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Adobe MAX Japan 2019参加レポート(映像デザイン実習)

2019.12.22

北海道大学CoSTEP映像デザイン実習では初めて、12月3日にパシフィコ横浜で開催されたクリエーター向けのカンファレンス「Adobe MAX Japan 2019」に参加してきました。

アドビカスタマーソリューションズ統括本部の冨崎 太一さんに案内していただき、米田 夏輝さん(経済学部3年・映像デザイン実習)と、撮影指導で村中 令さん(9期本科修了生・映像メディア実習)、早岡 英介(CoSTEP特任准教授)が取材しました。

左からCoSTEP 早岡 英介、村中 令さん、アドビ 冨崎 太一さん、米田 夏輝さん

Adobe MAX JAPAN 2019の会場となったパシフィコ横浜

11月にロサンゼルスで開催された「Adobe MAX 2019」の日本版で、AIを使った新機能などが華々しく紹介される一大イベントです。今年から一般10,000円の有料イベントとなりましたが(学生無料)、過去最高の来場者数を記録し、3000名を超えるクリエイターが全国から集まる貴重な場になっています。

大盛況のAdobe MAX JAPAN会場の様子

会場の様子をOsmo Pocketで撮影(制作:米田 夏輝・村中 令)

映像系のワークショップもたくさん開かれ、アーティスト 椎名 林檎のPVで知られる児玉 裕一 監督や、人気YouTuberであるダストマン氏のセッションは広いステージが満席となるなど、どのブースも大盛況でした。

■教育関係者向けランチセッション

現在、アドビは「デジタルクリエイティビティ」の基礎講座を筑波大、千葉大、北海道大大学院、山形大、横浜国立大で開講しています。もちろんCoSTEPではかなり以前より、科学技術コミュニケーション教育ににアドビのソフトを活用したクリエイティブな教育手法を取り入れてきました。

今回のランチセッションでは、千葉大の落合優衣さんと北大大学院文学院「教養深化プログラム」で学ぶ細井 史さんが登壇し、大学生、大学院生がクリエイティブ講座を受ける意味について発表していました。

アドビソフトを使った学びについて発表した北大大学院 細井 史さん

中でも北大の細井さんは、大衆的「わかりやすさ」と学術的「わからなさ」のほどよいバランスとはどういうものかに関する考察を発表し、注目を集めていました。

■最新機能の見本市

Premiere Proでは、映像をアドビ社のAI「Adobe Sensei」が分析し、動画素材のアスペクト比をトリミングした際に被写体が常に画面内に入るように画面を自動調整する「オートリフレーム」機能が追加されたそうです。

他にもオブジェクトを自在に変形できるPhotoshop「ワープ」機能やAdobe StockのライブラリからAIで構図や被写体が類似している素材を検索して簡単に置き換えられるInDesignの機能など、クリエイターも人工知能と共存する時代になったことを感じさせる様々な発表がありました。

IllustratorやPhotoshopのiPad版がリリースされ、ペンを使って写真の細部を加工したり、指で写真や画像のパーツを動かせるようです。

また展示コーナーでは、iPadやiPhoneのARアプリを通して見ることで、泳ぐクジラが合成される「クジラと泳ごう!」などが注目を集めていました。

限定のアドビオリジナルカクテル(無料)がふるまわれた懇親会 Beer Bash

■感想 (15期本科・映像デザイン実習 米田 夏輝)

2019年を振り返ってみると、年初めにAdobe Creative Cloudに入会してAdobeのソフトに触り始め、5月からの実習でAfter EffectsやPremiere Proを使って映像編集を日常的に行うようになり、6月のグラフィックデザイン演習でIllustratorやPhotoshopに初めて触れ、7月に参加したAdobe Education Forum 2019ではIllustratorでA1サイズのポスターを作り、9月以降は自分の課外活動でパンフレットや映像作品を制作し、気づけば普段の生活でも日常的にAdobeソフトに触るようになりました。言ってしまえばAdobe漬けの1年でした。

このようにクリエイティブに対してかなりの興味・関心を持った状態で参加できた「Adobe MAX Japan 2019」は、自分にとって本当に学びの深い、素晴らしい時間となりました。普段制作活動を行なっていると、自分なりのやり方が無意識のうちにだんだんと構築されていってしまい、視野が狭くなりがちです。今回参加して有名なクリエイターさんの講演や最新技術の発表を聞けたことで新たな視点を得られ、色々な考え方を吸収できたので、今後の自分の制作の幅が一気に広がったような気がします。

当日は、多くのクリエイターさんの講演を聞きましたが、最も印象に残っているのは、人気Youtuberのダストマン氏による講演です。個人的にダストマン氏の動画を見て、モーショングラフィックス制作の勉強をしていたこともあり、生でお話を聞くことができたのは非常に貴重な機会となりました。

わずか数秒のモーショングラフィックスの制作でも、途方も無い時間がかかってしまいます。制作中はかなり辛いのが現実です。ですが作り終わった後の達成感、高揚感はものすごいものがあるとダストマン氏はお話されていました。ただただ時間のかかる作業に辟易としていましたが、その制作の時間は達成感を味わうために、さらには良いものを作るために必要なものであるとダストマン氏のお話を聞いて感じました。やっぱり映像制作は面白いなあとしみじみと思いました。

TEDxHokkaidoU2019のパンフレットもIllustratorで制作しました

今回のAdobe MAX Japan 2019で得た、新たな知見、視野、考え方を生かして残りのCoSTEPの期間中、さらには今後の生活の中でこれまでよりもレベルアップした制作物を生み出していきたいと思います。当日お世話になった皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します!

p.s. 念願のAdobeクッションも買えました!!