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国立環境研究所福島地域協働研究拠点で「環境カフェふくしま活動報告会」を行いました

2022.3.31

浅野希梨(2021年度研修科/社会人)

2022年3月23日(水)11:00〜12:35、福島県環境創造センター交流棟で、「環境カフェふくしま活動報告会」を開催しました。「環境カフェふくしま」は、 “問いを立てる力、質問力、探求力、観察力、理解力などの環境課題にアプローチする感覚を対話によって身につけること”を目的として、国立環境研究所福島地域協働研究拠点(以下、福島拠点)が、福島県立安積黎明高等学校化学部1・2年生8名と行ったプログラムです。

このプログラムは、福島拠点が初めて、高校生と取り組んだ長期プログラムであり、担当した浅野がCoSTEP研修科で種村剛(特任准教授)の指導の下で1年間準備を進めた科学技術コミュニケーションの実践活動でもあります。

(発表の様子)〈国立環境研究所福島地域協働研究拠点提供〉

この日、安積黎明高校からは、発表者6名を含む23名と顧問の先生、国立環境研究所からは15名が参加しました。CoSTEPからは種村がZoomで参加しました。

高校生の発表テーマは「これからの10年で、脱炭素社会実現に向けて必要なことは?~2030年までに私たちはなにを考えていけばよいのか~」。

それぞれ「カーシェアリングの普及」と「脱炭素への意識・関心度」の観点で、調査データを交え、さらに調査結果からの考察を現状課題の指摘や独自の提言として発表してくれました。

(全体の様子)〈国立環境研究所福島地域協働研究拠点提供〉

高校生の発表を聞いた研究者からは、「短期間ながら、どちらも良く考えられた発表だった」と好評を得ていました。

終了後、高校生たちからは、「研究者の方のコメントや講評の内容の幅に圧倒された」など、自分たちの発表から引き出された研究者たちからのコメントに大いに刺激を受けたようでした。

また、高校の顧問の先生からは、「10年後や20年後の彼らの人生にきっといきていくと思います。」と感謝の言葉を頂きました。

開催のちょうど1週間前に福島県沖での大きな地震があり、会場となる建物も翌日には臨時休館、交通機関も一時停止になり、所内のネットワーク環境も乱れるなど、新型コロナ感染状況に加えて、開催直前まで予想していなかった事態が続きました。そのなかで、高校生たちが集中力を切らさずに、対話を重ね考えた内容を堂々と発表する姿に胸が熱くなりました。

中でも、高校生たちが“自分たちの発表に呼応して、参加研究者から新しい視点がもたらされたこと”を興奮した様子で嬉しそうに語ってくれた姿が印象的でした。今回の活動報告会自体も、発表者と参加者がお互いの考えを深め合う、「対話」の場となったことに力をもらい、来年度もこのプロジェクトを続けていきたいと思います。

【当日のプログラム】