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2021年度CoSTEP開講特別プログラム「科学をまちに出そう、未来のまちをつくろうデジタル時代の科学技術コミュニケーション~」を開催しました

2021.5.24

2021年度のCoSTEPは、75名の受講生を受け入れ、スタートを切ることになりました。

5月15日(土)には、本年度最初の活動である開講特別プログラムをオンラインで開催しました。開講特別プログラムは、開講式・特別講義・ワークショップの3部構成で行われました。特別講義では、美馬のゆりさん(公立はこだて未来大学 教授)を講師に招き、今回のテーマである「科学をまちに出そう、未来のまちをつくろう ~デジタル時代の科学技術コミュニケーション~」に関する講演をしてもらいました。その後のワークショップでは、カードやワークシートを各自で用いながらオンラインでのグループワークを行いました。

開講式

はじめの開講式では、受講生に向けて、CoSTEPの川本思心 部門長からCoSTEPとはどういうところなのか、どのようなことを学べるのか、について説明されました。

また開講式の中では、CoSTEPスタッフの自己紹介も行われました。

特別講義

つづく特別講義は受講生のみではなく、より多くの方々に視聴してもらうため、YouTube Liveでの無料配信も行いました。約110名の方々に視聴して頂くことができました。

特別講義の冒頭では、山口淳二 理事・副学長/高等教育推進機構 機構長から、祝辞と講師である美馬のゆりさんの紹介をしてもらいました。

美馬さんは学習科学や科学技術コミュニケーションの専門家です。日本科学未来館の設立にも携わり、公立はこだて未来大学ではボランタリー組織「サイエンス・サポート函館」を立ち上げられました。

特別講義の前半では、科学技術コミュニケーションとは何か、科学リテラシーとは何か、そして、科学技術コミュニケーションの促進と科学リテラシーの向上は車の両輪である、ということを丁寧に話して頂きました。さらに、その両輪と共に、社会における学びの環境をいかにデザインするか、を考えると多様な人々が連携していくことの大切さが見えてくることを示してくれました。

後半では、美馬さんが核となって開催されている「はこだて国際科学際」を例に、科学イベントのデザインについて話題提供して頂きました。その話の中では、「学んで、つくって、共有する」という考えを持つことの大切さについて強調されていました。

講義の終盤では、オンラインで科学イベントを開催する際の注意点について、学習科学の観点から解説して頂きました。最後には、デジタル時代の科学技術コミュニケーションについて、「北海道ならではのコンテンツと北海道ならではのメソッドを一緒に考えていきたい」というメッセージもありました。

ワークショップ

特別講義に終了後には、受講生向けのワークショップを開催しました。こちらもオンラインで開催しました。約60名の受講生が参加しました。スタッフとTAを合わせると70名を超える人数でのオンラインワークショップとなりました。

参加者には、事前にICタグやVRといったデジタル技術が書かれたカードと、それと共に考えを深めるためのワークシートを郵送し、手元で考えたり書いたりできるようにしました。ワークショップの間は、手元にあるカードやワークシートで考え、オンラインで意見交換しながら、デジタル技術を活用した科学技術コミュニケーションについて考えました。

ワークショップの後には、オンラインの懇親会を行いました。

開講特別プログラムを終えて

ワークショップを含む開講特別プログラムをオンラインで開催することは、今回が初めての試みでした。対面形式で実施したかった面もありますが、オンライン開催としたことで、例年よりも多くの受講生が開講特別プログラムに参加することができました。

新型コロナウイルス感染症の拡大がなかなか収まらない状況です。今年度のCoSTEPの活動も、当面はオンライン中心で実施されます。このような状況ですが、オンラインの強みを活かしつつ、今年度もCoSTEPでは様々な活動が展開されていく予定です。そのスタートとして、完全オンラインで開催された今回の開講特別プログラム「科学をまちに出そう、未来のまちをつくろう ~デジタル時代の科学技術コミュニケーション~」は相応しい会となりました。