め込むことで、脈拍、血圧、血糖値などの生体情報を24時間365日モニタリングして、生活習慣病の予防を行うサービスが考案された。このサービスの導入を巡って、開発者と、肯定側と否定側それぞれの専門家が招集され、市民会議が開催されることとなった。新たな科学技術によって、健康に生きることの意味が問われようとしている。参加者のあなたはどのような評決を下すことになるのだろうか?
その時、あなたは埋め込むか?〜討論劇で問う生体IoTを用いた健康管理の是非〜
【日 時】:2019年1月27日(日) 14:00〜16:00
【場 所】:札幌市資料館(札幌市中央区大通西13丁目、011-251-0731)
刑事法廷展示室(http://www.s-shiryokan.jp/floor/01-3sapporo.htm)
【主 催】:CoSTEP 対話の場創造実習「劇団 DoSTEP 2018」
【共 催】:札幌市資料館
【参加費】:無料
ワークショップ参加者は20名、事前申込制(こちらの応募フォームから申し込んでください)
定員に達したため、ワークショップの受付は終了しました。ありがとうございました。
討論劇の観劇は自由。
(ワークショップの内容は研究報告のため録音・録画を行います)
【連絡先】:tanemura(A)costep.hucc.hokudai.ac.jp
*このイベントは、2016年度 科学研究費助成事業 基盤研究(C)「デュアルユース概念の科学技術社会論的検討(課題番号 16K01157)」(研究代表者 川本思心)および、2018年度 科学技術社会論・柿内賢信記念賞(実践賞)「演劇の専門家による「対話劇」を用いた「科学技術の社会実装についての熟議の場」の創出」の助成を受けています。
【プログラム】
40分ほどの討論劇を鑑賞後、ワークショップ参加者は、陪審員として「埋め込み型の装置を用いた健康管理」の是非について評決を行います(50分)。その後、評決の発表と討論劇のエンディングが上演されます。ワークショップに参加せずに討論劇のエンディングを見たい方は、その間お待ちいただくことになります。ご了承ください。