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みんなで探った「・編集」意味

2022.3.22

私は、CoSTEPを受講するまで、科学技術コミュニケーターという概念を知らなかった。CoSTEPの存在は、R3年度に北海道大学の社会人博士課程に入学した時に、入学式の配布資料で初めて知った。日常では体験できない学びを欲していた私は、CoSTEPを志望することにした。私は、本科:ライティング・編集実習を修了したが、実はCoSTEPの4つの実習の中でライティング・編集実習は第2希望であった。理由は、日常の仕事で私は文章を書くことが多く、ライティングに関しては自信があったからだ。しかし、合格したのはライティング・編集実習であったため、受講するかどうかを正直、迷った。しかし、学びは必ずあるはずと思い、受講を決意した。実際に受講すると、まだまだ学びがたくさんあることを思い知らされることとなった・・・・

ライティング・編集実習班の活動から得た学びの中から、特に、「ライティング・編集実習」という名前の最後の「・編集」について、述べたいと思う。受講当初は、ライティングがメインで編集はおまけであると思っていた。しかし、編集の重要性を知ることができたことが一番の学びとなった。特にそのように感じたのは、ライティング・編集実習班で実施した研究者インタビューで記事を書いた時である。私は、研究者インタビューの取材記事は、研究者が述べたありのままを簡潔に伝えるものだと考えていた。しかし、「研究者は何を伝えたいのか。それは読み手が知りたい内容なのか。そして、読み手が理解できる内容になっているか。」等、記事を書く際には、科学技術コミュニケーターとしての「編集」が必要となる。

(研究者インタビューの様子。執筆する原稿を意識しながら、研究者の思いを探った)

このことに気づかされたのは、ライティング・編集実習班で行ったピアレビューにおいてである。ライティングといえば一人で黙々と作業すると思われがちであるが、ライティング・編集実習班では、できあがった企画書や記事に対して、みんなで議論するピアレビューを実施している。ピアレビューによって、他の人の考えを知ることができ、とても良い学びとなった。何気ないことかと思われるかもしれないが、日常だと自分の書いたものに対してコメント頂くことが少ない私にとって、とても良い機会となった。

(ライティング・編集実習班お馴染みのピアレビューの一幕。みんなと納得のいくまで議論した)

研究者インタビューを通じて、研究者や読み手といった様々な立場の人々に配慮しながらも、自分の視点で記事を編集していくことの重要性を学ぶことができた。

このように、ライティング・編集実習班に参加し、様々な活動を通じてみんなで議論することで他の人の視点からも学びを深め、日常の仕事だけでは得られない体験をすることができた。本当にライティング・編集実班班に参加できて、私は幸せ者だったと思う。本体験記では、私が所属したライティング・編集実習班の活動のほんの一部を紹介したが、この他にもCoSTEPでは、演習、講義と内容は盛りだくさんである。ぜひCoSTEPを受講し、普段では味わうことができない学びを実感してほしい。

長内 克真(2021年度本科:ライティング・編集実習)
北海道大学 農学研究院 博士1年