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CoSTEPヒント仲間の宝庫

2022.3.22
受講のきっかけ

私は関西の科学館で働く傍ら、ファシリテーションの活動を行っています。そこで「科学技術」をテーマにした対話の企画をしているのですが、科学分野以外の人と関わる機会が増え、科学という軸だけではなく、多様な考え方を理解する必要性を感じていました。なにか伝わらない、当たり前が当たり前じゃない、など改めて「サイエンスコミュニケーションって何だっけ?」と自問自答していた頃、一緒に活動しているメンバーのCoSTEP卒業生からCoSTEPのことを聞き、「何か答えが見つかるかも」と思い受講を決めました

講義と夏の集中演習

始まった講義はとても刺激的なものでした。登壇されるのは科学と社会の関わりの中で、現役で仕事をされている方ばかり。コロナ禍、まさにサイエンスと社会との関わり方が浮き彫りになった年でしたが、中にはその最前線で奮闘されている講師の方もいて、リアルタイムでサイエンスコミュニケーションについて考える良い機会になりました。

8月の集中演習は「4日間でオンライン企画を作りきる」こと。打ち合わせも全てオンライン、予想以上に濃厚な夏になりました。チームメンバーは地域も年齢もバラバラの5人、共通していたのは、科学館などの展示施設で働いていること、そして、“対話”というコミュニケーションに興味があったこと。

(集中演習 弁当屋「ちきゅう」の1コマ)

深夜に及ぶミーティングや発表の前日まで諦めずに議論し尽くしたことなど、今思うと社会人もいる中よくやったなぁと思います。それでも、時間がないからと妥協せず、それぞれが自分の意見を語り、自分と違う意見に耳を傾け、納得してから進めることを意識していました。サイエンスコミュニケーションの手法として“対話”にこだわり、話すこと、聴くことに前向きな覚悟を持っていた仲間だからこそ成しえた演習だったと思います。

そして、対話を重ねる中で、新たな視点が生まれたり、解決の糸口が見つかったりという体験を通じ、手法としての手応えを得られたことも成果でした。修了後、それぞれの施設において多様な人々とサイエンスコミュニケーションを行うための、正に“演習”であったと感じています

(チームミーティングにて。jamboardで意見出しの1コマ)
受講を終えて

入学したとき求めていたのはサイエンスコミュニケーションとは何かの“答え”でした。1年経った今、得たものは、サイエンスコミュニケーションとは何かを問い続けるための沢山の“ヒント”です。「分かり合えないからどうしよう」という悩みは「分かり合えないのが普通 さあどうする?」という前向きな挑戦へと変化しました。

今、私の前には「サイエンスコミュニケーションとは何か」を描く巨大なキャンバスが広がっています。そして見渡せば、それを一緒に描く仲間やサポートしてくださる先生、そして先輩達が・・・・!

「サイエンスコミュニケーション」に興味を持ったら、ぜひCoSTEPの扉を開いてみてください。

問い続けることへの楽しい旅路と、共に旅する素敵な仲間が待っています!

(チームメンバー。集中演習の最後にパチリ(中央左が筆者))

有村 直子(2021年度選科A)
科学館スタッフ