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2019年度メディアデザイン実習映像デザイン実習 課外特別演習「Adobe行こう!」(前編)

2019.10.24

映像デザイン実習 米田 夏輝
メディアデザイン実習 中島 優花

2019年7月29日にメディアデザイン実習と映像デザイン実習の合同で、クリエイティブの分野で革新的なサービスを数多く提供しているアドビ システムズ 株式会社が主催する「Adobe Education Forum 2019」に参加してきました。

このイベントは、クリエイティビティを発揮して課題解決に取り組む力、「創造的問題解決能力」を学生や生徒が身につけ、将来生き生きと活躍できるようにCreative Confidence(創造性に対する自信)を育成することを重要視し、この視点から考えるSTEAM教育について発達段階別での実践事例の発表とワークショップの実践提案を行う場として設定されていました。今回は「研究発表ポスターをつくる」というワークショップにCoSTEP受講生として参加して、Adobe Illustratorを中心に用いて研究発表用のポスターの制作を行いました。

(「研究発表ポスターをつくる」ワークショップ)

見せ方をデザインする

普段は映像デザイン実習生としてAdobe Premiere ProやAfter Effectsを扱う機会が多く、Illustratorを普段使うことがないので、実際にソフトを使ってのワークショップは学びの多い機会となりました。ワークショップではインストラクターの方から基本的なレクチャーが行われ、Illustratorの基本的な使い方やデザインとは何かについてお話いただきました。この中で印象的だった言葉は京都大学の山中伸弥教授の「研究は半分、残り半分はどのように伝えるか」というものです。研究において中身はもちろん大切だが、同様に見せ方も重要であることを伝えたメッセージです。この見せ方を向上させる上で大切なのが「デザイン」です。

デザインとは機能を考えて構想することであり、引きつける要素になります。今回のワークショップで使用したIllustratorはビジュアルコミュニケーションに長けており、自由なレイアウトを組むことが可能で、かつベクターデータで制作することができるため、見やすい制作物を作ることができます。さて、レクチャーではポスターの基本的なレイアウトとして1カラム、2カラム、Z型、ビジュアル重視の4パターンが取り上げられました。

(①1カラム ②2カラム ③Z型 ④ビジュアル重視)

今回はビジュアル重視型でポスターを作成することが指定されました。ビジュアル重視型はグラフィックやイラスト、最小限の文字を用いて情報やデータを分かりやすく可視化した「INFOGRAPHICS」を駆使する必要があるので、4パターンの中で最も難しいとされています。これまでにあまり意識して使ったことがないのでなかなか難しい課題となりました。

現在大学3年生であり、まだ研究テーマが決まっていなかったので過去のプレゼンの資料をポスターにリメイクすることにしました。内容は1年生の時に受講したCoSTEPの全学向け授業「北海道大学を発見しよう」で行なった、北海道大学の隠れた魅力である北大式土器について商品開発を通して紹介するというものです。授業の詳しい内容については以下のリンクをご参照ください。

https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/news/8457

基本的なレクチャーを受け終わるといよいよポスターの制作開始です。与えられた時間は3時間。普段から頻繁に制作をしない自分にとってはかなり厳しい時間設定でした。今回はAdobeのインストラクターの方に加えて、デザインを専攻されている学生さんもいらっしゃったので疑問に思うことがあればすぐに聞くことのできる素晴らしい環境で作業することができました。

さらにAdobe Stockのプリセットも自由に使うことができたので、デザインの幅が大きく広がりました。画面に向かう前にスケッチブックでラフ案をざっくりと考えました。土器から連想されるイメージは何か。どのような情報を選択して伝えるのか。など冒頭のレクチャーで教わったことをフルに活かしながら、さまざまことを考えてからIllustratorに向き合いました。

(スケッチブックでラフ案を見ながらIllustratorに向き合う制作風景)

多くの方にアドバイスをもらいながらポスター制作を進めることができました。この色使いはどうか、このようなフォントはどうかなど基本的なことを多く質問し、何回かの軌道修正を挟みながら少しずつポスターを形にしていきました。

(多くの方々からアドバイスをもらい段々と形になってきました。なんとか集中力を維持して制限時間ギリギリで完成しました!)

(これが製作したポスターです)

ポスターを見てくださった方から、「色の使い方がいいね」などのお褒めの言葉をいただきました。コメントをくださったみなさま、本当にありがとうございました。よい学びを得ることができました。

ワークショップを通じて

ポスターを構成する色、フォントを少し変更するだけでもイメージは大きく変わります。どのような選択をすれば適切な伝え方をできるのかを考えさせられたワークショップでした。この選択をきちんとして見せ方をよりよいものにすれば、内容はもっと伝わる。いっそうデザインの面白さを知ることができたのでよかったです。やっぱり「創る」ことは楽しいですね!

今回のAdobe Education Forum 2019は本当によい経験となりました。参加できたことに感謝申し上げます。本イベントでお世話になったみなさま、ありがとうございました。この経験をCoSTEPでの今後の活動に生かしていきます。

(ありがとうございました!)