
世論調査からは、新聞・テレビなどの大手メディアの報道によって市民が科学技術の情報を得ている。その一方で、科学者たちは市民に対する自らの研究内容をシンポジウムや所属機関の一般公開で伝えたいと考えているとのことだ。テレビは1%の視聴率で130万人に情報を届けることができる。科学者はメディアをもっと有効に活用することでもっと科学情報を伝えられることを意識すべきで、メディアが伝える科学ニュースの内容も、よりレベルの高いものにすべきだ、と話された。
報道機関で科学ニュースがどのような過程を経て作られるかを説明していただき、発信されるニュースの質に関してどのような課題があるかをお話しいただいた。一つには、プレスリリースやその他の情報源を、十分な検証をすることなく報道してしまう例があるとのことだ。これらは、記者自身がもっと勉強していれば防ぐことができた事例や、プレスリリースの情報に加えて、自らの足で取材すれば防げた事例だ。これらの事例の記事について、ニュースソースとなったプレスリリースや論文をもとに、どこがどのように事実と違っているかを検証する演習も行われた。

レポート: 児玉 耕太(本科生)